NTT Com、クラウドを最大31%値下げで業界最安値更新

 NTTコミュニケーションズは、パブリッククラウドサービス「Bizホスティング Cloudn(クラウド・エヌ)」において、2014年5月1日から、最大31%の値下げなどによる料金改定を実施すると発表した。この料金改定によってNTT Comは「お客さまは業界最安値でパブリッククラウドサービスを利用することができます」としている。なお、同発表を行った4月15日、同社代表取締役社長の有馬彰氏は、報道関係者とIT関連のアナリスト向けに説明会を開催し、「通信事業者ならではのキャリアクラウドの特長を活かし、グローバルでシームレスにクラウドサービスを展開していきたい」と今後の展望を語った。(写真は、「NTTコミュニケーションズのGlobal Cloud Vision2014」について発表する有馬彰氏。サーチナ撮影)  NTT Comのクラウドサービスは、クラウドと外部との間でのデータ転送量(アップロード・ダウンロード双方向)無料という特長がある。今回の料金改定は、Compute(FLATタイプ)およびCompute(VPCタイプ OpenNW)については、最大13.9%の値下げ。Relational Database(RDB)については最大31.5%の値下げを行う。クラウドサービス事業者の間で、利用料の引き下げやサービス拡充の競争が激化しているが、NTT Comとして、この分野での競合に後れを取ることのない姿勢を示した。  有馬氏によると、同社のクラウドサービスの顧客数は、企業のコアシステムを担う「Bizホスティング Enterprise Cloud」、および、「クラウド・エヌ」を合わせて約4900社。2012年度の2400社から大幅に増加した。  さらに、利用者の拡大をめざす拠点整備を着実に実行に移している。たとえば、データセンター(サーバールーム)面積は、2013年度に146拠点19.8万平方メートルになったものを、2014年度以降に153拠点24.6万平方メートルに拡充を計画。特にアジア地域と米国・欧州地域での拡充を図る。  さらに、クラウド/コロケーションのサービスに関連するLAN、ネットワーク(WAN)、さらに、アプリケーション、セキュリティ、運用管理サービスなどの周辺業務を拡充。海外企業を積極的にM&Aによって傘下に収めてサービスレベルの向上を図っている。2014年1月にはネットワーク技術を持つ米Virtela、データセンター事業者の米RagingWire、そして、テレビ会議などのサービスを展開する仏arkadinを買収するなど、海外事業者を次々に取り込んでいる。  有馬氏は、「当社の主要なお客さまである日系企業は、その多くが海外で事業展開を進めているため、ネットワークサービスやクラウドを提供するにあたってグローバルで地域をカバーすることが必須になっている。ネットワークの空白地域を埋め、かつ、必要なサービス技術を獲得していくためには、海外の事業会社のM&Aは不可欠な手法。今後も“仮想化の加速(SDN/NFVなど)”“自動化の推進(API機能の拡充など)”などの実現のため、グローバルパートナーシップを強化していく」と語っている。  NTT Comが掲げているのは、2015年度にクラウド/データセンター事業での営業収益2000億円以上。2012年度実績は960億円だった。このため、「毎年300億円以上の増収を図っていくが、そのスピードを実現するためにはオーガニック(内部成長)だけでは限界がある。国内の電話事業が減収を余儀なくされる中、そのマイナス成長分を補ってプラス成長につなげる分野として、クラウド分野への投資は当面の利益を考えなくても実行する」(有馬氏)と決意を示した。(編集担当:徳永浩) 
NTTコミュニケーションズは、パブリッククラウドサービス「Bizホスティング クラウド・エヌ」において、2014年5月1日から、最大31%の値下げなどによる料金改定を実施すると発表した。(写真は、「NTTコミュニケーションズのGlobal Cloud Vision2014」について発表する有馬彰氏。サーチナ撮影)
2014-04-15 17:15