ゼリア新薬工業は調整一巡感、好業績を評価して反発のタイミング
医薬品メーカーのゼリア新薬工業 <4559> の株価は1月高値から大幅に水準を切り下げたが、足元では調整一巡感を強めている。好業績を評価して反発のタイミングだろう。
消化器分野が中心の医療用医薬品事業と、一般用医薬品などのコンシューマーヘルスケア事業を展開している。医療用医薬品事業では潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」を主力として、13年6月には自社オリジナル新薬の機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド」を発売した。コンシューマーヘルスケア事業は「コンドロイチン群」「ヘパリーゼ群」「ウィズワン群」を主力として、コンビニエンスストア向け「ヘパリーゼW」(清涼飲料水)の売上が急拡大している。
M&Aを活用してグローバル展開している。08年10月に基礎化粧品のイオナ、09年9月に「アサコール」の開発会社ティロッツ社(スイス)、10年9月にコンドロイチン原料のZPD社(デンマーク)を子会社化した。13年8月には、ビフォーファーマ社(スイス)と鉄欠乏症治療剤「Ferinject」の日本国内における独占的開発・販売契約を締結するとともに、ZPD社の株式を追加取得して完全子会社化した。
なお4月4日には、日本初の月経前症候群治療薬「プレフェミン」(要指導医薬品)に関して、4月3日付で厚生労働省から製造販売承認を取得したと発表している。
前期(14年3月期)連結業績見通し(2月5日に3回目の増額)は、売上高が前々期比14.4%増の610億円、営業利益が同41.0%増の65億円、経常利益が同39.0%増の65億円、純利益が同20.5%増の48億円としている。医療用医薬品事業の「アサコール」が国内外で好調に推移し、コンシューマーヘルスケア事業ではテレビCM効果などで「ヘパリーゼ群」の好調が続いている。
研究開発費や広告宣伝費は増加するが、増収効果に加えて原価率改善や経費効率的運用も寄与する。大幅増収増益だった第3四半期累計(4月~12月)の通期見通しに対する進捗率は高水準であり、通期4回目の増額修正の可能性があるだろう。さらに今期(15年3月期)も「アサコール」や「ヘパリーゼ群」が牽引し、アステラス製薬<4503>との共同販促を強化している機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド」も寄与して好業績が期待される。
株価の動き(13年10月1日付で1株を1.1株に分割)を見ると、1月高値3170円から利益確定売り、2月21日発表の自己株式処分・売出を嫌気した売り、さらに全般地合い悪化も影響して2000円割れ水準まで調整した。ただし12年12月の安値1934円に接近して足元では下げ渋り感を強めている。3月17日の1969円、3月18日の1983円、4月11日の1980円、4月14日の1998円で下値支持線を形成して、調整が一巡した可能性があるだろう。
4月15日の終値2013円を指標面(自己株式処分・売出前)で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS105円57銭で算出)は19倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間29円で算出)は1.4%近辺、実績PBR(前々期実績に株式分割を考慮した連結BPS807円64銭で算出)は2.5倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線が接近して下げ渋り感を強めている。52週移動平均線がサポートラインとなって反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
医薬品メーカーのゼリア新薬工業<4559>(東1)の株価は1月高値から大幅に水準を切り下げたが、足元では調整一巡感を強めている。
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2014-04-16 09:00