【為替本日の注目点】円下落、日経上昇でドル円上値を試すか、中国GDPに注目
NY市場
ドル円はウクライナ東部の親ロシア派武装勢力を排除するための作戦を開始したとの報道で円買いが強まり、一時101円50銭までドル安円高が進んだがその後は反発。NY株価が続伸したことや、日本政府が景気判断を下方修正したことなどを手がかりに、101円90銭近辺まで値を戻して引ける。
ユーロドルは1.38台を割り込む場面はあったものの、ECBの政策を巡る思惑から1.38台前半でもみ合う。
株式市場は続伸。経済指標の悪化や、ウクライナでの緊張の高まりから前日比マイナスに転じる場面もあったが、引けにかけて急反発。企業業績の上振れが株価を押し上げた。ダウは89ドル高で1万6200ドル台を回復。
債券相場はウクライナ情勢を背景に続伸。30年債利回りは9ヶ月ぶりの低水準に。
金は急落。中国の需要が減少するとの観測から前日比27ドル安。原油は3日振りに反落。
4月NY連銀製造業景況指数 → 1.29
3月消費者物価指数 → +0.2%
4月NAHB住宅市場指数 → 47
ドル/円 101.50~ 102.00
ユーロ/ドル 1.3791 ~ 1.3833
ユーロ/円 140.46 ~ 140.81
NYダウ +89.32 → 16,262.56ドル
GOLD -27.20 → 1,300.30ドル
WTI -0.30 → 103.75ドル
米10年国債 -0.025 → 2.630%
本日の注目イベント
中 中国 1-3月GDP
中 中国 3月小売売上高
中 中国 3月工業利益
欧 ユーロ圏3月消費者物価指数(改定値)
英 3月失業率
米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
米 3月住宅着工件数
米 3月建設許可件数件数
米 3月鉱工業生産
米 スタイン・FRB理事講演
米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演
米 フィッシャー・ダラス連銀総裁講演
昨日の昼過ぎ、安倍総理と黒田日銀総裁が昼食をはさんで会談したとの報道で、「株高ドル高」が進み、ドル円は102円台目前の水準まで上昇しました。黒田総裁は、記者団の質問に答えながら「総理から追加緩和の要請はなかった」と述べましたが、同時に必要なら「ちょうちょなく調整する」とも語っています。
昨日もこの欄で触れましたが、ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)が、今月末の日銀決定会合までには、安倍総理と黒田総裁の会談が行われると報じていました。昨日突然その会談が行われたことはややサプライズでしたが、そもそも「その効果」を意識して行われたものと見られます。トップ会談が行われれば、いやおうなしに「追加緩和」観測が高まり円が売られることになり、事実、この報道でドル高円安が僅かに進みました。日経平均株価は1万3800円台まで急落し、ドル円も101円台という状況の中、このタイミングを狙ったものと思われます。
ドル円は100円割れのリスクはやや後退しているのも事実ですが、一方でウクライナ情勢がさらに緊迫していることが、円の下落を抑えている役目をしています。また、同じ理由で安全資産である「米国債」への需要も根強く、これが米長期金利の低下を促していることも円の下落を抑制しています。
確かに101円20銭あたりが底堅く、さらに100円77銭近辺でもドル買い意欲は強いと思われますが、一方で短い「1時間足」を見ると、101円90銭~102円あたりで上昇を止められ、キャップされているのが確認できます。好材料は米株式市場がやや下げ止まりを見せていることです。本日も日本株の上昇期待からドル円も上値を試す可能性があります。その際、上述のように102円を上抜けることができるかどうかと、102円台を維持できるかどうかが次の展開には重要になってきそうです。
本日は材料が多く予定されています。中国からは経済指標の発表が相次ぎますが、中でも1-3月期のGDPが特に注目されます。市場のコンセンサスは前期よりも悪化しているとして、7.3%を予想しています。また米国ではベージュブックが公表されます。前回は、厳しい天候の影響で雇用などが減速したが、大半の地区で景気は拡大したと報告されています。予想レンジは昨日と同様に、101円30銭~102円30銭程度にしたいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円はウクライナ東部の親ロシア派武装勢力を排除するための作戦を開始したとの報道で円買いが強まり、一時101円50銭までドル安円高が進んだがその後は反発。NY株価が続伸したことや、日本政府が景気判断を下方修正したことなどを手がかりに、101円90銭近辺まで値を戻して引ける。
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2014-04-16 09:30