【為替本日の注目点】コロナ感染第2波への警戒強まる

欧州市場
ドル円は東京市場終了後に107円54銭まで買われたがNY市場が休みのこともあり、その後は107円40-50銭で推移。ユーロドルも動意の乏しい中、1.12前半から半ばで推移。
ドル/円 107.41 ~ 107.54
ユーロ/ドル 1.1219 ~ 1.1251
ユーロ/円 120.61 ~ 120.96
NYダウ → 25,745.60ドル
GOLD → 1,770.60ドル
WTI → 38.72ドル
米10年国債 → 0.686%
本日の注目イベント
独 5月製造業新規受注
欧 ユーロ圏5月小売売上高
米 6月ISM非製造業景況指数
昨日行われた東京都知事選では、予想された通り小池氏の圧勝でした。野党が統一候補を擁立できなかったこともありますが、小池氏の再選で、都知事選では「現職不敗神話」が継続されたとか。これで、安倍内閣の早期解散もあり得る状況になってきました。コロナ感染が再び拡大傾向を見せている足元の状況での解散はないと思われますが、コロナ感染第2波の収束見通しがたてば、「解散・総選挙」も十分ありそうです。やはり涼しくなったころが選挙の季節なのかもしれません。
その新型コロナの感染者数は世界で1130万人を突破しています。WHOによると、週末には1日当たりの感染者数が過去最多を更新したとのことです。メキシコの死者数は累計3万人を上回り、フランスを抜いて世界で5番目の多さとなっています。またイランでもこれまでで最も多い死者数が報告されています。日本でも、東京都では4日連続で感染者が100人を超えており、特に若者の感染が広がっています。まさに感染第2波との闘いが始まったと言えそうです。
ブルームバーグによると、トランプ大統領は、香港の自治侵害に関与した中国当局者と取引を行う金融機関に制裁を科す「香港自治法案」にまだ署名していないが、これとは別の対中制裁措置が近い将来発動される可能性があると報じています。トランプ氏は中国に対する2つないし3つの制裁措置を検討しているようで、数週間ではなく、数日内に公表される可能性が高いと伝えています。「香港国家安全法」の制定を境に、米中関係は悪化の一途をたどっており、その流れが海洋上でも表れて来ました。
米軍は「ロナルド・レ-ガン」と「ミニッツ」の空母2隻を軍事演習のため南シナ海に派遣しました。南シナ海では中国も1日から5日までの予定で軍事演習を行っており、米国務省が2日、中国の軍事演習に対して、「南シナ海の状況をさらに不安定にする」と懸念を表明しています。中国政府はこれに対して、「中国と東南アジア諸国との間に不和の種をまこうとしている」と間接的に米国を批判しています。「米中貿易交渉第1段階」の合意や、トランプ大統領と金北朝鮮労働党委員長との「米朝首脳会談」実現で、緊張緩和が進み、市場には一時楽観的なセンチメントが拡がりましたが、再び中国と北朝鮮を中心に地政学的リスクが高まってきました。もっとも、これは11月の米大統領選で、トランプ氏が再選するのか、あるいはバイデン氏が勝利するかで事態は大きく変わる可能性もあります。
ドル円は先週、108円16銭近辺まで上昇しましたが、120日移動平均線で上昇を止められています。現在、日足では雲の中で推移しており、今後ドルが上昇する場合でも上記移動平均辺りがレジスタンスとなりそうでが、107円30銭を下抜けすると雲抜けが完了することになり、やや注意が必要となります。ドル円は株価と同じように、上は重いものの下値を積極的に攻めていく状況でもありません、本日の予想レンジは、107円10銭~107円80銭程度といったところでしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は東京市場終了後に107円54銭まで買われたがNY市場が休みのこともあり、(イメージ写真提供:123RF)
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2020-07-06 09:45