【為替本日の注目点】米長期金利低下で小幅にドル安

ドル円は107円10銭まで売られる。株安と長期金利の低下から円買いが優勢に。米南部、西部の州でコロナ感染が拡大していることも材料に。ユーロドルは引き続き1.13を挟む展開。
ダウは一時500ドルを超える下げを見せ、引け値では361ドル安。フロリダ州ではコロナウイルスの新規感染者、死者数が最多になったことなどが嫌気された。一方ナスダックは55ポイント上昇し、連日で最高値を更新。債券は続伸。長期金利は5月中旬以来、約2カ月ぶりの低水準となる0.61%台に低下。金と原油はともに反落。
新規失業保険申請件数 → 131.4万件
ドル/円 107.10 ~ 107.36
ユーロ/ドル 1.1281 ~ 1.1348
ユーロ/円 120.90 ~ 121.69
NYダウ -361.19 → 25,706.09ドル
GOLD -16.80 → 1,803.80ドル
WTI -1.28 → 39.62ドル
米10年国債 -0.051 → 0.614%
本日の注目イベント
欧 IEA月報
米 6月生産者物価指数
加 6月就業者数
加 6月失業率
米長期金利が0.61%台にまで低下し、ドル円も昨日は素直に反応して107円10銭まで売られました。それほど大きな動きではなかったものの、ジリジリと円が買われる気配も漂い、本日107円を割り込めば今月としては初めてで、2週間ぶりのこととなります。米国ではフロリダ州やアリゾナ州でコロナ感染が広がっており、フロリダ州では1日の新規感染者数と死者数が、いずれも過去最多になっています。日本でも、昨日は東京都で224人の感染が確認され、過去最多になっています。ただ、昨日の夜の都知事の会見では、これまでとは異なり、「一つの警告」とは受けとめるものの、感染者の多くは20-30代だと述べていました。また西村経済再生担当大臣も、状況は4月の緊急事態宣言発出時とは異なるとの認識を示しています。
前日、中国に対する制裁を矢継ぎ早に発表したトランプ政権は、制裁内容を実行に移し、中国共産党の幹部ら4人に対し、新疆ウイグル自治区の人権侵害に関与したとして制裁を科しました。米財務省の発表によると、制裁対象となるのは共産党のトップ25人から成る中央政治局の委員で新疆ウイグル自治区共産党委員会書記の陳全国氏の他、元幹部ら3人とのことです。ムニューシン財務長官は、「米国は新疆ウイグル自治区や世界における人権侵害の責任を取らせるため、財務上の権限を最大限活用する構えだ」との声明を発表しています(ブルームバーグ)米国が実際に制裁を科す行動をとったことで、米中関係の悪化にさらに拍車がかかると見られます。
11月の大統領選でトランプ氏と闘うバイデン氏が経済政策を発表しました。米国製品購入などに7000億ドル(約75兆円)を使うことを柱に、少なくとも500万人の雇用を創出する計画で、「AI」や「5G」などにも積極的に投資することを謳っています。政策の細部にわたる情報はまだ入ってきていませんが、支持率でトランプ氏を大きく上回っているだけに、その内容は注目されます。巷間言われているのは、トランプ氏ほどウオール街寄りではなく、減税なども縮小されると見られ、株式市場にとってはネガティブだとの意見が一般的です。
107円10銭まで売られたドル円ですが、今日の注目は107円割れがあるのかどうかといった点です。日本株も軟調な展開が予想され、株安とドル安がリンクするのかどうかといったところです。予想レンジは106円90銭~107円60銭程度と見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は107円10銭まで売られる。株安と長期金利の低下から円買いが優勢に。(イメージ写真提供:123RF)
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2020-07-10 10:00