【為替本日の注目点】ユーロドル1カ月ぶりに1.14台に

ドル円は終始107円台で推移。株価の反発からやや上値を切り上げたが勢いもなく、107円41銭止まり。結局、前日と同水準で一進一退。ユーロドルは今週末のEU首脳会議で、復興基金を巡る議論が進むとの期待から買われた。約1カ月ぶりとなる1.1409までユ-ロ高が進む。
株式市場は大幅に反発。特にキャタピラーや石油関連株が上昇し、ダウは556ドル高。債券相場は横ばい。長期金利は062%台で推移。金は横ばい。原油は小幅に上昇。
6月消費者物価指数 → 0.6%
ドル/円 107.16 ~ 107.41
ユーロ/ドル 1.1362 ~ 1.1409
ユーロ/円 121.97 ~ 122.32
NYダウ +556.79 → 26,642.59ドル
GOLD -0.70 → 1,813.40ドル
WTI +0.19 → 40.29ドル
米10年国債 +0.005 → 0.623%
【本日の注目イベント】
豪 豪7月ウエストパック消費者信頼感指数
日 日銀金融政策決定会合
日 黒田日銀総裁記者会見
英 英6月消費者物価指数
米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
米 6月輸入物価指数
米 7月NY連銀製造業景況指
米 6月鉱工業生産
米 6月設備稼働率
米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、オンライン討論に参加
米 企業決算 → ゴールドマン、アルコア
加 カナダ中銀政策金利発表
中国が南シナ海での領有権を主張することに対して、関与を強めていくことに方向転換したトランプ政権は14日、トランプ大統領が香港への優遇措置を撤廃する大統領令に署名したと発表しました。また、香港民主派弾圧の責任を負う中国当局者に制裁を科す法案に署名したことも明らかにし、トランプ大統領はホワイトハウスで、「この政権ほど中国に厳しい姿勢で臨んでいる政権はない」と、述べています。これにより、「米中関係は一段と厳しいものになる」と、ブルームバーグは報じています。
米国だけではなく、英国も中国包囲網に加わってきました。英国は5G移動通信網から中国のファーウェイを排除することを決め、米国と足並みを揃えることになりました。ジョンソン英首相が合意した政府計画によると、英通信事業者は来年から5G向けにファーウェイ製品を購入できなくなり、すでに導入済みのファーウェイ製品についても2027年までに5Gのインフラから撤退しなければならないといった厳しいものです。中国はこの決定に即座に反応し、劉暁明駐英大使は、「残念でかつ誤りだ」と述べ、「英国が外国企業に開放的かつ公平で差別のない事業環境を提供できるか疑問になった」とコメントしています。オブライエン米大統領補佐官は英国の発表を歓迎し、「中国共産党に忠誠を誓っているファーウェイなどの信頼できないベンダーが、国家安全保障上の脅威になるという国際的なコンセンサスを反映している」と述べています。(ブルームバーグ)今後は他国も追随する可能性もありそうです。
ブレイナードFRB理事は14日全米企業エコノミスト協会(NABE)が主催したオンラインイベントで「不確実性の濃い霧に依然として取り囲まれており、下振れリスクが支配的だ」との認識を示した上で、「FRBがより長期的な緩和策を提示する方向に、フォワードガイダンスと資産購入を転換させるべきだ」と語っています。最新のFOMCでは、2022年まで現行のゼロ金利政策が維持される可能性が高いと見られていますが、今月28、29日に行われるFOMCで、イールドカーブ・コントロール(YCC)がどこまで議論されるのか、あるいは、多くのFOMCメンバーが述べているように、「議論すること自体、時期尚早」とテーブルに載ることはないのか、といった点が注目されます。
ユーロドルが6月11日以来となる1.1409まで上伸してきました。今週17~18日にEU首脳会議が開催され、7500億ユーロ(約91兆5000億円)の復興基金を巡る議論が進展するとの期待がユーロ買いにつながっていますが、合意できるかどうかは依然として不透明です。ミシエルEU大統領は「難しい交渉だが、各国に歩み寄るよう促す」と述べていましたが、オランダ、オーストリアなどが反対しており、予断を許さない状況です。ユーロドルは3月に1.0636近辺まで売られた後、ジワジワと反転しています。ドイツを中心に景気が底を打ったと見られる経済データも散見され、底値からは約800ポイントも上昇しています。チャートでは、「月足」といった長期的な動きを示唆するテクニカルでも、「MACD」などで上昇傾向を示しています。3月の初旬にユーロが急騰した際にも抜けなかった1.15近辺が、目先の上値のメドでもあり、非常に重要なレベルと考えられます。首脳会議の結果に注目したいと思います。
本日のドル円は107円~107円60銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は終始107円台で推移。株価の反発からやや上値を切り上げたが勢いもなく、(イメージ写真提供:123RF)
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2020-07-15 11:00