フリービットは格安スマホ販売参入が刺激材料となって急反発

  インターネットインフラ提供事業のフリービット <3843> (東マ)の株価は4月14日に付けた直近安値から売買高を伴って急反発した。小売店が相次いで格安スマートフォンの販売に参入することも刺激材料となったようだ。目先的な過熱感はあるが、強基調に転換して出直りの動きが本格化しそうだ。   通信事業者から借り受けた通信インフラを利用して、ブロードバンドインフラ事業(ISP事業者向けネットワークサービス等)、クラウドコンピューティングインフラ事業(独自の仮想化技術によるクラウド系サービス等)、アドテクノロジーインフラ事業(企業のWEB戦略支援サービス等)、次世代インターネット・ユビキタスインフラ事業(ユビキタス家電の企画・販売等)、B2C事業(個人向けインターネット接続サービス等)などを展開している。   基本戦略は、4つのインフラを「スマートインフラ」と定義し、これらを垂直統合して一気通貫でサービスを提供するMCI(マルチ・レイヤー・コンポーネンント・インテグレーション)戦略だ。グループ会社としては、ISP事業者向けブロードバンドインフラのギガプライズ <3830> 、法人向けクラウドコンピューティングインフラのベッコアメ・インターネット、法人向けSEO(検索エンジン最適化)などアドテクノロジーインフラのフルスピード <2159> 、個人向け(B2C)インターネット接続サービスプロバイダのドリーム・トレイン・インターネット(DTI)などを傘下に置いている。   独自開発のスマートフォン端末「PandA」を販売し、通話基本料とパケット通信代および端末「PandA」の料金を合わせた月額2000円(税抜き)からの戦略的モバイルサービス「freebit mobile」も提供している。   また4月16日には「freebit mobile」のノウハウを投入して、SIM単体サービスを大幅ラインナップしたと発表している。これによってスマートフォン搭載OSの98%をカバーするサービスの提供が可能になったとしている。   今期(14年4月期)連結業績見通し(13年9月12日に純利益を減額修正)は、売上高が前期比3.2%減の200億円、営業利益が同28.2%増の12億円、経常利益が同2.1倍の10億円、純利益が1億円(前期は1億85百万円の赤字)としている。   純利益はベッコアメ・インターネットの不適切会計処理に対する調査費用の特別損失計上が影響するが、ブロードバンドインフラ事業ではモバイル通信の契約数が順調に推移し、B2C事業ではDTIのモバイル・クラウド領域における戦略的サービス投入効果でモバイルユーザー数が拡大する。フルスピードの構造改革終了に伴う収益改善も寄与する。ブロードバンドインフラ事業の基幹網再構築や「freebit mobile」に係る先行投資負担、ベッコアメ・インターネットのEC事業縮小の影響などを吸収して営業増益、経常増益見込みだ。   中期経営計画「SiLK VISION 2016」では、目標値として最終年度の16年4月期の売上高260億円、営業利益26億円を掲げている。モバイル分野に注力し、B2C事業では戦略的モバイルサービス「freebit mobile」も強化する方針だ。   株価の動きを見ると、急騰した13年12月高値2828円から反落して水準を切り下げたが、4月14日に付けた直近安値980円から急反発した。4月16日には1430円、4月18日には1595円まで上伸した。SIM単体サービスの大幅ラインナップ発表や、ビックカメラ <3048> など小売店が相次いで格安スマートフォンの販売に参入することが刺激材料となったようだ。   4月18日の終値1587円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS5円12銭で算出)は310倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS303円96銭で算出)は5倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が拡大して目先的な過熱感を強めたが、週足チャートで見ると52週移動平均線近辺から急反発して、戻りを押さえていた13週移動平均線および26週移動平均線を一気に突破した。強基調に転換して出直りの動きが本格化しそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
インターネットインフラ提供事業のフリービット<3843>(東マ)の株価は4月14日に付けた直近安値から売買高を伴って急反発した。
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2014-04-21 09:15