セキドは営業損益改善基調を評価して出直り
ファッション専門店のセキド <9878> (東2)の株価は、4月1日の決算発表後に全般地合い悪化の影響を受けたが、足元では切り返しの動きを強めている。営業損益改善基調や低PBRを評価して出直り展開だろう。
12年10月に家電の店舗販売事業から撤退して、輸入ブランド品を中心とするファッション専門店事業に経営資源を集中した。海外ブランド品やオリジナルブランド品を扱うファッション専門店「GINZA LoveLove(ギンザ・ラブラブ)」「スーパーセレクトショップラブラブ」を直営で展開している。14年2月時点の店舗数は24店舗である。成長分野のネット通販についてはストリーム <3071> と業務提携し、14年3月には積極的な事業拡大に向けてEC事業部を新設すると発表した。
中期的な成長戦略としては「GINZA LoveLove」のブランディング戦略強化を掲げ、高額のナショナルブランド品、中・低価格帯のオリジナルブランド品、アウトレットブランド品、そしてネット通販では富裕層向けに重点を置いた品揃えを強化している。さらに収益力改善に向けて、新規出店、既存店リニューアル、チラシ一新よる販促強化、ネット通販強化、滞留期間短縮による商品在庫の鮮度アップ、売れ筋商品の機会ロス低減への取り組みなどを強化し、新業態店舗や海外向け卸売業態の展開なども検討するようだ。
4月1日に発表した前期(14年2月期)業績(非連結)は売上高が前々期比20.3%減の119億13百万円、営業利益が89百万円(前々期は2億88百万円の赤字)、経常利益が97百万円(同2億80百万円の赤字)、純利益が1億07百万円(同12億83百万円の赤字)で黒字化した。期末の2月には2週連続で週末の大雪の影響を受けたようだが、ファッション部門の最大の需要期であるクリスマス・年末年始商戦で売上総利益を確保したことに加えて、12年10月に家電の店舗販売事業から撤退した効果で営業損益が大幅に改善した。純利益については前々期に発生した商品盗難損失に対応する保険金などの特別利益計上も寄与した。
今期(15年2月期)業績(非連結)見通しは売上高が前期比0.9%減の118億円、営業利益が同2.1倍の1億90百万円、経常利益が同22.9%増の1億20百万円、純利益が同16.2%減の90百万円、配当予想は前期と同額の年間1円(期末一括)としている。新規出店については積極的に行っていく方針だが、現時点では2店舗のリニューアル以外は未定としている。消費増税の影響などでやや保守的な見通しのようだが、営業損益は改善基調だ。
株価の動きを見ると、全般地合い悪化も影響して3月24日と3月25日に114円まで調整したが、4月1日には今期営業増益見通しを好感して139円まで切り返す場面があった。その後は再び全般地合い悪化の影響で119円まで反落したが、3月安値水準まで下押す動きは見られず、足元では4月18日に123円まで戻して切り返しの動きを強めている。
4月18日の終値123円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS6円35銭で算出)は19~20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は0.8%近辺、実績PBR(前期実績のBPS260円59銭で算出)は0.5倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。営業損益改善基調や低PBRを評価して出直り展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
ファッション専門店のセキド<9878>(東2)の株価は、4月1日の決算発表後に全般地合い悪化の影響を受けたが、足元では切り返しの動きを強めている。
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2014-04-21 09:15