【為替本日の注目点】ドル円104円台半ばまで続落

 ドル円は続落し、NYでは104円53銭までドル安が進む。株価が軟調な動きを見せたこともあり、この日のNYでは終始104円台で推移。ユーロドルは反発。ドル安の流れに、1.1853前後までユーロの買い戻しが進む。  株式市場は下落。ハイテク株の売りが目立ち、アップルやマイクロソフトなどが下落。ナスダックは140ポイント下げ、1万910ポイントに。債券は小幅に上昇。長期金利は0.68%台とやや低下。金は4日ぶりに反落。原油は3日続伸。 新規失業保険申請件数        → 86.0万件 9月フィラデルフィア連→銀景況指数 → 15 8月住宅着工件数          → 141.6万件 8月建設許可件数          → 147.0万件 ドル/円   104.53 ~ 104.84 ユーロ/ドル 1.1792 ~ 1.1853 ユーロ/円  123.33 ~ 124.04 NYダウ   -130.40 → 27,901.98ドル GOLD   -20.60  → 1,949.90ドル WTI    +0.81   → 40.97ドル 米10年国債 -0.008  → 0.689% 【本日の注目イベント】 日  8月消費者物価指数 独  独8月生産者物価指数 欧  ユーロ圏7月経常収支 英  英8月小売売上高 米  第2四半期経常収支 米  9月ミシガン大学消費者マインド(速報値) 米  8月景気先行指標総合指数 米  ブラード・セントルイス連銀総裁、バーチャル形式の討論会に参加 加  カナダ7月小売売上高  ドル円は上値の重い展開が続き、欧州市場に入るとジリジリと値を下げ、NYでは104円53銭まで売られました。これは7月31日以来となるドル安水準です。105円台半ばや、105円前後といった、これまでのサポートゾーンを次々に突破してきたドル円は、ついにと言うか、ようやくと言うか、104円台半ばまで水準を切り下げてきました。この104円台で下げ止まらないと、いよいよ100円台が視野に入って来ることも考えられます。FRBがゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続する可能性が高く、一部には2024年前半までの可能性もあると指摘する向きもあります。  加えて、米株式市場ではハイテク株を中心に上値が重くなり、利益確定の売りが出やすい地合いに変わったことも、ドルにとっては重石になりつつあります。ナスダックが連日最高値を更新し、1万2056ポイントを記録したのは、まだ2週間ほど前の9月2日でした、その翌日にダウは一時1000ドルを超える下げを記録し、ナスダックは5%に迫る下落を見せたのは、まだ記憶に新しいところです。この日を境に米株式市場では上値が重くなり、それまでの株高センチメントが一変しました。特にこれといった理由もない中での大きな変化です。ドルの先安感が根強く残る中でも、なかなかドルが下げなかった理由の一つに、この株高を挙げることができます。  株価の支えがなくなったことで、ドル円はジリジリと下落基調を鮮明にしてきたとも言えます。米中関係の悪化や米大統領選など、ドル円を取り巻く環境にはまだ将来のドル安材料が残っています。再び「リスク回避の円買い」や、「避難通貨としての円買い」といった言葉が息を吹き返すようだと、もう一段のドル安の可能性も排除できません。またテクニカルでも、全ての時間足でローソクが一目均衡表の「雲」の下に収まっていることは、以前にも指摘した通りですが、「日足」ではドル円が「三角もち合い」を下抜けした形を見せています。3月9日の101円18銭を底値とし、2月20日の112円23銭を頂点として右下方に描ける「三角形」の中で、上値も下値も抑えられていたものが,下抜けした可能性が高いと見られます。  イングランド銀行(BOE)は金融政策委員会(MPC)で、政策金利を0.1%に据え置き、債券購入プログラムを7450億ポンド(約100兆円)で維持することを全会一致で決めました。同時に、マイナス金利の導入方法について年内に英健全性規制機構(PRA)と「体系的調整」を開始する方針も明らかにしました。これにより、BOEがマイナス金利を導入する準備を本格的に始めたと理解できます。ポンドドルはこの発表を受け、1.2970レベルから1.2880近辺まで急落しました。ポンドドルは今月に入ってからはEUとの自由貿易交渉の行方が不透明なことからジリ安が続いていましたが、マイナス金利導入の可能性が高まったことに加え、昨日は米国からも貿易を巡る「けん制球」が飛んできました。米大統領選候補であるバイデン氏はツイッターで、「北アイルランドに和平をもたらしたベルファスト合意が英国のEU離脱の犠牲になることは容認できない」と述べ、「米英間の貿易協定はベルファスト合意を尊重し、厳格な国境管理の復活を阻止することが条件でなければならない。以上。」と投稿しました。英国がEU離脱合意の一部をほごにする計画を強行して北アイルランドの和平を脅かすのであれば、米国が英国と貿易協定を結ぶ可能性はなくなると、ジョンソン英首相に対して警告しました。(ブルームバーグ)  ドル円は104円70銭台で推移しています。東京時間では水準が水準だけにドル買い需要もあるかもしれませが、いつものようにトレンドを決める「主戦場」はNY市場です。上でも述べたように、ドル安トレンドは継続すると予想していますが、上記104円20銭を明確に下回れば、102円前後まで目立ったサポート水準を見つけるのは困難です。それだけに、104円前後は重要な水準を言えます。  本日のドル円は104円20銭~105円20銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は続落し、NYでは104円53銭までドル安が進む。株価が軟調な動きを見せたこともあり、(イメージ写真提供:123RF)
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2020-09-18 10:45