【為替本日の注目点】ユーロドル2カ月ぶりに1.16台前半まで下落

ドル円は小動き。105円台前半から半ばで推移し、米金利も動きがないことから値幅は20銭程度に収まる。ユーロドルは小幅に続落し、1.1627までユーロ安が進む。フランスやスペインなどで新型コロナの感染が再拡大し、景気回復に黄信号が灯ったとの見方も浮上。
株式市場は追加の景気対策に対する楽観的な見方と悲観論が交差し乱高下。最後は3指数とも揃って小幅な上昇で取引を終える。債券相場はこの日も小動き。長期金利は0.66%台とやや低下。金と原油はともに上昇。
新規失業保険申請件数 → 87.0万件
8月新築住宅販売件数 → 101.1万件
ドル/円 105.32 ~ 105.52
ユーロ/ドル 1.1627 ~ 1.1687
ユーロ/円 122.58 ~ 123.16
NYダウ +52.31 → 26,815.44ドル
GOLD +8.50 → 1,876.90ドル
WTI +0.38 → 40.31ドル
米10年国債 -0.007 → 0.666%
本日の注目イベント
欧 ユーロ圏8月マネーサプライ
米 8月耐久財受注
米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
米国では追加の経済支援を巡って議会の対立が続いており、いまだ合意の兆しは見えません。9月中には合意に達するといった楽観的な見方もやや後退したように思えます。ムニューシン財務長官は上院で、「民主党側に話し合う用意があるのなら、こちらも超党派の法律制定を目指しいつでも協議する予定だ」と述べ、民主党のペロシ下院議長も、「近く協議の場が設けられることを期待している」と語るなど、合意に向けたステップが見えてきたかに見えました。しかし、両党の規模に関してはまだ隔たりが大きく、上院共和党の議員は、「合意に至る確率は低い」と指摘しているようです。そんな中、下院民主党は規模が2兆4000億ドル(約253兆円)前後の新たな経済対策案の策定を開始したと今朝のブルームバーグは報じています。この2兆4000億ドルの規模は5月に下院を通過した経済対策案の3兆4000億ドルを大きく下回ってはいるものの、上院共和党が容認し得るとしていた規模をなお大きく超えています。トランプ大統領は1兆5000億ドルまで受け入れる用意があることを示唆しています。
ドル円は105円台半ば近辺で動きがありません。考えてみれば、7月の106円台半ばから107円台で推移していたドル円が、105円台へと水準を切り下げた要因の一つがユーロドルの影響でした。ユーロドルは1.14台から、景気回復を示す経済データや7500億ユーロ(約93兆円)規模の「EU復興基金」の創設が決まったことで、1.20台まで「ユーロ高・ドル安」が急速に進行しました。ドル円もその影響から円を買う動きが強まり、ジリジリと円高が進んだ経緯があります。そのユーロドルが再び下げ基調に転じてきたことで、先の動きとは反対に「ドル買い・円売り」がジリジリと盛り返してきているのが足元のドル円の動きです。今月前半から米長期金利がほとんど動いていないこともあり、ドル円は再びユーロドルの動きに左右される展開になっていると考えられます。
ユーロドルは昨日のNYで一時、1.1627まで売られています。昨日発表されたドイツの「9月IFO景況感指数」は5カ月連続で上昇していましたが、ユーロ買いにはつながっていません、むしろ、欧州で新型コロナウイルスの感染が再拡大してきたことに反応する動きでした。フランスでは24日、新規感染者が1万6096人と過去最多を更新しました。今月20日に初めて1万人を突破し、その後感染拡大が続いており、23日からパリなど大都市でのバーの営業を午後10時までに制限しています。べラン保健相は、「新たな措置を講じなければ一部の地域は危機的状況に陥る可能性がある」と警告しています。感染が急拡大した背景は、夏場に人の移動が増えたことが一因と見られていますが、これは日本でも同じようなこと起こる可能性があることを示していると理解することもできます。この4連休では、「Go toキャンペーン」の影響もあり観光地はどこも大混雑でした。東名高速道路では最大72キロの渋滞もありました。来月からは東京も「Go to」の対象に加わります。さらに人の移動は活発になると思われ、フランスのような事態にならないこと祈るばかりです。
民主党大統領候補のバイデン氏は、自身が政権を担ったら、現FRB理事のブレイナード氏を財務長官に指名するとの見方が広がっているようです。もし、ブレイナードFRB理事が財務長官に就任すれば初の女性長官の誕生になります。もっとも、財務長官候補には民主党の大統領候補としてともに闘ったエリザス・ウォーレン上院議員の名も挙がっており、どちらが就任したとしても「初の女性財務長官誕生」になります。もちろん、バイデン氏が大統領選挙で勝利することが条件ですが・・・・。
本日のドル円は105円10銭~105円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は小動き。105円台前半から半ばで推移し、米金利も動きがないことから(イメージ写真提供:123RF)
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2020-09-25 10:15