これからも中国で売るために留意すべき2つのポイント

■それでも中国から目をそらせない
先月末、中国が防空識別圏を設定したことにより日中関係に再び緊張が走りました。日本に滞在している中国人に対し、在日中国大使館が自主的に連絡先を登録する通知をホームページに掲載したことも重なり、様々な憶測が飛び交いました。
しかし、中国ビジネスに関わる人々の間では「また次の手を打ってきた」的な感覚で、驚きはさほどありません。中国の中長期的な方向性(領土問題、日米同盟への揺さぶり、中国軍強化など)を鑑(かんが)みると、今後もこうした動きは幾度となく起こるだろうと考えている人が多いからです。
しかし「では中国はやめて別の国へ」とは簡単にいかないのが現実です。昨年、反日デモの嵐が巻き起こった頃、それまで中国一辺倒だった方針を改め、その他のアジア市場を検討するメーカーの方々からの調査案件が増加しました。しかし、結論としてなかなか目ぼしい市場はありませんでした。
ご存じの通りアジアは「人口が少ない」或は「まだ豊かとは言えない」のどちらかの国ばかりで、特に化粧品のような非必需品の消費財についてはどうしても市場としての魅力に欠けます。また、法律が未整備で中国以上に人治主義だったり、外資叩きがあったり、国ごとに必ずリスクは存在します。
■これからも中国で売る2つのポイント
では「やっぱり中国でも売っていこう」となった場合には、ご留意頂きたいことが2つあります。
1つ目は、情報収集をきっちり継続してやることです。政治情勢や新規制の動向等のビジネス環境についての情報に合わせて、定点観測等で消費者のインサイトをキャッチアップしていくことも大切です。
先月末、中国5都市の女性に今回の件についてインタビューをしました。ネガティブな回答はほとんどなく日本の製品に対する影響はほとんどないようでしたが、今後変化することは十分考えられます。定期的に、そして何か事件があればすぐに消費者に変化がないか調べることが必要だと思います。
2つ目は、出来るだけ早く市場に出してファンを獲得していくということです。先月末のインタビューの際、もし日中で有事が発生した場合でも日本製品を買うかという質問に対しては、買いづらいと答えた人が多かったのです。
「日本のシャンプーをずっと使っている。もう習慣になっているからこれは買い続ける」、「化粧品買うような女の子は政治に興味ないよ。良かったら買うよ」というような回答もあり、効果を実感し製品を好きになってもらっていれば、買い続けてもらえる可能性は十分あるようです。
中国は確かにリスクもありますが、それでもやはり魅力的な市場です。
先月末、中国が防空識別圏を設定したことにより日中関係に再び緊張が走りました。日本に滞在している中国人に対し、在日中国大使館が自主的に連絡先を登録する通知をホームページに掲載したことも重なり、様々な憶測が飛び交いました。
china,column
2013-12-24 09:45