パシフィックネットは下値支持線に接近して反発のタイミング

■収益改善を評価   中古パソコンなどのリユース事業を展開するパシフィックネット <3021> (東マ)の株価は4月上旬の戻り高値圏から反落したが、下値支持線に接近して反発のタイミングだろう。収益改善が評価材料であり、5月期末一括の配当権利取りも注目点だ。   パソコン、タブレット端末、スマートフォンなど中古情報機器の引取回収・販売事業を主力として、レンタル事業も展開している。13年10月に旗艦店としてオープンした「PC-NETアキバ本店」など全国主要都市に9店舗を展開し、主要仕入先のリース・レンタル会社や一般法人からの引取回収を強化するとともに、業務プロセス効率化による収益力向上を推進している。   4月10日に発表した今期(14年5月期)第3四半期累計(6月~2月)の連結業績は、売上高が前年同期比15.3%増の28億05百万円、営業利益が2億13百万円(前年同期は3百万円の赤字)、経常利益が2億28百万円(同14百万円の黒字)、純利益が1億37百万円(同15百万円の赤字)だった。売上総利益率は52.3%となり、生産性向上策の効果で同6.4ポイント改善した。セグメント別の売上高は引取回収・販売事業が同20.5%増の24億57百万円、レンタル事業が同11.6%減の3億47百万円だった。   米マイクロソフトのOS「ウインドウズXP」サポート終了に伴う代替需要が進み、引取回収・販売事業ではリース会社・一般法人等への顧客対応強化などの施策も奏功して中古情報機器の入荷台数が増加した。販売面では「ウインドウズXP」サポート終了に伴う「ウインドウズ7」需要の増加、13年10月オープンの「PC-NETアキバ本店」による販売拡大が寄与した。   通期見通しについては前回予想(7月8日公表)を据え置いて、売上高が前期比12.4%増の38億87百万円、営業利益が同48.1%増の2億13百万円、経常利益が同39.3%増の2億30百万円、純利益が同59.5%増の1億13百万円としている。米マイクロソフトの「ウインドウズXP」サポート終了に伴う代替需要が高水準で推移し、抜本的な生産性向上策の効果も寄与して売上総利益率が改善する見込みだ。   第3四半期累計の通期見通しに対する進捗率は売上高が72.2%、営業利益が100.0%、経常利益が99.1%、純利益が121.2%と高水準である。通期利益増額の可能性があるだろう。新品パソコンの価格下げ止まりなども背景として中古情報機器市場全体が回復傾向を強めており、抜本的な生産性向上策の効果も寄与して来期(15年5月期)は一段の収益改善が期待される。   株価の動き(14年3月1日付で株式2分割)を見ると、3月20日の直近安値495円から急反発して、4月7日には769円まで上伸する場面があった。その後は全般地合い悪化も影響して反落し、足元では4月15日に521円まで調整する場面があった。ただし2月安値469円、3月安値495円まで下押す動きは見られず、520円近辺では下げ渋りの動きを強めている。4月21日には前日比18円(3.42%)高の545円まで反発する場面があった。収益改善を評価する動きだろう。   4月21日の終値530円を指標面(株式分割後)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS21円90銭で算出)は24倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期実績に株式分割を考慮した連結BPS323円33銭で算出)は1.6倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、500円近辺が下値支持線の形であり、足元は下値支持線に接近して反発のタイミングだろう。収益改善基調に加えて、5月期末一括で2%近辺の配当利回りも注目点だ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
中古パソコンなどのリユース事業を展開するパシフィックネット<3021>(東マ)の株価は4月上旬の戻り高値圏から反落したが、下値支持線に接近して反発のタイミングだろう。
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2014-04-22 07:30