寿スピリッツは高値更新後も高値圏で堅調に推移
■中期成長力を評価して上値追い
菓子製造販売の寿スピリッツ <2222> (東2)の株価は、東証1部市場への指定替えも好感して高値を更新した。その後も高値圏で堅調に推移している。中期成長力を評価して上値追いの展開だろう。5月13日予定の決算発表に向けて期待感も高まりそうだ。
「ラングドシャ」ブランドなどを展開する山陰地区の寿製菓、「ルタオ」ブランドなどを展開する北海道のケイシイシイ、首都圏で洋菓子を多ブランド展開するシュクレイ、「赤い風船」ブランドなどを展開する九州の九十九島グループなどを傘下に擁し、地域限定ブランド菓子を製造・販売している。
駅・空港・高速道路など交通機関チャネルの出店・販売比率が高いことも特徴だ。さらに、福岡で人気のフレンチトースト専門店「Ivorish(アイボリッシュ)渋谷」(九十九島グループ)を、4月20日に東京・渋谷公園通りにオープンするなど、首都圏への新規出店も加速している。
企業ビジョンとして「全国各地のお菓子のオリジナルブランドとショップブランドの総合プロデューサー」を掲げ、新ブランド・新商品・新業態・新店舗創り、新ビジネス開発、海外展開を推進している。新規分野のジャパルシーは健康食品「栃(とち)」と「藍(あい)」を販売し、ジュテックスは通販基幹業務システムサービスを提供している。
海外展開では13年7月、台湾・台北市に海外初出店のカフェ店舗「KONAYUKI」を立ち上げた。また13年11月には「栃の実」に含まれるポリフェノールを「ヘリコバクター・ピロリ接着抑制剤」として特許を取得した。事業領域拡大で中期成長への期待感が高まる。
前期(14年3月期)の連結業績見通し(5月13日公表)は売上高が前々期比比5.3%増の217億50百万円、営業利益が同12.2%増の21億円、経常利益が同11.1%増の21億円、純利益が同12.2%増の11億70百万円としている。ケイシイシイの新業態出店やネット通販強化、首都圏でのシュクレイの洋菓子販売強化、遷宮・奉祝イベントで観光客が増加している東海地区・山陰地区の好調、クリスマス・年末年始・バレンタイン・ホワイトデー商戦などの好調、新規事業の本格化、さらに寿製菓の製造採算の改善などで最高益更新の見込みだ。
4月14日に発表した売上状況(概算)を見ると、第4四半期(14年1月~3月)は前年同期比13.0%増の58億25百万円となった。子会社別(内部調整前)で見るとケイシイシイが同15.2%増収、寿製菓が同9.5%増収、販売子会社が同6.0%増収、九十九島グループが同9.8%増収、シュクレイが同25.6%増収と主力子会社が好調に推移した。通期(13年4月~14年3月)は前期比11.1%増の229億52百万円となり計画を上回ったようだ。利益ベースで見ても第3四半期累計(4月~12月)の進捗率が高水準だったことに加えて、第4四半期の好調も考慮すれば通期上振れの可能性があるだろう。
株価の動き(4月3日付での東証2部市場から東証1部市場へ指定替え)を見ると、3月27日に発表した東証1部市場への指定替えを好感し、2月以降の1800円~1900円近辺での短期モミ合いから上放れの展開となった。4月1日には上場来高値となる2119円まで上値を伸ばした。その後は利益確定売りなどで上げ一服の展開だが、大きく下押すことなく高値圏で堅調に推移し、足元では自律調整が一巡して再動意の構えを見せている。
4月21日の終値2049円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS112円79銭で算出)は18倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS683円47銭で算出)は3.0倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。中期成長力を評価して上値追いの展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
菓子製造販売の寿スピリッツ<2222>(東2)の株価は、東証1部市場への指定替えも好感して高値を更新した。その後も高値圏で堅調に推移している。
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2014-04-22 08:00