【為替本日の注目点】リスクオフがやや進み、ドル円103円台後半に

ドル円はややリスクオフが進んだことで買い戻しが優勢に。ユーロやポンドが対ドルで売られこともあり、103円73銭まで円が売られた。
ユーロドルは前日と同じような展開となり、1.21台半ばまでユーロ売りが進む。株式市場はまちまちの展開。新型コロナウイルスの「変異種」拡大の影響が残り、ダウは200ドル安。一方ナスダックはアップルなどの上昇に支えられ65ポイント高。債券は続伸。長期金利は0.91%台に低下。金と原油は続落。
7-9月GDP(確定値) → 33.4%
11月中古住宅販売件数 → 669万戸
12月リッチモンド連銀製造景況業指数 → 19
12月消費者信頼感指数 → 88.6
ドル/円 103.35 ~ 103.73
ユーロ/ドル 1.2152 ~ 1.2243
ユーロ/円 125.99 ~ 126.65
NYダウ -200.94 → 30,015.51ドル
GOLD -12.50 → 1,870.30ドル
WTI -0.95 → 47.02ドル
米10年国債 -0.018 → 0.916%
【本日の注目イベント】
日 日銀金融政策決定会合、議事要旨(10月28日、29日分)
日 10月景気先行指数(CI)(改定値)
米 11月個人所得
米 11月個人支出
米 11月PCEコアデフレータ
米 新規失業保険申請件数
米 11月耐久財受注
米 12月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
米 11月新築住宅販売件数
米 10月FHFA住宅価格指数
米 バー司法長官退任
米上院は21日深夜の本会議採決で、新型コロナウイルス感染拡大の影響に対する約9000億ドル(約93兆円)規模の追加経済対策と、1兆4000億ドル規模の2021年会計年度(20年10月―21年9月)歳出法案を可決しました。下院でもすでに可決済みのため、同案はトランプ大統領に送付され、署名を待つのみとなりました。
追加経済対策の合意を巡り、これまで何度も株価を乱高下させ、それがリスクオン、リスクオフとなり、為替にも影響しましたが、法案成立にも拘わらず昨日のNYではダウは200ドルも売られ、安全資産の債券が買われました。織り込まれていたと言えばそれまでですが、やはり根底には「Buy on rumor、Sell on fact(News)」という相場の定理のようなものが働いていたのでしょうか。
英国で広がっている新型コロナウイルスの「変異種」は、既に米国とドイツ、フランスにも流入している可能性もあると報告されています。ファイザーと共にワクチンを開発した独ビオンテックのサヒンCEOは21日の会見で、「コロナ変異種に対しても両社のワクチンが恐らく有効だ」との見解を示しました。またサヒン氏は、「具体的な数字はまだ分からない」としながらも、両社が来年の生産を約束した13億回分を上回る量を製造するため、あらゆる選択肢を探っていることを明らかにしました。
米国からは、バイデン次期大統領が同ワクチンを接種する映像も届いており、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長も、アザー厚生長官とともに同ワクチンを接種しています。
昨日この欄でも紹介しましたが、英国とEUとの通商交渉で、漁業権について英国が新たな提案を行いましたが、EU側は拒否したと関係者が明らかにしたことを、ブルームバーグが報じています。EUのバルニエ主席交渉官は、英国とEUが通商合意に向けて「最後の追い込み」をかけていると述べ、双方の当局者は23日にも合意の成立は可能だと話しています。ただ残された時間は限られており、ロンドン市長やスコットランドの首相などは、離脱移行期間の延長を求めるようジョンソン英首相に迫っていると伝えられています。
しかし、それでも移行期間の延長は法的にも難しいようです。「離脱協定」には、2020年12月末から最長24カ月の延長を認めるオプションが盛り込まれていますが、延長の決定は今年6月末までに下すこととなっています。この「離脱協定」は英国がEUを離脱した今年1月31日に発効済みで、今から「離脱協定」を書き換えることは、法的には可能ではない。(ブルームバーグ)と説明されています。英国では、EUとの通商協議が不調に終わるとの見方もあり、欧州大陸との物流拠点であるドーバー海峡ではトラックの激しい渋滞が続いています。加えて新型コロナウイルスの「変異種」の問題がクローズアップされており、「泣きっ面にハチ」状態です。物流システムに大きな混乱が生じているため、フランス政府は英国との国境を再開する予定だと今朝は報じられています。
昨日のNYではややリスクオフに傾いたため、ドル円は再び103円台後半を試す展開でした。ただ前日のドルの高値は抜けておらず、まだ上値は重い印象です。NYダウが一進一退の動きに変わっており、これまでのように力強い上昇を見せていません。そのため、リスク、オンとオフが交互にやって来る展開です。また足元ではポンドの動きも、ドル円を見る上でも必要になってきた印象があります。
本日のドル円は103円10銭~103円90銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円はややリスクオフが進んだことで買い戻しが優勢に。ユーロやポンドが対ドルで売られこともあり、103円73銭まで円が売られた。
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2020-12-23 10:00