バイデン氏、第46代米大統領に就任

ドル円は堅調に推移し、一時は104円台に乗せる。次期財務長官に就任するイエレン氏が公聴会でドル安政策の修正を示唆する発言を行ったこともドルをサポート。
ユーロドルは小幅に反落。1.2116まで売られ、再び1.21割れを試す。株式市場は3指数とも揃って上昇。ハイテクと小型株が上昇をけん引する形で、ダウは116ドル高。債券は小動きとなり、長期金利も1.08%台とほぼ横ばい。金と原油は反発。
ドル/円 103.84 ~ 104.05
ユーロ/ドル 1.2116 ~ 1.2145
ユーロ/円 125.86 ~ 126.18
NYダウ +116.26 → 30,930.52ドル
GOLD +10.30 → 1,840.20ドル
WTI +0.62 → 52.98ドル
米10年国債 +0.005 → 1.089%
【本日の注目イベント】
豪 豪1月ウエストパック消費者信頼感指数
中 中国全人代常務委員会
独 独12月生産者物価指数
欧 ユーロ圏12月消費者物価指数(改定値)
英 英12月消費者物価指数
英 ベイリー・BOE総裁、イベントに参加
米 1月NAHB住宅市場指数
米 バイデン氏、米大統領に就任
米 トランプ氏、退任式を計画(アンドルーズ空軍基地)
米 企業決算 → P&G、モルガンスタンレー、アルコア
加 カナダ中銀政策金利発表
加 カナダ12月消費者物価指数
本日20日、ジョー・バイデン氏が正式に第46代米大統領に就任します。首都ワシントンでは「就任式一色」といった様相のようですが、厳しい厳戒態勢が敷かれていることから、これまでのお祝いムードとは異なった雰囲気のようです。バイデン氏は日本時間午前2時すぎに宣誓を行い、スピーチを行う予定です。
通常ですとその後、議事堂から真っすぐホワイトハウスに伸びる「ペンシルベニア大通り」を夫人と歩いて国民に手を振る場面が思い起こされますが、今回は取りやめになったようです。
そんな中、議会上院で次期財務長官に就任予定のイエレン前FRB議長の承認公聴会が行われました。
イエレン氏は、「競争上の優位を得るため弱い通貨を米国が目指すことなく、他国によるそうした試みを求めるべきでない」と発言し、さらに「貿易における優位性を得るため人為的に通貨価値を操作する外国によるいかなる、またあらゆる試みに反対すべく、取り組んでいく」と決意を述べました。
イエレン氏は通貨政策について、これまでの財務長官にはなかった明確なスタンスを表明したと思います。ブルームバーグは「イエレン氏のドルに関する発言は、いわゆる強いドル政策への回帰を示唆する。強いドル政策はクリントン政権以来の米国の方針だったが、トランプ大統領が実質的に放棄していた」と論評しています。またイエレン氏は、中国が知的財産権を搾取し、世界市場で製品をダンピングしているほか、自国企業に補助金を付与しているとの認識を示し、そうした行為に対抗する用意がバイデン次期政権にあると述べています。予想されてはいたことですが、中国政策については、政権が変わっても中国が変わらない限り、これまでの強硬な姿勢は継続されることが確認されたと言っていいと思います。
一方で、バイデン次期政権が掲げる1.9兆ドル(約197兆円)規模の経済対策について、共和党からは反対の声があがっており、議会の壁を意識させられた格好でした。
政府支出の増加をまかなうための債務拡大を巡り、「いつの時点で多すぎとなるのか」と質問され、イエレン氏は「連邦予算を持続可能な軌道に乗せることは必須だが、経済成長を支えるための投資を現段階で行わなければ、状況は悪化することになる」と返答しています。
同時に、「金利が非常に低い時は長期債を発行して資金調達する利点はある」と述べ、50年債の発行を検討する考えを明らかにしています。
ドル円は昨日のNY市場で再び104円台に乗せる場面がありました。
ややドルが底堅くなった印象ですが、上述のように、イエレン次期財務長官は「ドル安政策の修正」を匂わすような発言行っています。今後事あるごとに、この政策が実施されていくのかどうかを見極めていかなければなりません。これまでにも述べてきたように、ドル円が105円台を回復すれば、周りの景色もこれまでとは異なるものが見えてくるように思います。まだドル下落のリスクは排除できませんが、ドル反転のマグマが少しずつですが溜まってきている気配は感じています。
本日のドル円は103円50銭~104円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は堅調に推移し、一時は104円台に乗せる。次期財務長官に就任するイエレン氏が公聴会でドル安政策の修正を示唆する発言を行った
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2021-01-20 09:30