【為替本日の注目点】米長期金利1.13%台に上昇

 ドル円は105円台前半で小動き。米長期金利の上昇にも反応せず、105円を割り込む場面もあったが、下値は限定的。ユーロドルは続落し、1.20台割れをテストしたものの、1.2004で下げ止まる。株式市場は3日続伸していたが、引けにかけてナスダックとS&P500はマイス圏に。ダウは36ドル高に留まる。債券相場は続落し、長期金利は昨年12月下旬以来となる1.13%台に上昇。金は小幅に続落。原油価格はOPECが余剰供給を解消すると表明したことで約1年ぶりの高値に。 1月ADP雇用者数        →  17.4万人 1月ISM非製造業景況指数    →  58.7 ドル/円  104.97  ~ 105.10 ユーロ/ドル 1.2004 ~ 1.2037 ユーロ/円  126.14 ~ 126.42  NYダウ  +36.12 → 30,723.60ドル GOLD  -1.70 → 1,835.10ドル WTI  +0.93 → 55.69ドル  米10年国債  +0.041 → 1.137% 【本日の注目イベント】 豪   豪12月貿易収支 欧   ユーロ圏12月小売売上高 欧   ECB経済報告 英   BOE金融政策発表 英   BOE議事録 米   新規失業保険申請件数 米   12月製造業受注 米   デイリー・サンフランシスコ連銀総裁。パネル討論に参加 米   カプラン・ダラス連銀総裁講演  ドル円もユーロドルも前日の水準から大きく動いてはいません。ドル円は下値を固めつつあるものの、105円30銭から上方には実需のドル売りも散見される状況で、この水準を超えて行くには新たな支援材料が待たれます。また、ユーロドルもドル買いの流れから一時は1.20台割れを試したものの、節目の大台は割り込めず、1.2004までのユーロ安で留まっています。この日発表されたADP雇用者数などの経済指標が良好だったことや、バイデン大統領が大規模な経済対策の縮小には消極的との報道に債券は売られ、長期金利が昨年12月20日以来となる1.13%台後半まで上昇しています。ただ、金利上昇にドルはほとんど反応しなかったようです。  バイデン大統領は3日、民主党下院議員らと電話会合で、個人への直接給付金1400ドル(約14万7000円)未満に減らすことは、大統領就任当初からの有権者への公約を破ることになると語っています。バイデン氏は直接給付金の受給資格を厳しくすることを検討する可能性は排除しないと述べる一方、経済対策案で示した1400ドルから減らすことには消極的な姿勢を示唆したと伝えられています。またイエレン財務長官も2日には、共和党上院議員10人が示した6180億ドル規模の案は、新型コロナウイルス禍で打撃を受けた経済の安定化を助けるには「小さ過ぎる」との考えを示していました。  英製薬会社グラクソ・スミスクラインと独キュアバックは3日、新型コロナウイルス変異株に対する次世代ワクチンを共同で開発すると発表しました。両社は1回の接種で数種の変異株に対応可能なワクチンの開発を計画しているとしており、規制当局の承認に左右されるが、2022年の普及を目標にしています。ワクチンの供給不足が懸念されている中、新たな開発に対する期待は高まっています。(ブルームバーグ)  1月のADP雇用者数が市場予想を上回り、「17.4万人」と発表されました。12月はコロナ感染拡大に伴うロックダウンの影響が大きく、「マイナス7.8万人」に沈みましたが、1月は市場予想の「7万人」を大きく上回りました。特にサービス部門の雇用は15万6000人増と大きく伸び、サービス業を中心に労働市場が再び持ち直している可能性が出てきました。因みに、明日の雇用統計では非農業部門雇用者数は「+7万人」と予想されています。米供給管理協会(ISM)が発表した1月の非製造業景況指数も、事前予想の「56.7」を上回る「58.7」と、好調でした。新規受注の増加が採用の回復を促したことを背景に、予想外に活動が加速しました。これは、ほぼ2年ぶりの高水準ということになります。  緩やかな上昇を見せていたドル円は105円台前半で一服といった状況です。昨日は米10年債利回りが大きく上昇したにも拘わらず、上値が限定的でした。ユーロドルも1.20の大台突破に失敗しており、いずれもドルの上昇は小休止です。ドル円は105円台からもう一段上昇する余地は残っていると見ていますが、それでもこれまでのように簡単ではないかもしれません。ここからの上昇には、さらなるドル買い材料が不可欠かと思います。ただ、米長期金利が再び上昇傾向を見せていることから、金利面からはサポートされると思われます。 本日のドル円は104円60銭~105円30銭程度予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は105円台前半で小動き。米長期金利の上昇にも反応せず、105円を割り込む場面もあったが、下値は限定的。ユーロドルは続落し、1.20台割れをテストしたものの、(イメージ写真提供:123RF)
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2021-02-04 09:45