【為替本日の注目点】ドル円104円台半ばまで反落

 ドル円は続落し、104円50銭近辺まで売られる。米長期金利の上昇が一服したことに伴い、利益確定のドル売りが優勢に。ユーロドルは続伸。1.2122前後まで買われ1週間ぶりのユーロ高水準に。  株式市場はまちまち。引け際まで3指数とも上昇していたが、結局ナスダックだけがプラスで終わる。ナスダックは3日連続で最高値を更新。債券は反発。長期金利は1.15%台へと低下。金は3日続伸。原油も在庫が減少しているとの見方から続伸し、58ドル台で引ける。 ドル/円    104.50  ~  104.70 ユーロ/ドル  1.2089  ~  1.2122 ユーロ/円   126.43  ~  126.76 NYダウ    -9.93   →  31,375.83ドル GOLD    +3.30   →  1,837.50ドル WTI     +0.39   →  58.36ドル 米10年国債  -0.014  →  1.157% 【本日の注目イベント】 豪  豪2月ウエストパック消費者信頼感指数 中  中国1月消費者物価指数 中  中国1月生産者物価指数 独  独1月消費者物価指数(改定値) 英  英12月鉱工業生産 米  1月消費者物価指数 米  1月財政収支 米  パウエル・FRB議長講演 米  企業決算 → ウーバー、コカ・コーラ、GM  ドル円は105円台を維持できずに大きく売られ、104円50銭近辺まで押し戻されています。10日ぶりのドル安水準ですが、予想していたよりもドル売りのモメンタムは強かったようです。  もっとも、日足の「200日移動平均」という、極めて重要なレジスタンスに上昇を抑えられていたことから、ここから106円台に乗せるのは簡単ではないと予想していたこともあり、想定内の動きと言えるでしょう。  米長期金利が1.17%台に乗せた後、低下して来たことに沿った動きとも言えます。長期金利は1月12日にも1.18%台まで上昇した後低下しており、この辺りは金利水準でもレジスタンスだったとも考えられます。  トランプ前大統領に対する2度目の弾劾裁判が始まりました。まずは、退任後も弾劾裁判で裁かれることが合憲かどうかが議論されます。その後、トランプ氏が議会議事堂への乱入を扇動したかどうかが争われ、弁護団はトランプ氏の発言はその混乱とは無関係だと主張するようです。  トランプ氏に対する有罪評決が下されるには、少なくとも共和党上院議員の17名以上が賛成する必要があるため、現時点ではその可能性は低いと見られています。仮に有罪評決となった場合、トランプ氏は公職に就く資格を剥奪されることになり、2024年の大統領選に再出馬をほのめかしているトランプ氏に、その道は閉ざされることになります。さらに、大統領経験者に与えられる「終身年金」も失い、シークレット・サービスによる警護も外されるようです。  バイデン大統領はホワイトハウスで、大手企業のCEOと会談を行い、経済対策について意見を交わしました。会談にはJPモルガンのダイモンCEOやウォルマートのマクミロンCEOなどが参加し、バイデン氏が掲げる最低賃金の引き上げを含む経済対策案や、道路や橋の再建について話し合いました。バイデン氏は会談後に、「ありとあらゆる問題があるが、全て解決可能だと考えている」と述べています。会談にはイエレン財務長官とハリス副大統領も参加しています。(ブルームバーグ)  本日はパウエル議長の講演が予定されています。先月27日のFOMC後の記者会見では、「大規模な経済支援を縮小する状況からは程遠い」と語っており、引き続きコロナ感染の行方を注視すると共に、緩和策の継続を表明するものと思われます。また、このところの金利上昇に関する発言もあるかもしれません。  インフレ率に関しては9日、ダラス連銀のカプラン総裁がブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで、「インフレ率が一時的に急上昇しても私は驚かない。問題はそれがどの程度長く続くかだ」と語っています。  今週、堅調な豪ドル円が81円台に乗せる場面がありました。81円台前半のレベルは、2018年12月以来ということになります。市場では緩やかなドル高が進み、円は対米ドルで売られましたが、豪ドルは対米ドルでも買われていることで、豪ドル円が上昇しています。オーストラリアはコロナウイルスの感染拡大防止にもいち早く成功しており、対中国との関係は悪化したままですが、主要輸出品の鉄鉱石の価格が上昇していることから、個人消費を除く国内景気は順調に回復しています。  先週行われたRBA理事会では、現在行われている国債や州債の購入プログラムが終了する4月以降も、週50億豪ドル(約4000億円)の買い入れを継続することを決め、買入枠も1000億豪ドルに拡大しました。またフォワードガイダンスでは、「実現インフレが2~3%目標を持続的に達成するまで利上げしない」としたことで、豪ドルは一旦売られましたが再び上昇に転じています。しばらくは堅調な地合いが続くと予想されます。  本日のドル円は104円20銭~105円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は続落し、104円50銭近辺まで売られる。米長期金利の上昇が一服したことに伴い、利益確定のドル売りが優勢に。ユーロドルは続伸。
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2021-02-10 10:15