【為替本日の注目点】WTI原油価格13カ月ぶりの61ドル台

ドル円は106円21銭まで上昇したものの、FOMC議事録を受け、米長期金利が低下したことで105円78銭まで押し戻される。ユーロドルは大きく下げる。1.2024までユーロ安が進み、2週間ぶりの水準までユーロが売られる。株式市場は前日と同じような展開となり、ダウは90ドル上昇したものの、ナスダックとS&P500は続落。ダウは連日で最高値を更新。債券は急反発。長期金利は1.27%台に急落。連日荒っぽい動きとなり、利回りは一時は1.33%台まで上昇した後に急低下。金は大幅に続落。原油は米国での原油生産が4割減となったことで続伸し、61ドル台に。 1月生産者物価指数        →  1.3% 1月小売売上高          →  5.3% 1月鉱工業生産          →  0.9% 1月設備稼働率          →  75.6% 2月NAHB住宅市場指数     →  84 ドル/円  105.78  ~ 106.21 ユーロ/ドル 1.2024~ 1.2066 ユーロ/円  127.31 ~ 127.97  NYダウ +90.27 → 31,613.02ドル GOLD  -26.20 → 1,772.80ドル WTI  +1.09 → 61.14ドル  米10年国債  -0.044 → 1.270% 【本日の注目イベント】 豪   豪1月雇用統計 トルコ トルコ中銀政策金利発表 欧   ユーロ圏2月消費者信頼感指数(速報値) 米   新規失業保険申請件数 米   1月住宅着工件数 米   1月建設許可件数 米   1月輸入物価指数 米   2月フィラデルフィア連銀景況指数 米   下院金融委、ゲームストップに関する公聴会 米   ブレイナード・FRB理事講演 米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演  ドル円は昨日のコメントでも述べたように、106円20-30銭のレジスタンスゾーンが抜け切れずに小幅に反落しています。昨日の東京時間早朝に106円22銭近辺までドル高が進んだものの、その後は上値が重くなり、東京時間ではじり安となり、105円80銭近辺までドルが押し戻される展開でした。106円台は「やはり重い」といった印象を残していましたが、海外市場に入るとドルは再び上昇に転じました。しかしここでも、106円21銭辺りでピークアウト。米長期金利の急低下もあり、結局105円台後半で戻って来ました。一次攻撃としては、こんなものでしょう。  1月26―27日に開催されたFOMC議事録要旨が公開され、会合では、大規模な資産購入プログラムを縮小できるような状況は「しばらく」訪れないとの認識を、メンバーの多くが示していたことが明らかになっています。議事要旨では、「経済がそれらの目標からまだほど遠い状況にあることを踏まえ、一段と顕著な進展が得られるまでにはしばらく時間がかかる可能性が高いと、参加者は判断した」と記され、その上で、「経済は委員会が掲げる中長期の目標からなお程遠く、今後の道のりはなお極めて不透明で、パンデミックが引き続き見通しに多大なリスクをもたらしているとの見解で参加者は一致した」とあります。(ブルームバーグ)この内容は先のパウエル議長の発言内容を裏付けるもので、FRBが当面現行の金融緩和政策を継続する姿勢を示したものと受け止められます。また、インフレに関する問題では、経済活動の再開に伴い物価が上昇する可能性があるが、「相対価格の一時的な変化と基調的なインフレトレンドの変化を区別することが重要だ」と指摘し、大規模な景気対策がインフレを押し上げ得るが、持続させる効果があるのかどうかを見極めることが重要との見方を示しています。ボストン連銀のローゼングレン総裁はバーチャル形式の討論会で、「失業率の高止まりが続く限り、今後2年間は持続的なインフレ率2%の達成を見込んでいない」と述べており、このFOMC会合の内容に沿った発言を行っています。  昨日発表された1月の小売売上は前月比で7カ月ぶりの大幅高となる「5.3%」と、市場予想の「1.1%」を大きく上回っていました。昨年末の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、個人の支出が抑制されていましたが、その後個人に対する制限が緩和され、さらに600ドルの現金給付が実施されたことが、大きかったとみられています。  猛烈な寒波に見舞われている米テキサス州などの中部では、原油の生産量が全体で4割ほど減少していると伝えられています。バーミアン盆地の生産量は通常の水準を、最大80%を下回るとの報告もあるようです。またテキサス州では大規模停電が少なくとも18日まで続く見通しで、これらが原油価格を押し上げています。WTI原油価格は今月に入ってすでに9ドル程(約17%)上昇しています。  米長期金利も1.33%台まで続伸した後下げに転じ、独歩安だった円も、やや買い戻されています。昨日のNYではドルが買われましたが、円も買われる展開でした。これまでの動きの巻き戻しといったところでしょう。昨日述べたように、106円20-30銭のレベルを抜け切れるかが今後の焦点ですが、そこを抜けると、もう一段のストップロスも誘発しそうです。まずは105円台を固める動きが続くと思われますが、それでも完全にドル高に舵を切り直したかどうかはまだ、不透明です。 本日のドル円は105円50銭~106円30銭程度を予想しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は106円21銭まで上昇したものの、FOMC議事録を受け、米長期金利が低下したことで105円78銭まで押し戻される。ユーロドルは大きく下げる。(イメージ写真提供:123RF)
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2021-02-18 10:15