ジャパンフーズはボックス上放れのタイミング、好業績や指標面の割安感を評価
飲料受託生産大手のジャパンフーズ <2599> の株価はボックスレンジ上限に接近している。煮詰まり感も強めているだけに、好業績や割安感を評価してボックス上放れのタイミングだろう。4月24日予定の決算発表が接近して期待感が高まる可能性もありそうだ。
伊藤忠商事 <8001> 系で飲料受託生産の国内最大手である。品目別には炭酸飲料と茶系飲料を主力として、コーヒー飲料、果汁飲料、機能性飲料、酒類飲料、ファーストフード店のディスペンサーでサービスされる業務用濃縮飲料(ウーロン茶、アイスコーヒーなど)を製造している。主要得意先はアサヒ飲料、キリンビバレッジ、伊藤園 <2593> などの大手飲料メーカーで、容器別ではペットボトルが主力だ。
中期経営計画「JUMP2015」では、目標数値として15年度にコアビジネス(飲料受託製造事業)の経常利益21億円、新規ビジネス(海外事業、水宅配事業、自社ブランド商品)の経常利益4億円を掲げている。
飲料受託製造事業では、飲料メーカーとの関係強化や魅力ある製品の受託製造数量の増加、市場変化・顧客ニーズへの的確な対応、生産効率の向上とコスト競争力の強化、季節変動への対応として製造体制見直しやコスト削減などを進めている。12年7月に本社工場で世界最新鋭の無菌充填ライン(炭酸・非炭酸兼用)が稼動し、14年3月には既存大型ペットボトルラインも設備更新で無菌充填ライン(炭酸・非炭酸兼用)化した。
新規ビジネスでは、国内で水宅配事業を展開するウォーターネット、中国で飲料受託製造事業を展開する東洋飲料(常熱)有限公司への出資比率を引き上げている。自社ブランド商品に関しては、本社工場がある千葉県産の農林水産物を使用した商品の開発に取り組み、千葉県を中心に販売している。
前期(14年3月期)業績(非連結)見通しは売上高が前々期比5.4%増の350億円、営業利益が同62.4%増の12億10百万円、経常利益が同52.6%増の12億20百万円、純利益が同43.1%増の7億10百万円としている。主力の炭酸飲料や茶系飲料が好調に推移し、新無菌充填ラインによる増産効果などで大幅増益見込みだ。第3四半期累計(4月~12月)では受託製造数量が容量・ケース数とも過去最高を記録している。季節変動への対応策も奏功して通期ベースで好業績が期待される。
今期(15年3月期)以降についても、受託製造数量は増加基調が期待される。さらに利益面では、12年7月に稼動した新無菌充填ラインでの習熟度向上による生産性上昇効果、14年3月完了の既存大型ペットボトルラインの設備更新効果、さらに季節変動への対応策なども寄与して増収増益基調だろう。
株価の動きを見ると、概ね1200円~1300円近辺でのボックス展開が続いているが、3月27日に付けた直近安値1212円から反発し、足元ではボックスレンジ上限に接近している。4月17日には1290円、そして4月21日には1289円まで上値を伸ばす場面があった。好業績を評価する動きだろう。
4月21日の終値1277円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想のEPS147円21銭で算出)は8~9倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間27円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前々期実績のBPS1409円99銭で算出)は0.9倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破して上伸した。さらに週足チャートで見ると13週移動平均線と26週移動平均線がサポートラインとなって下値を徐々に切り上げている。指標面の割安感も評価してボックスレンジ上放れの動きを強めそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
飲料受託生産大手のジャパンフーズ<2599>(東1)の株価はボックスレンジ上限に接近している。
economic
2014-04-22 15:30