【為替本日の注目点】米長期金利1.4%台へと低下

 ドル円は続伸し、106円69銭までドル高が進む。米長期金利は低下したものの、ドル買いの流れが続く。ユーロドルは反落。1.2063まで売られ、ユーロ円も小幅に反落。  株式市場はまちまち。ダウは朝方から売られ469ドル安。一方前日大きく売られたナスダックは反発し、72ポイント上昇。前日1.61%台まで上昇した長期金利は大幅に低下。荒っぽい動きの中、1.40%台まで低下して越週。金は大幅に続落し1728ドル台に。原油も2ドルを超える下落。 1月個人所得                → 10.0% 1月個人支出                → 2.4% 1月PCEコアデフレータ          → 1.5% 2月ミシガン大学消費者マインド(確定値)  → 76.8 2月シカゴ購買部協会景気指数        → 59.5 ドル/円    106.23   ~ 106.69 ユーロ/ドル  1.2063   ~ 1.2141 ユーロ/円   128.50   ~ 129.38 NYダウ    -469.64  → 30,932.37ドル GOLD    -46.60   → 1,728.80ドル WTI     -2.03    → 61.50ドル 米10年国債  -0.115   → 1.405% 【本日の注目イベント】 中  2月財新製造業PMI 独  独2月製造業PMI(改定値) 独  独2月消費者物価指数(速報値) 欧  ユーロ圏2月製造業PMI(改定値) 英  英1月消費者信用残高 米  2月ISM製造業景況指数 米  2月マークイット製造業PMI(改定値) 米  ウィリアムズ・NY連銀総裁講演 米  アトランタ連銀総裁、クリーブランド連銀総裁、ミネアポリス連銀総裁    パネル討論に参加  急上昇が続いていた米国の長期金利が「上昇一服」となったため、株式市場の方はやや落ち着きを取り戻したように見受けられます。直近高値から大きく売られていたナスダック指数は72ポイント上昇し、やれやれといった状況でした。一方ダウの方は景気敏感株を中心に大幅続落となり、2日間で1000ドルを超える下げに見舞われています。ドル円は長期金利の低下にも拘わらず続伸し106円69銭までドル高が進みました。これでドル円は「週足」の雲の中に突入して来ましたが、ここからもう一段上昇し、「雲抜け」を達成し、107円台に乗せることが出来るのかどうかが焦点になります。  米下院ではバイデン大統領が提案する1.9兆ドル(約200兆円)の経済対策案が可決されました。同案には、所得制限はあるものの、1400ドルの個人直接給付金や失業給付の上乗せ、最低賃金引上げも盛り込まれています。  採決では、賛成219、反対212で可決しましたが、共和党全員の反対に加え、民主党の2議員も反対に回っています。同案はこの後上院に回され審議されますが、ここで1人でも民主党議員が反対に回ると否決され、上院通過は難しくなります。  バイデン大統領はホワイトハウスで「今は行動の時だ」と述べ、「無駄にする時間はない。ようやくこのウイルスに先んじることができ、ようやく経済を再び動かすことができる」と語っています。また、バイデン大統領と共に積極的に同案を支持しているイエレン財務長官も、「国民がこのパンデミックを乗り越え、力強く成長する経済をもたらすことを確実にする法案だ」とツイートしています。(ブルームバーグ)  著名投資家ウォーレン・バフェット氏が27日公開した毎年恒例の年次書簡が話題を集めています。  書簡では2020年に世界を襲ったコロナウイルスのパンデミックには触れていましたが、混乱した昨年の米大統領選や今年1月の議会乱入問題など、政治関連については特に言及はなかったようです。バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイは、大規模な自社株買いを今後も続けていく模様で、投資先上位15社に、中国の電気自動車メーカのBYDと日本の伊藤忠商事の名前が挙がっていました。  今週も引き続き米長期金利の動きが為替市場や株式市場の動向を決めるキーになると予想されます。先週、一時1.61%台まで上昇した長期金利は、水準そのものは驚きではなく、その上昇スピードが余りに速かったという点がリスクオフにつながったと思われます。  米長期金利は、昨年1月のコロナウイルスが確認される前には1.8%~1.85%程度で推移していました。米国ではジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が3番目となるワクチンを開発し、米食品医薬品(FDA)は同社のワクチンに緊急使用許可を承認しました。今後、遅れ気味のワクチン接種が急速に進む可能性もあり、コロナの感染抑制が期待できます。  景気刺激策により経済活動が戻れば、長期金利も緩やかに上昇することが予想されますが、乱高下している株式市場も徐々に受け入れるではないでしょうか。  本日は日本株の動向が注目されます。  日経平均株価は先週末、1200円を超える下げを記録しましたが、落ち着きを取り戻し反発すれば、今夜のNY株式市場にも好影響を与えるかもしれません。  ドル円は107円を目指す動きになってはいますが、ここからの上昇には注意が必要かと思います。週足の「120週移動平均線」は107円台前半、「200週移動平均線」は107円台後半に位置しています。  本日のドル円は106円10銭~106円90銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は続伸し、106円69銭までドル高が進む。米長期金利は低下したものの、ドル買いの流れが続く。ユーロドルは反落。1.2063まで売られ
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2021-03-01 09:30