中国全人代で慎重な成長目標、アフターコロナに拙速な出口戦略を回避=大和総研

 中国の国家運営の大方針が決まる第13期全国人民代表大会(全人代)第4回全体会議が開幕し、2021年の中国の経済方針などが徐々に明らかになってきた。大和総研経済調査部の主席研究員の齋藤尚登氏は3月5日、「中国:21年の政府成長率目標は6.0%以上」と題したレポート(全4ページ)を発表し、これまでに分かってきた中国政府の対応について論評した。レポートの要旨は以下の通り。 ◆2021年3月5日に、第13期全国人民代表大会(全人代)第4回全体会議が開幕し、2021年の政府成長率目標は6.0%以上(以下、変化率は前年比、前年同期比)と設定された。中国経済は2020年1月~3月の▲6.8%からV字回復を遂げている。2020年が2.3%という低成長にとどまったこともあり、2021年は大きな反動が期待できる。すなわち6.0%以上という成長率目標は正に最低ラインであろう。大和総研は8.0%程度の成長を想定している。 ◆政府活動報告における重点活動の章立てを見ると、その年の重点政策が分かる。2021年の筆頭は「マクロ政策の継続性、安定性、持続可能性を保ち、経済が合理的範囲内で動くよう促す」となっている。これに対して、2020年のそれは「マクロ政策の実施に力を入れ、企業の安定化と雇用の保障に努める」であった。2020年はコロナ禍での「雇用維持」に焦点が当たり、2021年はアフターコロナにおける「拙速な出口戦略の回避」がキーワードになっていることが分かる。出口戦略は慎重に行われよう。(情報提供:大和総研)(イメージ写真提供:123RF)
大和総研経済調査部の主席研究員の齋藤尚登氏は3月5日、「中国:21年の政府成長率目標は6.0%以上」と題したレポート(全4ページ)を発表し、これまでに分かってきた中国政府の対応について論評した。(イメージ写真提供:123RF)
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2021-03-08 16:45