ラクーンは足元で底打ち感、成長力を評価して反発のタイミング
電子商取引(EC)サイトを運営するラクーン <3031> (東マ)の株価は、全般地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、足元では底打ち感を強めている。中期成長力を評価して反発のタイミングだろう。
アパレル・雑貨分野の企業間ECサイト「スーパーデリバリー」の運営を主力として、締め支払い決済「Paid」サービスや「売掛債権保証」など周辺分野にも事業領域を広げ、質の高い会員小売店と出展企業の獲得、利便性の高いサービス提供などによって客単価や稼働率の向上に取り組んでいる。14年1月末時点で会員小売店は3万9339店舗(13年4月末比2799店舗増加)、出展企業は934社(同27社減少)、商材掲載数は44万5806点(同7万6087点増加)となった。
新規事業としてクラウド受発注ツール「COREC(コレック)」の提供を3月17日から開始した。利用企業の業種や規模を問わず、すべてのBtoBにおける受発注をWeb一元管理できるクラウド受発注ツールだ。基本機能は無料で、効率的に受発注を行うための機能(有料プラン)をオープン記念キャンペーンとして14年8月末まで無料で提供する。利用企業の業種や規模に縛られない「Paid」サービスや「売掛債権保証」に続くサービスとして事業を拡大する方針だ。
また3月31日には連結子会社トラスト&グロースが宅建ブレインズと業務提携すると発表した。宅建ブレインズが展開する居住用家賃保証サービス「宅建ハトさん保証」の新商品である事業用家賃保証サービスの保証業務を、トラスト&グロースが4月中旬から開始する。従来から展開している企業の販売先に対する売掛債権保証サービスに加えて、売掛債権保証とは異なる企業与信に関するノウハウを蓄積して業容拡大に繋げる戦略だ。
今期(14年4月期)の連結業績見通しは、売上高が103億円~106億円(前期比5.2%増~8.3%増)、営業利益が2億20百万円~2億30百万円(同21.5%増~27.1%増)、経常利益が2億10百万円~2億20百万円(同19.3%増~25.0%増)、純利益が1億25百万円~1億35百万円(同6.0%減~1.5%増)としている。純利益は税負担正常化で横ばい見込みだが、EC事業の会員数や取扱高の増加が牽引して減価償却費の増加を吸収する。売掛債権保証事業も保証残高増加に伴って営業損益が改善する見込みだ。
第3四半期累計(5月~1月)は大幅増益となり、通期見通し(会社予想の上限値)に対する利益進捗率も高水準だったため、通期利益上振れの可能性があるだろう。来期(15年4月期)も主力の企業間ECサイト運営事業が順調に拡大し、売掛債権保証事業の営業損益改善や、新規事業のクラウド受発注ツール「COREC(コレック)」も寄与して収益拡大が期待される。
なお4月10日に今期配当予想の修正を発表した。従来は未定としていた今期配当予想を年間4円25銭(期末一括)とした。前期との比較(13年5月1日付の株式300分割調整後)では25銭の増配となる。
株価の動きを見ると、全般地合い悪化も影響して水準を切り下げる展開だったが、足元では底打ち感を強めている。4月16日に457円まで下押す場面があったが、終値では前日比13円(2.79%)高の479円まで切り返した。さらに4月17日には540円まで上伸する場面があった。中期成長力を再評価する動きだろう。
4月22日の終値485円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社レンジ予想の連結EPSの中間値23円86銭で算出)は20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間4円25銭で算出)は0.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS246円54銭で算出)は2.0倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んで調整局面だが、日足チャートで見ると25日移動平均線突破の動きを強めている。4月16日安値で底打ちした可能性があり、中期成長力を評価して反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
電子商取引(EC)サイトを運営するラクーン<3031>(東マ)の株価は、全般地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、足元では底打ち感を強めている。中期成長力を評価して反発のタイミングだろう。
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2014-04-23 09:45