【為替本日の注目点】米3主要株価指数続伸

 ドル円は小動きの中、108円台を抜け切れない展開が続く。108円後半で推移し、値幅は15銭程度に収まる。ユーロドルでも目立った動きはなく、1.19台後半で推移。  株式市場は良好な経済指標を受け3指数が揃って続伸。ダウは164ドル上げ、S&P500とともに最高値を更新。債券は前日とほぼ変わらず。長期金利は小幅に上昇したものの、依然として1.58%台で推移。金は続伸し、原油は反落。 3月住宅着工件数            → 173.9万件 3月建設許可件数            → 176.6万件 4月ミシガン大学消費者マインド(速報値)→ 86.5 ドル/円    108.75    ~ 108.89 ユーロ/ドル  1.1973    ~ 1.1993 ユーロ/円   130.26    ~ 130.47 NYダウ    +164.68   → 34,200.67ドル GOLD    +13.40    → 1,780.20ドル WTI     -0.33     → 63.13ドル 米10年国債  +0.004    → 1.580% 【本日の注目イベント】 日  3月貿易収支 日  2月鉱工業生産 欧  ユーロ圏2月経常収支 米  企業決算 → IBM、コカ・コーラ  ワシントンで行われた初の日米首脳会談では共同声明の文言を巡り調整に戸惑ったものの、成功裏に終わったようです。議論の中心はやはり、台湾を巡る中国問題でした。  「台湾海峡の平和と安定の重要性について日米間で一致しており、今回改めてこのことを確認した」と両首脳は会談後の共同記者会見で述べました。共同声明に「台湾」が明記されるのは、1969年11月以来、52年ぶりのことになるそうです。これに対して中国側は「内政干渉だ」として反発しています。  今回の日米首脳会談は菅首相、バイデン大統領ともに、政権トップになって日が浅く、ともにその手腕が試されている状況の中で、初の対面での会談でした。バイデン大統領は、初の公式の対面会談の相手として日本を選んだことは、ドイツやフランスでは今後早期に政権交代の可能性があることに加え、中国に対する共同戦線を張る目的もあったようです。  台湾海峡を巡る問題に加え、新疆ウイグル地区や香港での人権問題、さらにはサイバー攻撃など、米国単独で中国と対峙するのではなく、日、豪、インドを巻き込んだ「面」で対抗することを狙っており、中でも米中関係の強化を目指したようです。  会談を前に、菅政権は難しい判断を迫られたと思われます。  これまでの政権のように、米国寄りと見られながらも中国に対しても温厚な対応を見せて来ましたが、今回の会談では中国に対する日本の本気度も試された格好です。今回の会談で日本は、外交、軍事、産業の分野でこれまでよりもさらに日米関係を強化したことにより、「ルビコン川」を渡ったと評されるかもしれません。  今回の日米首脳会談での協議にも関係していたかもしれませんが、米財務省は台湾を「為替操作国・地域」に認定することを見送りました。米財務省は、台湾をベトナム、スイスと同じように「為替操作」の疑いがある国・地域に加えていましたが、「米国と円滑な事前コミュニケーション、意見交換があった」として、認定を見送ったようです。台湾は米国が為替操作を断定するための判断基準の3つの条件に抵触していましたが、十分な証拠を得られなかった(日経新聞)として認定を断念したことのようです。  バイデン政権は当初、中国に対してはトランプ政権よりもより柔軟な政策を取ると予想されていましたが、今年1月20日に正式に就任して以来、かなり強硬な姿勢を見せています。日豪インドを加えた「クアッド」の創設や、「民主主義と専制主義」の闘いといった言葉を引用したり、さらには中国の習近平国家主席についても「専制主義が将来の主流となり民主主義が機能しなくなると考える人物」と公然と語る(日経新聞)など、むしろトランプ政権よりもより強硬に変わってきた印象です。  また今朝の報道ではロシアの反体制派主導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏の健康状態が急激に悪化したと関係者が明らかにしたことに関し、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)はCNNで、「われわれは様々な代償を検討している。現時点でそれを公にする考えはない。ただ、ナワリヌイ氏の死亡には結果が伴うと伝えてある」と述べ、米政府は同氏が死亡した際にはロシアに対して相応の制裁を考えているようです。  引き続き米経済指標には好調な流れが続いています。  先週末のミシガン大学消費者マインドは市場予想を上回り、約1年ぶりの高水準でした。1年先のインフレ期待も大きく上昇し、9年ぶりの水準になっています。ドル円は、米長期金利の低位安定が続いているため上値の重い展開です。  先週もこの欄で述べたように、ファンダメンタルズではドル高傾向と見ていまが、テクニカルではドル安を示唆する水準にも近づいてきています。サポートは引き続き108円30-40銭のゾーンと見て、本日のドル円は108円40銭~109円20銭程度と予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は小動きの中、108円台を抜け切れない展開が続く。108円後半で推移し、値幅は15銭程度に収まる。ユーロドルでも
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2021-04-19 09:45