アルコニックスは調整一巡、指標面の割安感も評価して出直り

　　非鉄金属専門商社のアルコニックス <3036> の株価は全般地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、足元では調整一巡感を強めている。指標面の割安感も評価して出直り展開だろう。なお５月１６日に決算発表を予定している。 　　軽金属・銅製品（伸銅品、銅管、アルミフィンなど）、電子・機能材（レアメタル・レアアース、チタン・ニッケル製品など）、非鉄原料（アルミ・亜鉛地金など）、建設・産業資材（配管機材など）を取り扱う専門商社で、特にレアメタル・レアアースに強みを持っている。Ｍ＆Ａ戦略で１３年１月に金属・化成品メーカーの米ユニバーティカル社、１３年３月にアルミスクラップ販売の大阪アルミセンター、１３年４月に産業機械用精密加工部品メーカーの大羽精研を子会社化した。 　　１３年５月に発表した中期経営計画では、目標値として１６年３月期の経常利益５０億円以上、純利益３０億円以上、ＲＯＥ１３～１５％程度などを掲げている。重点戦略としては、川上・川中・川下の各分野でのＭ＆Ａ推進、レアメタル・電子・機能材・リサイクル分野の強化、日本を経由しない三国間取引の拡大などに取り組む方針としている。 　　前期（１４年３月期）連結業績見通し（１０月２２日に売上高と営業利益を減額、経常利益を据え置き、純利益を増額）は売上高が前々期比９．２％増の１８００億円、営業利益が同０．４％増の３３億円、経常利益が同１４．１％増の３３億円、純利益が同８８．７％増の２７億円としている。レアメタル・レアアースの需要・市況は依然として低調だが、軽金属・銅製品事業では自動車部品関連、建設・産業資材事業では公共投資関連などの好調が牽引し、Ｍ＆Ａした子会社の連結も寄与する。純利益は負ののれん発生益も寄与する。 　　第３四半期累計（４月～１２月）の利益進捗率が高水準だったため、通期利益は上振れの可能性があるだろう。また今期（１５年３月期）も、自動車関連や公共投資関連の需要が堅調に推移して好業績が期待されるだろう。 　　株価の動きを見ると、１月高値２４２４円から反落後は全般地合い悪化も影響して水準を切り下げた。ただし４月１４日の直近安値１９６１円から反発して４月１７日には２０５８円まで戻す場面があった。下値を確認して切り返す動きのようだ。 　　４月２２日の終値２０２２円を指標面で見ると、前期推定連結ＰＥＲ（会社予想の連結ＥＰＳ４２４円７８銭で算出）は４～５倍近辺、前期推定配当利回り（会社予想の年間６０円で算出）は３．０％近辺、実績ＰＢＲ（前々期実績の連結ＢＰＳ２４１４円９８銭で算出）は０．８倍近辺である。週足チャートで見ると５２週移動平均線を割り込んで調整局面だが、日足チャートで見ると戻りを押さえている２５日移動平均線突破の動きを強めている。調整が一巡して出直り展開だろう。（情報提供：日本インタビュ新聞社＝Ｍｅｄｉａ－ＩＲ）