【為替本日の注目点】米PMI大きく伸びる

 ドル円は朝方、ユーロドルでドル安が進んだ影響もあり、107円48銭まで下落。3月4日以来となるドル安水準を付けたが、その後は徐々にドル買戻しが優勢となり、108円台に。  ユーロドルは域内の景気回復期待の高まりからユーロが買われ、約1カ月半ぶりに1.21台を示現。株式市場はPMIなど、良好な経済指標を手掛かりに大幅に反発。ダウは227ドル上昇し、主要指数は揃って大きく上昇。  債券は反落。長期金利は1.55%台に。金は続落し、原油は続伸。 4月マークイット製造業PMI       →  60.6 4月マークイットサービス業PMI     →  63.1 4月マークイットコンポジットPMI    →  62.2 4月新築住宅販売件数           →  102.1万件 ドル/円     107.48   ~ 108.14 ユーロ/ドル   1.2047   ~ 1.2100 ユーロ/円    129.78   ~ 130.56 NYダウ     +227.59  → 34,043.49ドル GOLD     -4.20    → 1,777.80ドル WTI      +0.71    → 62.14ドル 米10年国債   +0.020   → 1.558% 【本日の注目イベント】 日  2月景気先行指数(CI)(改定値) 独  独4月ifo景況感指数 米  3月耐久財受注 米  企業決算 → テスラ  ドル円は先週末のNY時間朝方に107円48銭までドル売りが進み、3月4日以来となるドル安水準を記録しました。  ユーロドルがユーロ圏の景気回復が早まるとの観測からユーロを買う動きが強まったことに引っ張られた影響が強かったようです。ユーロドルは1.21近辺まで上昇し、約1カ月半ぶりの高値です。  米経済指標は引き続き好調です。  IHSマークイットが発表した4月のPMIは、製造業が「60.6」、サービス業も「63.1」、さらに総合(コンポジット)も「62.2」と、2009年の同指標開始以降で最高水準となりました。  新型コロナウイルに関連した事業活動制限措置の緩和や好調な販売を背景に、企業活動の伸びに拍車がかかっているようです。IHSマークイットのチーフビジネスエコノミスト、ウイリアムソン氏は、「サプライチェーン上の記録的な遅れで、受注残が約7年ぶりの高さとなっている。企業は短期的に稼働能力を引き上げるのに苦慮しているようだ」と述べています。(ブルームバーグ)  またこの日発表された3月の新築住宅販売件数も急増し、102万件を超えていました。2月は寒波の影響で需要の伸びが抑制され、その反動もあったようですが、引き続き低金利と資産効果が人々の住宅需要を押し上げているようです。今回の件数が12年ぶりの高水準を示したことで関係者は、住宅市場が再び軌道にのったことを示唆していると話しています。  日本では25日から4都府県で3回目となる「緊急事態宣言」が発出されました。1日も早いワクチンの接種が望まれますが、政府は東京と大阪で1日1万件のワクチン接種を可能とする会場を設定する予定のようですが、コロナによる死者の数は本日中にも1万人を超えると見られます。  世界ではインドの感染数が爆発的に増加しています。  インドでは24日に、感染者数が34万6786人、死者数は2624人と、いずれも過去最多を記録しています。累計感染者数も1600万人と米国に次いで世界2位の多さとなってきました。  そんな中、米国では13日から接種を停止していたジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のワクチンの使用を再開すると、米疾病対策センター(CDC)が発表しています。  同社のワクチン接種には、まれに副反応として血栓の症例が複数報告されていたため、使用を停止していましたが、CDCは「リスクを上回る効果がある」と判断しました。  ドル円は107円台半ばから108円台半ばでのもみ合いが続いています。日米とも株価の上昇が一時ほど鮮明ではなく、リスクオンが強まりにくくなったことで米長期金利上昇にも一時ほどの勢いがなくなり、これがドル円の上値を抑えていると考えられます。  ただ、米金利がこのままさらに低下傾向を見せる可能性は低いと予想しています。先週カナダがサプライズのテーパリングに踏み切ったように、コロナの収束が見えてきた米国やオーストラリアでは、いずれ金融政策の変更に踏み切るものと考えられます。  コロナからの脱局が明らかに日本よりも早い米国であれば、米金利が再び上昇傾向を見せ、これがドルを支えることになると思います。今後とも米経済指標の結果には注目です。  本日のドル円は107円50銭~108円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は朝方、ユーロドルでドル安が進んだ影響もあり、107円48銭まで下落。3月4日以来となるドル安水準を付けたが、その後は
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2021-04-26 10:00