ゴメスを統合するブロードバンドセキュリティの新機軸、システムとセキュリティの総合診断サービスに進化

ITセキュリティに特化したセキュリティサービスプロバイダであるブロードバンドセキュリティ <4398> は5月14日、モーニングスター <4765> からゴメス・コンサルティング事業を会社分割(吸収分割)によって事業承継すると発表した。ゴメス・コンサルティング事業は、利用者視点での客観的なサイトランキングを調査・公表しつつ、企業ウェブサイトの評価・分析・コンサルティング及び各種システム開発業務を提供し、特に、金融機関向けのシステム開発で評価を高めていた。今回の事業譲受によってブロードバンドセキュリティでは、金融機関向けデジタルトランスフォーメーション(DX)支援が格段に進捗すると期待している。
ブロードバンドセキュリティは、ゴメス事業部の譲受に伴って、金融機関向けのデジタル支援に関してモーニングスターと広範に連携してサービス提供を行っていく。このため、事業の受け渡しは株式を対価として行われ、事業譲渡後はモーニングスターがブロードバンドセキュリティに12.5%出資する大株主になる。モーニングスターは、銀行、証券会社など金融機関向けに投信や保険商品などの金融商品販売支援ツール「Wealth Advisors」を提供しており、その提供社数は、2021年3月末現在で銀行153行(信金・信組・労金含む)、証券会社20社など、合計482機関におよぶ。ゴメス・コンサルティング事業部は、これら提携先の金融機関に対して、付加価値のあるホームページの運営コンサルティングやシステム開発を行ってきた。
ブロードバンドセキュリティは、脆弱性診断において豊富な実績を持っており、自社開発の自動脆弱性診断ツールは、ゴメスの金融機関向けコンサルティングに脆弱性診断機能を加えることによって、ゴメスのコンサルティング機能の向上が期待される。ゴメスが提供している定常的なシステムパフォーマンス監視ツールと脆弱性診断ツールを組み合わせることによって、システムとセキュリティを合わせた総合的な診断サービスを提供することが可能になる。なお、モーニングスターが持っている幅広い金融機関ネットワークは、マーケティング部や商品企画部など営業部門を主として対象にしてきたが、ブロードバンドセキュリティは情報システム部や管理部門などを主として対象としていることから、相互の提案先は重複が少なく、事業統合によるシナジー効果は大きいと期待される。
特に、金融機関はセキュリティ対策には他の業界以上に十全な対策を求める傾向が強く、社会の趨勢であるDX関連のサービス拡充を進めるという課題の解決を求めつつ、システムセキュリティの脆弱性対策も同時に強化していく必要がある。モーニングスターが培ってきたネットワークは、金融機関の新規事業の発展に伴って、ブロードバンドセキュリティのサービスを自ずと必要とする関係にあるといえる。
また、ゴメス・コンサルティング事業は、金融・不動産・旅行交通・Eコマース、IRサイトなど、30業界・4600サイトを客観的な基準で評価してランキング発表を行ってきている。この幅広い調査・分析活動を通じて培ってきた業界ネットワークについても、ブロードバンドセキュリティの脆弱性診断を通じたサービス提供が可能になり、このような幅広い事業戦略が期待されることが、今回の事業譲受を決める大きな理由になったと考えられる。(イメージ写真提供:123RF)
ITセキュリティに特化したセキュリティサービスプロバイダであるブロードバンドセキュリティは5月14日、モーニングスターからゴメス・コンサルティング事業を会社分割(吸収分割)によって事業承継すると発表した。(イメージ写真提供:123RF)
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2021-05-14 23:15