【為替本日の注目点】NY株大幅続伸

 ドル円は109円台前半から半ばで小動き。米長期金利が低下したことにより、ドル売りが優勢となったものの動意は乏しく、109円20銭前後にとどまる。  ユーロドルは前日よりも上昇し、1.21台半ばまで買われる。ユーロ円は132円台後半と、ユーロ高が続く。  株式市場は大幅に続伸。経済指標が低調だったことで長期金利が低下し、ハイテク株を中心に買われた。債券相場は続伸。長期金利は1.62%台に低下。金は続伸。原油は大幅に反発。 4月鉱工業生産               →  0.7% 4月設備稼働率               →  74.9% 4月小売売上高               →  0.0% 4月輸入物価指数              →  0.7% 3月企業在庫                →  0.3% 5月ミシガン大学消費者マインド(速報値)  →  82.8 ドル/円    109.20  ~ 109.45 ユーロ/ドル  1.2118  ~ 1.2147 ユーロ/円   132.39  ~ 132.84 NYダウ    +360.68 → 34,382.13ドル GOLD    +19.43  → 1,843.43ドル WTI     +1.55   → 65.37ドル 米10年国債  -0.029  → 1.628% 本日の注目イベント 中  4月小売売上高 中  4月鉱工業生産 米  5月NY連銀製造景況業指数 米  5月NAHB住宅市場指数 米  ボスティック・アトランタ連銀総裁、クラリダFRB副議長らがオンラインイベントに参加 加  4月住宅着工件数  経済指標の「悪材料」は、株式市場にとっては「好材料」のようです。  5月のミシガン大学消費者マインド(速報値)は市場予想の「90.0」に対して「82.8」と大きく下振れしていました。経済指標の下振れはFRBの緩和政策の長期化が連想され、株式市場にとっては「好材料」となり株価は上昇しています。  一方、ドル円にとってはドル安材料となり、ドルが売られましたが、先週末のNY市場では大きな値動きは見られず、ドルの下落も限定的でした。5月のミシガン大学消費者マインドでは、1年先のインフレ期待値が「4.6%」と10年ぶりの高水準で、消費者が今後予想される物価上昇に強い懸念を持っていることが数値の下振れにつながったようです。  先週前半はCPIなどが予想を大きく上回り、インフレ懸念の高まりから米長期金利が急上昇し、株価は大きく売られました。4月の雇用統計でもそうでしたが、雇用者数が市場予想を大きく下回り、景気回復が進み企業収益の拡大は見込めるものの、人手不足で賃金が上昇している状況が続いていると見られます。  筆者も含めて、FRBは年内に金融政策の変更を示唆するテーパリングを開始するとする、市場関係者の予想がコンセンサスになりつつありますが、そのカギを握るのは「労働市場の動向」です。4月の雇用統計で見られたような結果が続くようだと、テーパリングの年内開始といったシナリオも修正を迫られる可能性が出て来ます。  イスラエルとパレスチナ自治区ガザの紛争が新たな懸念材料になるかもしれません。今のところ「地域紛争」にとどまっていますがが、今後米国を巻き込むような状況になると、紛争が中東全体にも広がり原油価格にも影響する懸念があります。  16日、イスラエルはガザ地区を空爆し、ビル3棟を破壊。この日だけで42人が殺害されたとAP通信が報じています。バイデン大統領はイスラエルのネタニヤフ首相との電話会談で「重大な懸念」を伝えましたが、これまでのイスラエルの攻撃に対しては「過剰な攻撃とは思わない」とコメントし、イスラエルの自治権を擁護する発言を行うなど、明らかにイスラエル寄りの姿勢を見せています。米国の「信認」を得たことで、ネタニヤフ首相は攻撃継続を示唆しています。  ドル円は109円台半ばをやや下回る水準で大きな動きはありませんが、今朝もクロス円全般が上昇しています。  ユーロ円は132円台後半まで上昇し、ポンド円も154円台前半、さらに豪ドル円も再び85円台に乗せています。  コロナワクチン接種の進捗状況の差が大きく影響しているのではないかと思われますが、政府は本日から東京と大阪で大規模接種の予約を開始します。週末のニュースでは、感染が確認されながら入院できずに自宅待機している人の数が3万5千人を超えていることに驚きましたが、自宅で亡くなる人の数は急激に増えています。今日からの大規模接種が1日も早く効果を発揮してくれればと願っています。  本日のドル円は109円~109円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は109円台前半から半ばで小動き。米長期金利が低下したことにより、ドル売りが優勢となったものの動意は乏しく、109円20銭前後にとどまる。
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2021-05-17 09:45