【為替本日の注目点】5月のNY連銀製造業指数やや低下

ドル円は109円台前半を中心に小動き。値幅もわずか18銭程度と、材料不足に動かず。ユーロドルも1.21台半ばを軸に値動きは閑散。株式市場は反落。エネルギー株が買われたものの、ハイテク株は下落。ダウは54ドル安。債券価格は小幅に下落。長期金利は1.64%台に上昇。金は大幅に上昇。原油も続伸。 5月NY連銀製造景況業指数     →  24.3     5月NAHB住宅市場指数      →  83 ドル/円  109.10  ~ 109.28 ユーロ/ドル 1.2135 ~ 1.2161 ユーロ/円  132.54 ~ 132.78 NYダウ -54.34  → 34,327.79ドル GOLD +29.50 → 1,867.60ドル WTI +0.90 → 66.27ドル 米10年国債  +0.020 → 1.649% 【本日の注目イベント】 豪   RBA、金融政策会合議事要旨公表 日   1-3月GDP(速報値) 英   英4月失業率 欧   3月貿易収支 欧   1-3月GDP(改定値) 米   4月住宅着工件数 米   4月建設許可件数 米   カプラン・ダラス連銀総裁、オンラインイベントに参加 米   ボスティック・アトランタ連銀総裁、オンラインイベントに参加  市場はやや材料不足のためか、目立った動きはありません。インフレ懸念が根強く残る中、市場はFRBの次のメッセージや動きに関心を寄せていますが、今月はFOMCの開催はなく、次回は6月15-16日です。それまではFOMCメンバーの発言を注意深く分析するしかありませんが、昨日はクラリダ・FRB副議長の講演がありました。  クラリダ副議長は債券購入縮小の開始時期に関するガイダンスに言及し、「4月の雇用統計を踏まえると、一段と顕著な進展を遂げていない」と述べ、年末に向けて政策当局者はデータを検証するとし、「こうした購入ペースの減速を見込む前に、必ず事前に通知する」と述べ、先のパウエル議長と同様に、テーパリング開始時には何らかの方法で市場にメッセージを送ることを強調していました。また今年のFOMCでの投票権を有する、ボスティック・アトランタ連銀総裁はCNBCのインタビューで、「雇用者はパンデミック前をなお800万人下回っている。この差を埋めると言う点で顕著な進展を遂げるまで、われわれの政策は極めて強力に緩和的な状態ないし、スタンスを維持する必要がある」と語っています。そのうえで、今後の政策については、「複数のシナリオを常に考えている。現在の政策スタンスに長くとどまり過ぎているだろうか。現時点ではそうした状況にあるとは私は見ていない。行動を起こす必要があるとはあまり考えていない」と説明し、「今後も予断を持たずに注意深く見守っていく。だが今は動くことを検討する時期ではない」と述べています。(ブルームバーグ)いずれの発言も、現時点ではテーパリングを検討するタイミングではないことを強調していますが、一方で、遠くない将来テーパリングに関する議論を開始することを匂わしているような印象です。物価上昇の足音が着実に押し寄せている状況下で、このところ発信される一連の発言は、政策変更始まりへの「小さな第一歩」であると受け止めています。  イスラエルとパレスチナの交戦を巡り国連安保理では、米国がイスラエル寄りの姿勢を見せていることから、安保理として停戦を呼び掛ける声明を出せていません。このことについて中国は、「残念ながらある国の反対で安保理全体としての声明を発表できてない」と米国を念頭に批判するなど、国連機関としての安保理の無力ぶりが目立っていますが、バイデン大統領は17日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談を行い、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルによる停戦を支持すると伝えました。ブルームバーグは「戦闘を終わらせるための米国のステップとしては、これまでで最も大きく踏み込んだものになった」と論評しています。パレスチナではすでに子供50人以上を含む200人以上もの犠牲者が出ています。こうした事態に個人的には失望感を拭えず、このままでは「トランプ政権」と変わらないのではないかと危惧していましたが、ようやく世界の目を意識し、戦闘によるこれ以上の被害の拡大に配慮した格好になりました。イスラエルは17日早朝にも、テロリストのインフラと武器保管拠点を攻撃したと説明しています。  本日も突発的なニュースでもない限り109円台での膠着が続きそうです。ややドルが売られ易い展開が予想されることから、本日のレンジは若干下方目線で、108円70銭~109円50銭程度と見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は109円台前半を中心に小動き。値幅もわずか18銭程度と、材料不足に動かず。ユーロドルも1.21台半ばを軸に値動きは閑散。株式市場は反落。エネルギー株が買われたものの、(イメージ写真提供:123RF)
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2021-05-18 10:30