【為替本日の注目点】米5月のPMI過去最高を記録

 ドル円は5月のPMIが過去最高だったことで買われたが109円前後で上値が抑えられた。米長期金利も小動きで、材料不足から動意に乏しい。  ユーロドルは朝方に売られ、1.2161までユーロ安に。その後は反発するも動きは緩慢。株式市場はまちまちの展開。ダウは123ドル上昇し、ナスダックとS&P500指数は下落。債券相場は動きもなく、長期金利はほぼ横ばい。金は反落し、原油は大幅に反発。 4月中古住宅販売件数         →  585万件 5月マークイット製造業PMI     →  61.5 5月マークイットサービス業PMI   →  70.1 5月マークイットコンポジットPMI  →  68.1 ドル/円     108.68  ~ 109.01 ユーロ/ドル   1.2161  ~ 1.2210 ユーロ/円    132.51  ~ 132.84 NYダウ    +123.69  → 34,207.84ドル GOLD    -3.00    → 1,878.90ドル WTI     +1.53    → 63.58ドル  米10年国債  -0.003   → 1.622% 【本日の注目イベント】 トルコ トルコ4月消費者物価指数 米   ブレイナード・FRB理事講演 米   メスター・クリーブランド連銀総裁、パネル討論に参加 米   ボスティック・アトランタ連銀総裁講演(オンライン) 米   ジョージ・カンザスシティー連銀総裁講演  バイデン大統領は、当初計画していたインフラ投資の規模(2兆5000億ドル)を約4分の1縮小し、1兆7000億ドル(約185兆円)にすることを提案しました。  新たな提案は21日午後の電話会談で共和党の上院議員に提示されましたが、共和党が支持できると示唆していた水準を依然として上回っています。ホワイトハウスのサキ報道官は、削減された項目の多くについて、「政権が他の法案を通じて引き続き実現を目指す方針だ」と説明しています。(ブルームバーグ)  5月のIHSマークイットPMIは、コンポジットで「68.1」と、データがさかのぼれる2009年以降で最高となりました。同指数は「50」を上回ると経済活動の拡大傾向を示しますが、今回のコンポジットの上昇は主にサービス業がけん引しています。IHSマークイットのエコノミストは発表文で、「企業が見通しに楽観的で、受注残が急速に拡大し、国内と輸出先の市場で需要が引き続き加速していることから、力強い経済成長は夏を通じて続くはず」と指摘し、「財とサービスの両方で平均販売価格が前例のないペースで上昇しており、今後数カ月の消費者物価上昇につながるだろう」と述べています。  今月12日発表された4月のCPIでは、市場予想を大きく上回り、12年7カ月ぶりとなる「4.2%」の上昇でした。大規模な景気支援策やコロナワクチンの普及で、米景気は急速に回復基調を強めており、それに伴い物価上昇圧力も高まっています。今週金曜日には4月のPCEデフレータが発表されます。FRBは金融政策判断の指標として、CPIよりも同指標を重要視していると言われており、今回の指標発表はこれまで以上に注目されます。  今回の結果が予想を上回るようだと、再びFRBによるテーパリング開始が意識され、株と債券が売られ、金利上昇からドルが買われる可能性が高まります。  公開された4月のFOMC議事録でも、一部の委員は「テーパリング開始時期について協議することが適切だ」と述べていたことが明らかになっています。  サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は、足元のインフレ圧力は2022年初めにも緩和する可能性が高いとの見方を示しながらも、テーパリング開始時期の議論については、「FOMCの議論を先取りしたくない」とし、「それについては議長から最初に見解を聞くことになるだろう」とブルームバーグとのインタビューで述べ、自身の考えは封印していました。為替も金利も明確な方向性が出ない中、今後の方向を決める最大のカギはFRBによる「テーパリング開始のタイミング」であると言っても過言ではありません。 ビットコインの乱高下が続いています。先週一時30%を超える下げを見せた後、3万8000ドルを回復したビットコインはNY時間23日午前には3万3178ドルまで再び下げています。もともと投機性が極めて高いビットコインでしたが、30日間のインプライドボラティリティー(IV,予想変動率)は、約「100」で、これは恐怖指数と呼ばれる米株式市場の「VIX指数」の7倍を超えており、極めて荒っぽい動きをする「材木先物」などを上回っているようです。まさに「一か八か」、「半か丁か」の世界に近いような状況になっています。  本日のドル円は108円50銭~109円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は5月のPMIが過去最高だったことで買われたが109円前後で上値が抑えられた。米長期金利も小動きで、材料不足から
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2021-05-24 09:30