【為替本日の注目点】ユーロ円続伸し133円台半ばへ

ドル円は朝方109円台に乗せたが勢いはなく、その後じり安に。ユーロ円などの買いに円を売る動きが強まった影響がドル円にも波及し、109円07銭の高値を付ける。
ユーロドルはIFO景況指数が予想を上回ったことを受け続伸。一時は1月11日以来となる1.2266までユーロ高が進む。
株式市場は揃って反落。ダウは4日ぶりに下げ81ドル安。他の2指数は小幅安にとどまる。
債券は続伸。長期金利は1.6%台を大きく割り込み1.55%台まで低下。
金は続伸し1月以来となる1900ドルに接近。原油は小幅ながら続伸。
3月ケース・シラ-住宅価格指数 → 13.27%
3月NAHB住宅市場指数 → 1.4%
4月新築住宅販売件数 → 86.3万件
5月消費者信頼感指数 → 117.2
5月リッチモンド連銀製造景況業指数 → 18
ドル/円 108.71 ~ 109.07
ユーロ/ドル 1.2226 ~ 1.2266
ユーロ/円 133.17 ~ 133.61
NYダウ -181.52 → 34,312.46ドル
GOLD +13.50 → 1,898.00ドル
WTI +0.02 → 66.07ドル
米10年国債 -0.042 → 1.559%
本日の注目イベント
日 3月景気先行指数(CI)(改定値)
米 大手米銀CEO、上院銀行委公聴会で証言
米 クオールズ・FRB副議長講演
米長期金利が約2週間ぶりに1.55%台まで低下してきました。その割にはドル円は堅調で大きく下落するに至っていません。
ユーロドルではドル安が進み、1月11日以来となる1.2266前後までユーロが買われましたが、円がユーロに対して売られた影響から、ドル円の下げも限定的になっていると考えられます。
市場全体を見まわしても、原油は66ドル台、金(きん)は1900ドルに迫る水準まで買われ、ドルとの相関を考えると「ドル安」が進行していると見られます。特にこのところ金はじり高が続いており、昨日のNY商品取引所では金先物8月限が1900ドル台に乗せて取引を終えています。
また足元の原油高はコロナワクチンの普及が進み、世界経済が回復することを織り込んでいる動きと捉えられます。結局、ドルがジリジリと売られる中、円も売られているという状況が続いており、「ドル安・円安」の様相だということです。
3月のケース・シラー住宅価格指数(全米ベース)が2005年以来の高い伸びを示し、米主要都市では依然として住宅価格の上昇が続いていることが窺えます。20都市住宅価格指数は前年同月比で「13.3%」と、2013年12月以来となる上昇で、特にフェニックス(アリゾナ州)20%、サンディエゴ(カリフォルニア州)19.1%、シアトル(ワシントン州)18.3%で大きく上昇しています。
最も上昇率の低シカゴ(イリノイ州)でも9.0%の上昇を記録しており、低金利と資産効果の影響が大きいと考えられます。さらに足元ではインフレ率が上昇しており、今後政策変更の可能性が高まるにつれ、住宅ローン金利の上昇も予想されることから、住宅購入を急ぐ人が出て来るものと思われ、物件が不足する事態も想定されます。
「新型コロナウイルス流行をきっかけに潜在的な買い手が都市部のアパートから郊外の住宅に転居したいという仮説と、こうしたデータは整合的だ」と指摘し、「こうした需要は、今後数年かけて起こる需要を先取りした可能性がある」と、ブルームバーグは関係者の話として紹介しています。同時に発表された4月の新築住宅販売件数は前月比5.9%の減少でした。これは、住宅価格の高騰が需要を抑制した可能性もあり、住宅価格が高くなり過ぎたため、手が出ないといった状況かもしれません。
FRBのクラリダ副議長はヤフーファイナンスのインタビューで、今後数回のFOMC会合で、債券購入を縮小する適切な時期について議論を始めることができるかもしれないと語り、FRBの幹部で投票権を持つ人物としては、初めてテーパリング開始時期に一歩踏み込んだ発言をしたと受け止められます。
クラリダ氏は、「今後入ってくるデータ次第になると思う」と述べながらも、「恐らく、今後数回の会合で資産購入ペースの縮小について議論を開始できる状況になるだろう」と発言しました。市場の一部には来月の会合での議論開始もあり得るとの見方がありますが、個人的には早くて9月、可能性の高いのは11月と予想していますが、クラリダ氏の「今後数回の会合」といった発言で、その可能性がさらに高まってきたのではないかと認識しています。
ただ一方、昨日行われた日銀金融研究所主催のコンファレンスで、シカゴ連銀のエバンス総裁は、「金融政策の緩和的なスタンスへの私の全面的な支持、あるいは政策の道筋に関するフォワードガイダンスを変更するほど説得力ある状況は、まだ何も見当たらない」と述べ、テーパリングには慎重な姿勢を見せていました。エバンス総裁も今年のFOMCでの投票権を持っています。
上述のように、ドル安がやや進んでいる状況でドルの上値が重くはなっていますが、円が積極的に買われる状況でもありません。次のインパクトのある材料待ちといった状況です。
本日のドル円は108円30銭~109円10銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は朝方109円台に乗せたが勢いはなく、その後じり安に。ユーロ円などの買いに円を売る動きが強まった影響がドル円にも波及し、109円07銭の
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2021-05-26 10:15