【為替本日の注目点】ドル円110円台に乗せた後反落

ドル円はインフレ指標の発表に110円台を回復し、110円20銭まで続伸。ただその後は米長期金利低下に伴いドル売りが勝り、109円74銭まで下落。
ユーロドルは朝方の1.21台前半から上昇。1.2205まで買い戻される。 株式市場は小幅ながら3指数が揃って上昇。ダウは64ドル高と、3日続伸。
債券相場は反発。長期金利は1.59%台に低下して越週。金は買われ、原油は反落。
4月個人所得 → -13.1%
4月個人支出 → 0.5%
4月PCEコアデフレータ → 3.1%
5月シカゴ購買部協会景気指数 → 75.1
5月ミシガン大学消費者マインド(確報値) → 82.9
ドル/円 109.74 ~ 110.20
ユーロ/ドル 1.2133 ~ 1.2205
ユーロ/円 133.61 ~ 134.00
NYダウ +64.81 → 34,529.45ドル
GOLD +6.80 → 1,905.30ドル
WTI -0.53 → 66.32ドル
米10年国債 -0.012 → 1.594%
【本日の注目イベント】
日 4月鉱工業生産
中 5月中国製造業PMI
中 5月中国サービス業PMI
独 独5月消費者物価指数(速報値)
欧 ユーロ圏4月マネーサプライ
欧 OECD経済見通し
英 LDN休場(バンクホリデー)
米 NY休場(メモリアルデー)
加 カナダ1-3月期経常収支
ドル円は先週末のNY市場で、4月6日以来となる110円台を回復し、110円20銭まで続伸しましたが、先週末の本コメントでも懸念したように、110円台での「滞空時間」は短く、110円台ではやはりドル売り意欲も旺盛だったようです。NYの朝方発表されたインフレ関連の経済指標は大幅に上昇しており、さらに消費者マインドなど、景気の先行きを示す経済指標も軒並み「記録的な」結果だったことから米長期金利は1.62%台まで上昇する場面もありましたが、結局前日よりも水準を下げており、この動きに伴ってドル円も109円75銭前後まで押し戻されています。
米長期金利が思いのほか下落圧力の強いことにやや驚きでしたが、ドル円はひとまず110円台を見たことで、「達成感」が出てジリジリと下げる展開になるかどうか、新たな懸念として意識されるかもしれません。
米4月の個人消費支出は前月比「0.5%」、3月分は「4.7%」に上方修正され、昨年6月以来となる大きな伸びでした。
一方、個人所得の方は前月比「13.1%減」と大きく減少していましたが、これは3月には経済支援策が実施され、個人にも現金給付があったことの反動と捉えられています。
FRBが注目するPCEデフレータは前月比で「0.6%」と、市場予想と一致していました。またコア指数は前年同期比で「3.1%」上昇しており、1992年7月以来の高水準でした。全体としては予想と一致か、予想をやや上回ったものの、市場の一部ではインフレ懸念を後退させ、債券と株が買われ、金利の低下に伴ってドルが売られる展開でした。
米国では本日「メモリアル・デー」のため休日となり、連休前28日には約200万人が米国の空港の保安検査を通過したと報じられています。
米国ではコロナワクチン接種が進み、週ごとの新規感染者数は4月末時点に比べ半分以下に減り、ほぼ1年で最低となっています。
一部のスポーツ競技場に新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来の多くの観衆が集まったようです。
一方、中国の広州市は一部に外出禁止令を出し、マレーシアは2週間の全国的なロックダウン措置を導入すると発表。また南アフリカのラマポーザ大統領は夜間外出禁止の時間帯を1時間延ばすとともに、公共の場で集まれる人数に関する制限措置を強化しています。
ケニアは夜間外出禁止令を60日延長した。(ブルームバーグ)と伝えられ、結局ワクチン接種の進み具合の差がそのまま反映されている状況です。
日本も大規模接種会場の運営も軌道にのりつつあるようで、感染者数も再び減少傾向にある状況です。もちろん、まだ予断は禁物ですが、今週さらに減少傾向が見られるようなら、「第4波」も峠を越えたのかもしれないと考えるはまだ早いのでしょうか?
ドル円は110円台を見せたものの直ぐに押し戻され、引き続き底堅いものの、上値の突破もそう簡単ではないことが確認できた格好です。しばらく「110円定着を目指しては失敗を繰り返す」展開を予想しています。
本日のドル円は109円50銭~110円30銭程度といったところでしょうか。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円はインフレ指標の発表に110円台を回復し、110円20銭まで続伸。ただその後は米長期金利低下に伴いドル売りが勝り、
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2021-05-31 09:45