【為替本日の注目点】ドル円109円台前半まで反落

欧米の主要市場が休場だったことから小動きの中、ドル円はじり安となり109円36銭まで下落。ユーロドルはじり高となり、1.2232前後まで上昇。独5月のCPIが予想を上回る上昇を見せ、金利高からユーロが買われた。 ドル/円  109.36  ~ 109.75 ユーロ/ドル 1.2185 ~ 1.2232 ユーロ/円  133.66 ~ 133.95 NYダウ  ------  → 34,529.45ドル GOLD ------ → 1,905.30ドル WTI  ------ → 66.32ドル  米10年国債   ------ → 1.594% 【本日の注目イベント】 豪   豪1-3月期経常収支 豪   豪4月住宅建設許可件数 豪   RBA、キャッシュターゲット 中   5月財新製造業PMI 独   独5月製造業PMI(改定値) 独   独5月雇用統計 欧   ユーロ圏5月製造業PMI(改定値) 欧   ユーロ圏4月失業率 欧   ユーロ圏5月消費者物価指数(速報値) 英   ベイリー・BOE総裁講演 米   5月ISM製造業景況指数 米   5月マークイット製造業PMI(改定値) 米   ブレイナード・FRB理事講演(オンライン) 米   クオールズ・FRB副議長、ライブイベントでインタビュー 加   カナダ1-3月期GDP  NYとLDN市場が休場の中、薄商いの中ドル円は終始じり安が続き、109円36銭までドルが売られています。予想外にドルが売られた格好でしたが、ドイツやフランスでは株式が売られ、金利が上昇したことが影響したと思われます。ドイツの5月CPIは「2.4%」と、2018年10月以来の高水準でした。ロックダウンが緩和され、レストランや店舗、文化施設に課してきた制限が解除されたことが物価上昇につながり、ドイツ連邦銀行(ブンデスバンク)は同国のインフレ率が年内に4%に達する可能性があると指摘しています。ドイツ連銀の指摘通りに物価が上昇するようだと、ECBのテーパリング開始時期にも影響を与えることになります。ドイツ連銀は「インフレ・ファイター」として知られ、インフレに対する警戒感は他の中銀に比べ非常に強いものを持っています。かつて、超高インフレで苦しんだ経験が「インフレ・ファイタ-」の土台になっていると言われ、ドイツのCPIが4%に達するようだと、ECBに対しても利上げ圧力を強める可能性があります。  ECBの政策委員会のメンバーであるクノット・オランダ中銀総裁はイベントで、物価上昇が一時的かどうかは「賃金に左右される」と指摘し、「この一時的な物価上昇が二次的な影響や賃金の大幅な上昇圧力につながる可能性を示す兆候を、私は現時点では見ていない」と述べ、インフレの持続的な上昇には否定的な見方を示しています。その理由として、「ユーロ圏の労働市場には依然かなりのスラック(たるみ)がある」と指摘し、一方で「多くの資産インフレが観測されている」とも語っています。(ブルームバーグ)  経済協力開発機構(OECD)は世界経済見通しを発表し、新型コロナウイルスのパンデミックからの回復が力強さを増し、多くの国が3月時点の見通しより引き上げられましたが、日本は引き下げられています。世界全体の成長率は3月時点よりも2%引き上げられ「5.8%」に上方修正されています。米国は「6.9%」、中国は「8.5%」、さらにユーロ圏も「4.3%」と、0.4~0.7%上方修正されましたが、日本については「2.6%」と、0.1%引き下げています。米国ではワクチン接種が進み、バイデン政権の経済対策で個人消費が回復していることが理由として挙げられ、中国は新型コロナのまん延を抑え、企業活動も堅調に推移すると予測されています。一方日本については、輸出の回復は続くものの、ワクチン接種の遅れや潜在的な成長率の低さが指摘されています。(日経新聞)  この欄でも何度か触れましたが、新型コロナウイルス感染はインドだけではなく、東南アジア全体に広がってきた感があります。特にマレーシアでは感染者が急増し、新規感染者数は29日には9020人と、過去最多を記録しています。人口100万人あたりの新規感染者数は200人を超え、インドを上回っています。今朝の報道では、この影響からトヨタとホンダが生産工場を停止することを発表しています。先週からは「インド株」に替わる「ベトナム株」も確認されており、感染力もさらに強力に進化しているようです。コロナとの闘いはまだまだ続きそうです。 本日のドル円は109円10銭~109円90銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
欧米の主要市場が休場だったことから小動きの中、ドル円はじり安となり109円36銭まで下落。ユーロドルはじり高となり、1.2232前後まで上昇。(イメージ写真提供:123RF)
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2021-06-01 09:15