【為替本日の注目点】ドル円反落するも110円台は維持

 東京時間には110円83銭まで買われたドル円は反落。米長期金利が一時1.5%を割り込む場面があり、110円17銭までドル安が進む。  ユーロドルは続落。4月中旬以来となる1.19割れとなり、1.1890まで売られる。対円でも1カ月半ぶりに131円前後まで下落。  株式市場はまちまちとなり明暗を分ける。ダウは銀行株が下落をけん引する形で4日続落。一方ナスダックは金利低下を受けザラ場では最高値を更新する場面もあったが、引け値では更新できず。  債券は反発。前日大きく売られた債券は買われ、長期金利は1.50%台に。金は大幅に売られ5日続落。1800ドル台を割り込む。原油も大きく売られ71ドル前後に。 新規失業保険申請件数       → 41.2万件 6月フィラデルフィア連銀景況指数 → 30.7 5月景気先行指標総合指数     → 1.3% ドル/円     110.17  ~ 110.69 ユーロ/ドル   1.1890  ~ 1.1951 ユーロ/円    131.02  ~ 132.15 NYダウ     -210.22 → 33,823.45ドル GOLD     -86.60  → 1,774.80ドル WTI      -1.11   → 71.04ドル 米10年国債   -0.071  → 1.504% 【本日の注目イベント】 日  5月消費者物価指数 日  日銀金融政策決定会合 日  黒田日銀総裁記者会見 独  独5月生産者物価指数 独  独5月小売売上高 欧  ユーロ圏4月経常収支  前日のFOMCでFRBは政策金利引き上げを前倒しにし、2023年末までには少なくとも1回利上げすることを決めました。市場ではFRBの思った以上の「タカ派的」な見通しに株と債券が大きく売られ、金利上昇を好感しドルが買われ、ドル円は110円台後半まで急伸しました。その流れは昨日の朝方の東京市場にも伝播し、午前中には110円83銭までドル高が進んでいます。ただ地球が1回転して帰ってきた昨日のNYではその熱も冷めたのか、一転して巻き戻しが起きました。長期金利は1.5%を割り込む水準まで債券が買われ、ハイテク銘柄の多いナスダックはザラ場で最高値を更新する局面もありました。  ただ、各市場の動きはまちまちで、ダウは一時300ドルを超える下げで4日続落。目立ったのが金(きん)です。一時は90ドル(5.05%)を超える下げを見せました。今後確実に金利が上昇していくとすれば、「定石的には」株と債券と金が売られ、ドルと原油が買われるはずですが、昨日の動きは良くわからない展開でした。  バイデン大統領は,スイスのジュネーブでロシアのプーチン大統領と,大統領就任後初となる会談を行い、ある程度の成果があったと見られますが、今度は中国の習近平国家との会談も計画しているようです。  ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官は「会談の時期や形式についてはまだ何も決まっていない」と述べていましたが、「G20」会合を利用するのか、あるいは独自の方法で行うのか今後詰められるようです。米国とロシアの関係が「最悪」である以上に、対中国との関係は悪化しており、解決しなければならない問題は「人権」や「サイバー攻撃」だけには留まりません。米ロ会談と同様に、トップ同士が会って直接話し合うことで、何か解決の糸口が見つかる可能性があります。  その中国では、米国による制裁の克服に向けて国内半導体メーカーを支援する施策を巡り、習近平国家主席は、最側近の1人である劉鶴副首相を責任者に充てる人事を発表しています。トランプ前政権が発動した制裁によりファーウェイなど、中国のハイテク企業は大きな影響を受けており、「脱米国」を目指し、最先端の技術で米国を凌駕することへの布石とも言えます。  昨日発表された新規失業保険申請件数は、4月後半以降で初めて増加していました。前週比3万7000件増えて、41万2000件と、市場予想を上回っています。  特にペンシルベニア州、カリフォルニア州、ケンタッキー州で大幅に増加しており、詳しい要因は分かっていません。一方、ミシガンとアラバマの両州では大幅に減少しています。今後の見通しについては、「経済再開に伴って労働市場が改善する中、一時的な増加に留まる公算が大きい」(ブルームバーグ)との見方が優勢のようです。  ドル円は「110円台を維持できるのかどうか」が引き続き焦点です。  今回は110円台後半まで上昇したこともあり、このままずるずると109円台に突入するようだと、「やっぱり110円台は重い」といったイメージが拡大し、今後のドル高を抑制することにもつながります。  ただ、FRBの政策スタンンスが明らかになっており、今後金利が緩やかに上昇するとすれば、ドル高が進む公算が高いでしょう。  本日のドル円は110円~110円70銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
東京時間には110円83銭まで買われたドル円は反落。米長期金利が一時1.5%を割り込む場面があり、110円17銭までドル安が進む
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2021-06-18 09:45