ゼットン、ビアガーデンとハワイアン中心に史上最大の新規出店計画
ゼットン <3057> は2014年4月22日、東京・日本橋の東海東京証券でアナリスト向けの決算説明会を開催した。同社代表取締役社長の稲本健一氏は、「15年2月期はビアガーデンやハワイアンレストラン『アロハテーブル』など夏業態の店舗を集中出店する。出店コストが増すため、売上が増大することと比較して利益の伸びは抑えられるが、翌期には出店を絞って利益の拡大を狙いたい」と当面の事業戦略を語った。同社は、4月14日に2014年2月期決算を発表している。
同社は、2015年2月期にビアガーデン事業で12店舗、アロハテーブル事業で6店舗を新規に出店する。創業以来で最大数の新規出店を計画している。この出店攻勢の背景は、「鉄骨の値上がりや工事の人手不足などによって建築コストが高騰する環境において、投資コストが少なく収益性が高いビアガーデンには、屋上ビアガーデンを展開する百貨店から出店依頼が増えている。また、ヘルシー志向の高まりによってハワイアンチェーンの既存店売上高が好調なため」(稲本氏)という。
さらに、店舗建設工事の人手不足、また、建設資材の高騰は構造的な要因で、容易には解消しないと考えているという。「消費増税の影響は、既存店の売り上げには響いていないが、仕入れコストの上昇になっている。また、増税前に駆け込み的な工事需要があったため、工事の遅れや店舗の工事価格の高騰に跳ね返っている」という。そのため、店舗の新設コストが小さなビアガーデン事業を集中的に伸ばす。
2014年2月期の売上高84億3900万円に占める割合は、アロハテーブル事業が31.9%、ビアガーデン事業は11.0%。この2事業は5年前は全売上高の20%弱を占めるに過ぎなかったが、前期実績では約43%を占めるまでに拡大してきた。これは、同社が展開するフレンチやイタリアンなど他の業態での飲食事業の利益率が最大で11-12%のところ、ハワイアン事業は同15-16%、ビアガーデン事業では24-25%と高く、「より利益率の高い事業に集中するため、意識的にハワイアンとビアガーデンの比重を高めてきた」(稲本氏)ことによる。ハワイアン事業は同社の成長ドライバーとして積極的に拡大する方針で、2015年2月期末計画32店舗を、50店舗にまで拡大する。
なお、2015年2月期の通期業績予想は、売上高94億円(前年同期比11.4%増)、経常利益3億42百万円(同0.1%増)、当期純利益1億7千万円(同18.9%増)。(編集担当:徳永浩)
ゼットン代表取締役社長の稲本健一氏は、「15年2月期はビアガーデンやハワイアンレストラン『アロハテーブル』など夏業態の店舗を集中出店する」と当面の事業戦略を語った。
2014-04-23 14:30