【香港IPO事情】復調する香港IPO、テスラキラーのXpengは7月7日に登場

香港証券取引所の新規上場市場が復調してきた。今年は3月になってから上場市場が低迷し、初値が公募価格を下回る事例が続出。3月15日に新規上場を予定していた森松国際(02155)は上場を延期することになった。その後も上場人気は回復せず、4月の新規上場銘柄数は3本、5月も4本にとどまった。6月は7本にまで回復したが、上場時の初値の低迷は払しょくされていない。しかし、7月上場予定銘柄数は、6月28日現在で既に8本を数え、7月7日からは4営業日連続で上場予定がスケジュールされている。7日には、米テスラを脅かすEVメーカーになるとの期待のあるXpeng Motors(小鵬汽車)の上場も予定されている。
香港の新規上場市場は、3月に11本が新規上場されたものの、うち8本の初値が公募価格割れと低迷し、その後、新規上場銘柄数が絞られた状態で細々と続いている状況にある。6月になっても、16日上場の時代天使(6699)こそ、公募価格を2倍以上上回る初値をつけるほど人気を集めたものの、その後上場した科済薬業(2171)、優然牧業(9858)は、公募価格を10%以上下回る初値をつけてしまった。
7月に予定されている新規上場銘柄数8本は、既に2月の7本を上回る。今年の最高は1月の14本になるが、その更新も期待できる勢いがある。ただ、今後の上場予定については、これから上場される新規上場銘柄の新株募集状況や初値の動向等によって左右されることになるだろう。
現在、予定が明らかな新規上場銘柄の中では、7日に上場が予定される小鵬汽車(9868)に注目が高まる。同社は「LiDAR(Light Detection and Ranging:光による検出と測距)」センサーを搭載した量産型EVモデルP5を発表し、今下期から納車を開始するする計画だ。テスラのイーロン・マスクCEOが「LiDARに依存する企業は破滅する」として、テスラ車からレーダーを撤去する考えであることに対し、小鵬汽車はLiDARを搭載した自動運転車の完成にまい進している。「Navigation Guided Pilot(NGP)」と名付けられた同社の自動運転システムは、2~4年後にシステムが主でドライバーが従の関係になる自動運転レベル4を実現することが可能とされている。
小鵬汽車の公募株数は8500万株、公募価格は1株あたり180香港ドル以下で決定される。条件決定は7月6日。同社は2020年にNYSEに上場している(ティッカー:XPEV)。同様の米国と香港での重複上場を同じくEVメーカーである上海蔚来汽車(NIO:NYSEに上場)、理想汽車(リ・オート:NASDAQに上場)も計画しているという。初値の行方が注目される。(イメージ写真提供:123RF)
香港証券取引所の新規上場市場が復調してきた。今年は3月になってから上場市場が低迷し、初値が公募価格を下回る事例が続出。3月15日に新規上場を予定していた森松国際(02155)は上場を延期することになった。(イメージ写真提供:123RF)
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2021-06-28 13:45