【為替本日の注目点】米主要株価指数再び最高値を更新

 ドル円は小動きの中、堅調に推移し110円台半ばまで上昇。主要株価指数が揃って最高値を更新したことでリスクオンが広がる。  ユーロドルは終始1.17台で推移。1.1755まで売られたが、1.17割れをテストする流れにはつながらず。  株式市場は3指数が揃って最高値を更新。ダウは238ドル上昇し、引け値で初の3万5000ドルの大台に乗せる。  債券小動き。長期金利は小幅に低下し1.27%台で推移。  金は反落し、原油は4日続伸。 7月マークイット製造業PMI    →  63.1 7月マークイットサービス業PMI  →  59.8 7月マークイットコンポジットPMI →  59.7 ドル/円     110.39   ~  110.59 ユーロ/ドル   1.1755   ~  1.1781 ユーロ/円    129.86   ~  130.17 NYダウ     +238.20  →  35,061.55ドル GOLD     -3.60    →  1,801.80ドル WTI      +0.16    →  72.07ドル 米10年国債   -0.002   →  1.276% 【本日の注目イベント】 独  7月ifo景況感指数 米  6月新築住宅販売件数 中  米国務副長官、中国外相と会談(中国、天津) 米  企業決算 → ロッキード、テスラ  NY株の反発には目を見張るものがあります。  1週間前には2日で1000ドルを超える下げを見せ、一部には「米景気ピークアウト論」が盛んに議論され、同議論を正当化するように、米長期金利も低下傾向を鮮明にしました。先週20日には米長期金利は節目の1.5%を大きく割り込み、一時は1.126%近辺まで急低下しています。  そのような動きも拘わらず、日本がオリンピック開催に伴う連休の間に急反転し、ダウは引け値で初となる3万5000ドルの大台に乗せました。  ドル円もリスクオンの流れから110円59銭までドル高が進み、約10日ぶりのドル高水準です。長期金利の動きを見ると、依然として低水準で推移しており、やや金利離れと言えます。株価の上昇がリスクオンを促し、株と債券が買われ、低金利の円が売られた格好です。ユーロ円などクロス円も軒並み「元の定位置」へ戻る軌道にいる印象です。  先週末のNY株式市場ではカード大手のアメックスの決算が好感され、同社株は大きく上昇しています。  クレジットの使用額が増加し、個人消費が活発なことを表しているとの見立てでしたが、ハイテク株も大きく買われています。ハイテク株の決算発表は今週から本格的に始まり、投資家は先回りして資金を投入しているといった具合です。QUICK・ファクトセットによると、米主要500社の4-6月期の売上高は前年同期比2割増、純利益は7割増しと試算されています。ただ、機関投資家がベンチマークに据えている「S&P500」で見ると、株価収益率(PER)は伸びているものの、それ以上に株価の上昇が進んでおり、「買われ過ぎ」との指摘もあります。  足元の為替は米国の株と債券の動きで、その水準が決定されている状況です。  東京オリンピックが始まり、日本は開幕ダッシュに沸いていますが、一方でコロナの感染拡大は止まりません。東京都では昨日、日曜日としては過去最多の1763人の新規感染が確認されています。京都大学の専門家のシミュレーションではこのままでいくと、8月7日には3000人を超えると予想されています。  米国でも、アンソニー・ファウチ米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長は、新型コロナウイルスの新たな感染拡大の波との闘いで米国が、「間違った方向」に進んでおり、特に重症化リスクが最も大きい人はブースター(追加免疫)接種が必要になる可能性があるとの考えを示しています。  ファウチ氏はデルタ変異株により全米で感染者が急増する中、ワクチン接種を受けた人のマスク着用に関する新たな勧告が現在検討されていると説明し、最悪のシナリオでは冬季にコロナによる死者数が、昨年冬季のピーク時と同水準の1日あたり4000人に達する恐れがあると指摘しています。(ブルームバーグ)  シャーマン米国務副長官は本日、天津で中国の王毅外相と会談する予定です。会談では米国側が、香港と新疆ウイグル自治区の人権問題など、中国側は国際社会のコミットメントと原則に反していると米国が考える分野について懸念を表明すると同時に、米国は反中国同盟を構築しようとしているわけではないと中国側に説明する予定のようです。今回の会談で成果が出れば、10月のG20などでバイデン大統領と習近平国家主席の首脳会談が実現する可能性もあると伝えられています。  本日のドル円は日経平均株価が大幅に上昇すると見られることから、堅調に推移すると予想していますが、上でも述べたように、米国の株と債券の動きには注意が必要です。特に今週は27-28日に夏休み前最後のFOMCが開催され、内容次第では金融市場全体に大きな影響が出る可能性も否定できません。 本日のドル円は110円20銭~110円90銭程度を予想しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は小動きの中、堅調に推移し110円台半ばまで上昇。主要株価指数が揃って最高値を更新したことでリスクオンが広がる。
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2021-07-26 10:15