【為替本日の注目点】米3指数連日の最高値更新

28日のFOMCを見極めたいとする雰囲気が広がりドル円は小動き。朝方はドル売りが先行したものの、終始110円台で推移。ユーロドルも小動きで推移する中、1.18を挟みもみ合いが続く。株式市場は小幅ながら主要3指数が揃って2日連続で最高値を更新する。債券は小幅には反落。長期金利は1.29%台に。金と原油はともに下落。
6月新築住宅販売件数 → 67.6万戸
ドル/円 110.16 ~ 110.42
ユーロ/ドル 1.1779 ~ 1.1817
ユーロ/円 129.95 ~ 130.35
NYダウ +82.76 → 35,144.31ドル
GOLD -2.60 → 1,799.20ドル
WTI -0.16 → 71.91ドル
米10年国債 +0.013 → 1.290%
【本日の注目イベント】
中 中国6月工業利益
欧 ユーロ圏6月マネーサプライ
米 6月耐久財受注
米 5月ケース・シラ-住宅価格指数
米 7月リッチモンド連銀製造景況業指数
米 5月FHFA住宅価格指数
米 7月消費者信頼感指数
米 IMF世界経済見通し最新版
米 企業決算 → UPS,3M、GE、スターバックス、アップル、VISA、アルファベット、マイクロソフト
ドル円は昨日の朝方からすれば水準を切り下げたものの110円台は維持され、NYでは株価と長期金利の上昇が支えとなり、結局昨日の水準から大きな変化はありません。本日から始まるFOMCを控え、28日の結果を見極めたいとする雰囲気が市場に広がったようです。
そんな中でも、NY株式市場ではこの日も株価が堅調な動きを見せ、引け値では小幅ながら主要3指数が2日連続で「最高値を更新」しました。今朝の経済紙にもありましたが、「世界株、強まる米1強」といった状況です。紙面でも紹介されていましたが、世界の時価総額のシェアを見ると、米国の時価総額が初めて50兆ドル(約5500兆円)を超えました。日本のGDPのおよそ10倍の規模になることを考えると、いかに大きいか理解できます。世界シェアは44%で2010年末の30.7%から大きく伸びています。第2位は欧州ですが、これはイギリスやドイツ、フランスなどの合計で、国別で言えば第2位が日本ですが、そのシェアはわずか5.9%だそうです。米国1強がさらに強まった背景は、GAFAに代表される巨大IT企業が次々に生まれる米国のダイナミズムが、その理由かと思います。日本で募集した新規のETFでも今や、若い人を中心に「米国株」への資金流入が鮮明になっています。
成長性の乏しい日本株よりも、大きく成長する可能性のある米国株が選好されています。ただ昨日も述べたように、買われ過ぎとの指摘もあり、買われ過ぎたものは必ず下がります。FOMCの結果がその「導火線」にならなければいいと考えています。
訪中した米国のシャーマン国務副長官は天津で中国の謝外務次官と会談しましたが、事前に伝えられていたように、米国は香港と新疆ウイグル地区の人権問題に言及しましたが、中国は「内政干渉」と一蹴し、逆に米国の対中政策を厳しく非難しています。謝次官は、米中関係は「行き詰まっている」と指摘しましたが、一方で中国政府は共通点を探り、対等な立場で米国と向き合う用意があるとも述べています。シャーマン国務副長官はこの後に王毅外相とも会談する予定ですが、現時点での詳細は不明です。また、この会談では「G20」での米中首脳会談についての話題は、出なかった模様です。
6月の新築住宅販売件数が発表されましたが、予想に反して大きく減少していたのが気になります。新築一戸建て住宅販売は前月比6.6%減の67万6000戸でした。この戸数は今年最低の数字で、昨年14カ月ぶりとなる低水準でした。米国では巣ごもりの影響もあり、多くの主要都市で住宅価格が高騰しています。加えて、木材の調達も困難になっており、その影響がもろに出たのではないかと思われますが、今後の推移を見極める必要があります。個人的に頭をよぎるのは「米景気ピークアウト論」です。偶然でしょうが、米ゴールドマンは、米国の経済成長は2022年に大きく減速する公算が大きいとの見方を発表しています。その主な理由に、新型コロナウイルス感染拡大の継続を挙げています。リポートでは、「大規模接種がサービス部門の活動に大きな影響を与えた一方で、ウイルスの不安がすぐに完全に消えるとの期待は非現実的であることがますます明らかになっている」としています。(ブルームバーグ)
本日はアップルをはじめ。多くの有力IT企業の決算が発表されます。すでに好決算を織り込む形で株価は上昇しており、ダウは先週19日に今年最大となる725ドルの下落を演じた後、一転して5営業日連続で上昇しました。その上昇幅は1182ドルに達しています。市場予想を若干上回る程度の結果では株価が下がることも考えられ、ドル円の上値を抑えることにもつながりかねません。
本日のドル円は109円80銭~110円60銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
28日のFOMCを見極めたいとする雰囲気が広がりドル円は小動き。朝方はドル売りが先行したものの、終始110円台で推移。ユーロドルも小動きで推移する中、1.18を挟みもみ合いが続く。(イメージ写真提供:123RF)
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2021-07-27 10:00