【為替本日の注目点】ドル円は反落し109円台半ばに

 ドル円は反落。中国IT株の下落が米国株にも波及し、リスク回避の流れから米金利が低下。ドル円は109円59銭まで売られる。  ドル安の流れからユーロドルはやや水準を切り上げ1.18台半ばまで上昇。  株式市場は3指数とも下げる。上昇が続いていたこともあり、中国ハイテク株の影響からナスダックが売られ、ダウも85ドル安。  債券は反発。長期金利は1.24%台まで低下。金は小幅ながら3日ぶりに反発。原油は続落。 6月耐久財受注           → 0.8% 5月ケース・シラ-住宅価格指数   → 16.99% 7月リッチモンド連銀製造景況業指数 → 27 5月FHFA住宅価格指数      → 1.7% 7月消費者信頼感指数        → 129.1 ドル/円       109.59 ~ 110.12 ユーロ/ドル     1.1794 ~ 1.1841 ユーロ/円      129.63 ~ 130.01 NYダウ      -85.79  → 35,058.52ドル GOLD      +0.60   → 1,799.80ドル WTI       -0.26   → 71.65ドル 米10年国債    -0.049  → 1.241% 【本日の注目イベント】 豪  豪第2四半期消費者物価指数 日  5月景気先行指数(CI)(改定値) 独  独8月GFK消費者信頼感 独  独6月輸入物価指数 欧  米国、ロシア、「戦略的安定対話」(ジュネーブ) 米  FOMC 政策金利発表 米  パウエル議長記者会見 米  企業決算 → ファイザー、ボーイング、マクドナルド、フェイスブック  ドル円は方向感が定まりません。  昨日のNYでは思った以上にドルが売られ、ドル円は109円59銭まで売られています。米長期金利の低下が主因でしたが、この日投資家に債券を買わせ金利が低下したのは中国の影響が大きかったようです。  中国政府が同国のIT企業への規制を強めていることから、米ナスダック市場の「ゴールデン・ドラゴン・チャイナ指数」が下げ足を強めており、同指数は2月の高値から約半分近くまで下落しています。特に昨日は、前週末に中国共産党と政府が、小中学生向け学習塾の非営利団体化を柱とした規制策を公表したことで教育関係の株も下げています。  この影響はNY株式市場へも波及し、昨日はナスダック銘柄が売られました。アップルなど、巨大IT企業は昨日決算発表を行いました。同社は4-6月期の売上高が過去最高を記録し、他にもグーグルを傘下に持つアルファベットやマイクロソフトなども好決算を発表しています。中国のIT株が大きく売られたことで、好決算を発表した米IT株も割をくった形です。もっとも、好決算の内容は既に市場に折り込まれており、典型的な「Buy on rumor、Sell on news」といった具合でした。  IMFは27日、最新の世界経済見通し(WEO)を発表しました。2021年の世界成長率予測は「6.0%」と、据え置きましたが、米国は前回よりも0.6%上方修正して「7.0%」とし、ユーロ圏も0.2%上方修正して「4.6%」としました。  一方日本は、0.5%下げ「2.8%」とし、G7では唯一の下方修正でした。IMFは報告書で、「ワクチンへのアクセスが主要な断層線となり、世界は景気回復について2つのグループに分断された。今年中にさらなる活動正常化が望めるグループと、依然として感染再拡大および死者増加に直面するグループだ。先進国・地域の大半が前者に入る」と分析し、その上で、「しかしながら、現時点で感染者数が非常に少なくなっている国々でも、他の国・地域でウイルスが猛威を振るっている限り、回復は確実ではない」と釘をさしています。(ブルームバーグ)  やはりワクチン接種の遅れが「かぎ」となったようです。  昨日は東京都で過去最大となる2848人の新規感染者が確認されています。26日(月)のリポートでも触れましたが、専門家の予測する「8月7日に3000人に達する」とのシミュレーションよりも事態は急速に悪化しているようです。  オリンピック、夏休み、お盆の帰省などを考えると、8月中には5000人を超えることになるかもしれません。  IMFも指摘したように、ワクチン接種が進んでいる米国でも安心はできません。米疾病対策センター(CDC)が27日に公表予定の新しい指針によれば、CDCは幼稚園から高校までの教育機関において教職員や生徒、訪問者はワクチン接種の有無にかかわらず、屋内でマスクを着用するよう勧告するようです。  カリフォルニア州やNY市でも職員全員のマスク着用を義務付ける方向です。一方、米国の消費者は先行きにかなり明るい見通しを持っていることも明らかになっています。  コンファレンスボードが発表した7月の消費者マインドは市場予想を上回る「129.1」でした。これは6カ月連続のことで、新型コロナウイルスがパンデミックとなってからの最高を記録したことになります。  項目別では現況指数が「160.3」と、コロナ禍となって以来の最高を更新し、「仕事が豊富にある」との回答比率は21年ぶりの高水準でした。米国の多くの消費者が、現在の事業・雇用環境に対して楽観的な見通しを持っていることが浮き彫りになった格好です。  明日の朝方3時にはFOMCの結果が発表されます。  株式・債券市場とも動きが荒っぽくなっており、ドル円も大きく動く可能性があります。会合ではテーパリングの開始時期について議論が交わされる予定です。そ の結果を踏まえてパウエル議長がどのような認識を示すのか注目されます。また、デルタ変異株の拡大リスクをどのように捉えているかにも注目が集まります。  本日のドル円は109円30銭~110円30銭程度と予想しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は反落。中国IT株の下落が米国株にも波及し、リスク回避の流れから米金利が低下。ドル円は109円59銭まで売られる。
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2021-07-28 10:00