クリーク・アンド・リバー社は好業績を評価して反発のタイミング

  エージェンシー事業のクリーク・アンド・リバー社 <4763> (JQS)の株価は、全般地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、安値圏で下げ渋りの動きを強めている。調整のほぼ最終局面であり、好業績を評価して反発のタイミングだろう。   日本のクリエイティブ分野(映像・テレビ番組・ゲーム・Web・広告などの制作分野で活躍するクリエイターを対象としたエージェンシー(派遣・紹介)・ライツマネジメント(著作権管理)・制作請負事業)を主力として、韓国のクリエイティブ分野、そして医療・IT・法曹・会計などの分野にもエージェンシー事業を展開している。   日本のクリエイティブ分野では、13年8月公開のテレビ朝日開局55周年記念劇場公開映画「少年H」の制作を担当し、モスクワ映画祭特別賞を受賞した。13年度(13年4月~14年3月)には地上波テレビ放送で200以上の番組制作に携わった。さらに4月9日には、地方テレビ局のディレクター、カメラマン、アナウンサー不足に対応するため、9月末までに全国125の地方テレビ局全てとのネットワークを構築し、地方で活躍を目指すクリエイターへ制作案件を紹介すると発表した。   新規分野として電子書籍・海外版権エージェント事業、作家エージェント事業、オンラインクリエイター事業、建築エージェンシー事業、ファッションクリエイター・エージェンシー事業などにも進出している。13年12月にはアパレル業界に特化した人材派遣会社インター・ベルを連結子会社化した。ファッションクリエイター・エージェンシー事業の成長を加速させる戦略だ。   4月3日発表の前期(14年2月期)連結業績は売上高が前々期比17.6%増の206億12百万円、営業利益が同10.1%増の10億92百万円、経常利益が同5.5%増の10億92百万円、そして純利益が同46.8%増の4億91百万円だった。配当予想は従来予想に1円増額して年間5円(期末一括)とした。   利益は計画をやや下回ったが、日本のクリエイティブ分野を中心に既存事業が概ね順調に推移し、韓国のクリエイティ分野の社会保険料負担増加、医療分野の決算期変更の影響、IT分野の不祥事および事業再構築の影響、新規分野の先行投資負担などを吸収して増収増益だった。   セグメント別売上高(内部消去前)を見ると主力のクリエイティブ分野(日本)は同18.2%増の132億36百万円、クリエイティブ分野(韓国)は同35.2%増の29億83百万円、医療分野(前期は決算期変更で13カ月分)は同0.3%増の25億41百万円、IT・法曹・会計・他は同12.8%増の18億93百万円だった。   今期(15年2月期)連結業績見通しについては売上高が前期比11.6%増の230億円、営業利益が同23.6%増の13億50百万円、経常利益が同23.6%増の13億50百万円、純利益が同32.4%増の6億50百万円、配当予想が同1円増配の年間6円(期末一括)としている。日本のクリエイティブ分野が好調に推移して全体を牽引する。   セグメント別売上高(内部消去前)の計画は、クリエイティブ分野(日本)が同9.6%増の145億円、クリエイティブ分野(韓国)が同7.3%増の32億円、医療分野が同4.3%増の26億50百万円、IT・法曹・会計・他が同42.6%増の27億円としている。   日本のクリエイティブ分野では、高付加価値のテレビ番組制作請負が増加基調であり、自社開発ソーシャルゲームの新タイトル投入も寄与する。医療分野では営業基盤強化の効果、IT分野では事業再構築の効果も寄与する。費用が先行している電子書籍・海外版権エージェント事業、作家エージェント事業、オンラインクリエイター事業、建築エージェンシー事業、ファッションクリエイター・エージェンシー事業といった新規分野も順次収益化する見込みだ。中期的にも収益拡大基調だろう。   なお中期成長戦略では、既存事業で年率10~15%の成長を見込み、新たにスタート予定のクラウド関連を含めた新規分野の積み上げ・収益化で、18年2月期に売上高300億円、営業利益30億円をイメージしているようだ。   株価の動きを見ると、3月31日の直近安値353円から反発し、4月3日発表の今期増収増益見通しを好感して、4月4日に453円まで急伸する場面があった。しかし全般地合い悪化も影響して買いが続かず、反落して足元では再び350円台まで調整している。ただし安値圏で下げ渋り感も強めている。調整のほぼ最終局面のようだ。   4月23日の終値362円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS30円19銭で算出)は12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は1.7%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS185円70銭で算出)は1.9倍近辺である。週足チャートで見ると13年9月安値354円、14年2月安値363円、14年3月安値353円で下値支持線を形成したようだ。さらに日足チャートで見ると25日移動平均線突破の動きを強めている。調整のほぼ最終局面で反発のタイミングだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
エージェンシー事業のクリーク・アンド・リバー社の株価は、全般地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、安値圏で下げ渋りの動きを強めている。
economic
2014-04-24 09:15