【為替本日の注目点】ドル円5月下旬以来となる108円台に下落

【為替本日の注目点】ドル円5月下旬以来となる108円台に下落
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は続落。米長期金利のなだらかな低下とデルタ変異株の感染懸念から円を買う流れが優勢に。5月26日以来となる108円88銭までドル安が進む。ユーロドルは前日と同水準でもみ合う。1.18台半ばから1.18台後半で膠着。株式市場は3指数が揃って上昇。S&P500は35ポイント上昇し、最高値を更新。債券相場は横ばい。長期金利は1.17%台と、低水準で推移。金は反落し、原油は続落。
6月製造業受注 → 1.5%
7月自動車販売台数 → 1475万台
ドル/円 108.88 ~ 109.18
ユーロ/ドル 1.1854 ~ 1.1892
ユーロ/円 129.16 ~ 129.83
NYダウ +278.24 → 35,116.40ドル
GOLD -8.10 → 1,814.10ドル
WTI -0.70 → 70.56ドル
米10年国債 -0.005 → 1.172%
【本日の注目イベント】
中 7月財新サービス業PM
独 独7月サービス業PMI(改定値)
欧 ユーロ圏7月サービス業PMI(改定値)
欧 ユーロ圏7月総合PMI(改定値)
欧 ユーロ圏6月小売売上高
米 7月ADP雇用者数
米 7月ISM非製造業景況指数
米 7月マークイットサービス業PMI(改定値)
米 7月マークイットコンポジットPMI(改定値)
米 ブラード・セントルイス連銀総裁、オンラインイベントで講演
米 クラリダ・FRB副議長、オンラインイベントで講演
加 カナダ6月住宅建設許可件数
ドル円は5月26日以来となる109円を割り込み、108円88銭までドル安が進みました。米長期金利が低位で推移し、一時は1.15%台を付ける場面もありましたが、前日とほぼ同水準で取引を終えています。デルタ変異株の感染が拡大していることもあり、市場のセンチメントはいまいち「リスクオン」へ傾斜しにくいといった状況から、円が買われたと見られます。昨日この欄でも指摘したように、ドル円は一目均衡表の「雲の下限」は抜けたものの、その下にある「120日移動平均線」が意識され、さらなるドルの下落を抑えた格好になっています。
米景気を巡っては再び「景気ピークアウト論」が浮上し、しかもそれが現実味を帯びてきた印象もあります。前日発表されたISM製造業景況指数などの経済データが軟調な結果を示したり、好決算を発表した米企業の株が売られたりしており、長期金利も低水準で推移しています。今後発表される経済データを慎重に見ていかなければいけませんが、天気図でいえば、「快晴」だった青空に、西の方から「黒い雲」が出て来たといった状況かもしれません。そんな中、テーパリング開始に積極的な発言を繰り返してきたセントルイス連銀のブラード総裁はロイター通信とのインタビューで、「新型コロナウイルスのパンデミックが米経済を、成長率と生産性は高いが、金利とインフレ率も高い『不安定な時代』へと押しやった可能性がある」と指摘。「現在は、世界均衡が崩れ、これまでと大きく異なる環境にある。この反響は続き、慣れ親しんでいるよりもはるかに高いボラティリティーに皆が直面することになろう」と述べています。(ブルームバーグ)
米国感染症学会は3日、新型コロナウイルスのデルタ変異株感染が拡大しているため、「集団免疫」が出来る目安が押し上げられており、人口の80%超が免疫を獲得する必要があると指摘し、その目安は90%に近づく可能性があると発表しました。集団免疫達成へのハードルは従来想定されていた60-70%と比較して、「かなり高くなった」とし、デルタ変異株の感染力が従来ウイルスの2倍であることを理由に挙げています。
RBA(オーストラリア準備銀行)は3日午後、政策金利であるキャッシュレートを0.1%に据え置くことを決めました。債券購入プログラムについては、1000億豪ドル(約8800億円)規模の債券購入第2弾が9月初めに終了した後も、週40億豪ドルのペースで少なくとも11月半ばまで継続する方針を確認しています。市場もほぼ据え置きを予想していましたが、RBAは声明文で「新型コロナウイルスの感染拡大が抑制されれば経済は急拡大する」と発表したことで、豪ドル円は80円40銭近辺から上昇し、80円台後半まで買われました。オーストラリアは米国など先進国で新型コロナウイルスの感染が急拡大する中でも、拡大の抑え込みに成功し、豪ドル円は5月には85円台まで買われました。しかし7月からは再び感染が拡大し、オーストラリア第2の都市メルボルンでは感染が拡大したことからロックダウンの措置が取られ、現在は解除されていますが、最大都市のシドニーではロックダウンが今月28日まで延期されています。豪ドル円は軟調な展開が続いていますが、79円台半ばから80円には、テクニカル的にも重要なサポート指標が集まっています。
引き続きデルタ変異株の感染拡大と長期金利の低下でドル円の上値は抑制されています。週末の雇用統計までは一進一退の展開を予想していますが、その結果を起爆剤に長期金利が反転するのか。あるいは雇用統計の結果が「景気ピークアウト論」を正当化するのか、開けてみなければ分かりません。
本日のドル円は108円50銭~109円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は続落。米長期金利のなだらかな低下とデルタ変異株の感染懸念から円を買う流れが優勢に。5月26日以来となる108円88銭までドル安が進む。ユーロドルは前日と同水準でもみ合う。1.18台半ばから1.18台後半で膠着。株式市場は3指数が揃って上昇。S&P500は35ポイント上昇し、最高値を更新。債券相場は横ばい。長期金利は1.17%台と、低水準で推移。金は反落し、原油は続落。
economic,gaitameonline,gaitamedotinterview,fxExchange
2021-08-04 09:45