【為替本日の注目点】ウオラーFRB理事、雇用統計に期待

雇用統計を控え、ドル円は小動きながら堅調に推移。株価と長期金利の上昇に109円80銭までドル高が進む。ユーロドルは依然として膠着状態が続く。この日も1.18台半ばを中心に値幅は30ポイントにも届かず。株式市場は3指数が揃って上昇。中でもナスダックとS&P500が最高値を更新する。債券相場は続落。長期金利は1.22%台に上昇。金は反落し、原油は反発。
新規失業保険申請件数 → 38.5万件
6月貿易収支 → -757億ドル
ドル/円 109.43 ~ 109.80
ユーロ/ドル 1.1831 ~ 1.1857
ユーロ/円 129.67 ~ 130.01
NYダウ +271.58 → 35,064.25ドル
GOLD -5.60 → 1,808.90ドル
WTI +0.94 → 69.09ドル
米10年国債 +0.041 → 1.224%
【本日の注目イベント】
豪RBA四半期金融政策報告
日6月景気先行指数(CI)(速報値)
独6月鉱工業生産
米7月雇用統計
米6月消費者信用残高
世界的にデルタ変異株の感染拡大が続く中でも、NY株式市場では昨日3指数が揃って上昇。一進一退を繰り返しながらも結局ナスダックとS&P500は最高値を更新するなど、米景気のピークアウトがささやかれる状況にも投資家は株式に対する強気の姿勢を崩していません。それを正当化するように、米ゴールドマンはS&P500の目標株価を引き上げています。同社はリポートで2021年末の目標を「4700」に引き上げ、さらに2022年末の目標も「4600」から「4900」に引き上げました。「S&P500種企業の予想よりも高い利益と、予想よりも低い金利の組み合わせが、株価目標引き上げの言動力だ」と説明し、「企業コストをうまく管理していることと、利益率の高いテクノロジー企業が指数に占める割合が高くなっていることから、当社はコンセンサスよりも大きな収入の伸びと税引き前利益率の拡大を見込んでいる」とリポートで述べています。一方、日本では新型コロナウイルスの爆発的拡大が株価の上昇を抑制しており、非常に重苦しい雰囲気になっています。昨日は予想されていたこととはいえ、東京都の新規感染者数が5000人を超えました。今後さらに感染が進み、最悪のケースでは9月には1日で9万人を超えるとのシミュレーションもあります。いよいよ「非常事態宣言」ではなく、不要不急の外出を規制する「法的整備」も必要になってくる可能性も出てきました。ワクチン接種のさらなる進展と、個人個人が出来るだけ他の人とは会わない行動が求められます。
バイデン政権が台湾に7億5000万ドル(約820億円)の武器売却を承認したことを巡り、中国外務省は「断固」反対すると表明し、内政干渉であることと、具体的な行動には言及しなかったものの、状況に応じては対抗措置を講じると強く反発しています。バイデン大統領はこの件に臆することなく、今度は香港の政治的自由に対する中国政府の取り締まりに言及しています。バイデン氏は文書で、「香港で保障されている自由を奪われた人々に非難の場を提供することは、同地域での米国の利益を促進する」とし、「香港の人々に対する米国の支援は揺るがない」と説明しています。(ブルームバーグ)今回の措置でどれくらいの人数が対象になるかは分かりませんが、現在米国にいる香港の人々に最長1年6カ月の米国滞在を許可しています。
またバイデン大統領は5日、米国の新車販売に占めるEVなど電動車の比率を2030年に50%に引き上げる大統領令に署名しました。今回の政策では電動車の定義を、EV,燃料電池車(FCV)とプラグインハイブリッド車(PHV)の3種類とし、トヨタ自動車が得意するハイブリッド車(HV)は含んでいません。バイデン氏はホワイトハウスのサウスローンで主要自動車メーカーの幹部らと署名イベントに臨み、「米自動車業界の未来は電化だ。後戻りはできない」と語っています。
ウオラーFRB理事はバーチャル講演の後で、「6日発表の雇用統計、翌月の雇用統計はいずれも非常に高い数字が出ると強く期待している」と述べ、「明日の雇用統計で100万人規模の数字が出て、9月発表の統計で100万人近い数字が出れば、1年半に失われた雇用の85%を取り戻したことになる」と質疑応答で答えています。その上で、「他の人が考えているよりも早期に、緩和的な金融政策を巻き戻せるようになるかもしれない」と話していました。
本日のドル円は109円30銭~110円40銭程度を予想します。ウオラーFRB理事が期待しているような良い数字が出るかどうかは開けてみなければ分かりませんが、むしろ失望に終わった時の反応には注意したいと思います。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
雇用統計を控え、ドル円は小動きながら堅調に推移。株価と長期金利の上昇に109円80銭までドル高が進む。ユーロドルは依然として膠着状態が続く。(イメージ写真提供:123RF)
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2021-08-06 10:45