【為替本日の注目点】米7月のPPI、1.0%上昇

ドル円は110円台半ばを中心に小動き。値幅も21銭程度と閑散な取引に終始する。ユーロドルも目立った動はなく1.17台前半から半ばで推移。株式市場は3指数が揃って上昇。ダウとS&P500は3日連続で最高値を更新。債券相場はほぼ横ばい。長期金利は1.35%台で推移。金と原油はともに小幅に下げる。
新規失業保険申請件数 → 37.5万件
7月生産者物価指数 → 1.0%
ドル/円 110.33 ~ 110.54
ユーロ/ドル 1.1724 ~ 1.1742
ユーロ/円 129.39 ~ 129.70
NYダウ +14.88 → 35,499.85ドル
GOLD -1.50 → 1,751.80ドル
WTI -0.16 → 69.09ドル
米10年国債 +0.008 → 1.359%
【本日の注目イベント】
欧 6月貿易収支
米 7月輸入物価指数
米 8月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
昨日のNY市場では、どのマーケットも閑散な取引で、典型的な夏相場といった様相でした。発表された新規失業保険申請件数は前の週より1万2000件減少し、これで3週連続の減少でした。また7月のPPIは「1.0%」と、市場予想を上回る伸びを見せ、インフレ圧力が継続していることが示されましたが、ドルの上昇は限定的でした。ドル円も、ユーロドルもほぼポジション調整の域を出ず、次の材料を待つといった展開で、相場を動かす原動力の長期金利もほぼ横ばいでした。NY株式市場では3指数が揃って上昇し、ダウとS&P500が3日連続で最高値を更新していますが、余り勢いは感じられません。行き場のない資金が株式に向かっているというだけのようです。
国際エネルギー機関(IEA)は月報で、年内の石油需要見通しを大幅に下方修正しました。主要消費国で新型コロナウイルスの感染が再拡大していることをその理由に挙げています。IEAによると、世界の石油需要は7月に、日量380万バレル増だった6月から大幅に減少していると報じており、7-12月(下期)の需要見通しを日量55万バレルに下方修正しています。WTI原油価格も、7月中旬にかけては75ドル台まで上昇しましたが、今週初めには一時65ドル台まで下げています。2022年については、OPECプラスが減産縮小を計画通り進め、合意に加わっていない産油国が生産を増やした場合、市場は再び供給過剰に陥ると予測しています。(ブルームバーグ)
トルコ中銀は12日の政策会合で、政策金利の据え置きを決めています。1週間物レポ金利を19%に維持し、これで5カ月連続の据え置きになります。トルコでは高インフレが続いており、7月のインフレ率も18.95%に達しています。そのため、政策金利をさらに引き上げ、インフレを阻止したいところですが、エルドアン大統領が利下げ圧力を強めており、中銀も簡単には利上げが出来ない状況が続いています。エルドアン大統領は6月にカブジュオール中銀総裁と会談を行い、「今日私は、中央銀行総裁と話した。われわれは金利を引き下げる事が不可欠だ」と述べ、利下げ圧力を強め、目標の期日を7、8月にしたことにも言及していました。今回トルコ中銀はエルドアン氏の意向に抵抗した形になりましたが、声明で「政策金利は引き続き、インフレ率を上回る水準に設定され、恒久的なインフレ低下の兆候と、中期的インフレ目標5%の達成までは、強いインフレ低下圧力を維持する」と表明しています。ただ、このままエルドアン氏の意向を無視し続けと、カブジュオール総裁といえども「更迭」されるリスクがあり、どこまで利下げを避けることが出来るのか注目されます。エルドアン氏はここ2年半ほどですでに3度の「中銀総裁更迭」とう暴挙に出ています。エルドアン氏の意向に沿って利下げを行えば通貨「リラ」が売られ、さらに通貨安からインフレが加速する危険があり、トルコ中銀の政策余地も限られるのが現状です。
本日のドル円は110円~110円70銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は110円台半ばを中心に小動き。値幅も21銭程度と閑散な取引に終始する。ユーロドルも目立った動はなく1.17台前半から半ばで推移。(イメージ写真提供:123RF)
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2021-08-13 11:00