きちりは強基調に転換、中期成長力を評価して出直り本格化

  飲食店チェーンと飲食店運営プラットフォーム事業を展開するきちり <3082> (東2)の株価は、高値圏から急反落して調整局面だったが、足元では下値を切り上げながら反発の動きを強めている。4月23日には前日比48円(10.37%)高まで急伸する場面があった。強基調に転換した形であり、中期成長力を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。   カジュアルダイニング「KICHIRI」や「いしがまやハンバーグ」を主力業態とする直営店の自社ブランド展開事業、および飲食店運営プラットフォーム提供や飲食店受託運営などで他業種企業のブランド・コンテンツを活用するプラットフォームシェアリング事業を展開している。   自社ブランド展開事業は、13年12月末時点で直営71店舗(関西エリア44店舗、関東エリア27店舗)を展開し、新業態開発にも取り組みながら、出店余地の大きい首都圏への新規出店戦略を強化している。   一方のプラットフォームシェアリング事業は、当社が他の飲食店チェーンなどに労務管理・会計・調達・1次加工・配送・取引先紹介などの本部機能を提供するクラウドサービス展開型、および優れたブランド・コンテンツを持つ企業と業務提携し、当社のプラットフォームを活用して新しいレストランビジネスを創造するブランド・コンテンツ活用型を展開している。   クラウドサービス展開型では参画企業・店舗数の増加に伴ってスケールメリットを享受でき、ブランド・コンテンツ活用型では独自性ある業態を開発できるなどのメリットがある。そして13年2月に精米機トップメーカーで「ギャバライス」ブランドのサタケ、13年4月にイタリアのバックブランド「オロビアンコ」、13年5月に福岡県「はかた地どり」生産者の農業組合法人福栄組合と業務提携している。   中長期ビジョンでは、自社ブランド展開事業およびプラットフォームシェアリング事業を軸として展開し、目標値として18年6月期売上高100億円、営業利益15億円、経常利益16億円、純利益10億円、配当性向30%(当面は20%)を掲げている。事業別には自社ブランド展開事業が100店舗で売上高94億円、プラットフォームシェアリング事業が契約店舗数500店舗(契約売上規模300億円)で営業利益6億円を目標としている。   今期(14年6月期)の業績(非連結)見通し(1月24日に減額)は、売上高が前期比14.1%増の71億円、営業利益が同4.5%減の5億40百万円、経常利益が同4.2%減の5億80百万円、純利益が同1.1%増の3億48百万円としている。13年9~10月の天候不順の影響を受けたようだが、自社ブランド展開事業の新規出店効果やプラットフォームシェアリング事業の拡大などで2桁増収見込みだ。   株価の動き(13年7月1日付で株式3分割、14年1月1日付で株式2分割)を見ると、急落した2月安値411円から一旦は490円台まで反発したが、全般地合い悪化も影響して3月20日に412円まで調整した。しかし2月安値を割り込むことなく反発し、その後は下値を切り上げる展開だ。さらに4月23日に動意付き、前日比48円(10.37%)高の511円まで急伸する場面があった。調整が一巡して出直り態勢のようだ。   4月23日の終値485円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS34円28銭で算出)は14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円50銭で算出)は1.5%近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破して上伸した。また週足チャートで見ると13週移動平均線を突破して、26週移動平均線も突破の動きを強めている。強基調に転換した形であり、出直り本格化して高値圏を目指す展開だろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
飲食店チェーンと飲食店運営プラットフォーム事業を展開するきちり<3082>(東2)の株価は、高値圏から急反落して調整局面だったが、足元では下値を切り上げながら反発の動きを強めている。
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2014-04-24 09:15