rakumoは高成長および高収益体質に期待―SaaS有力企業、6月に大型案件獲得、文教分野も強化

企業向けグループサービスのrakumo<4060>は、高成長の継続が期待される。このほど発表した21年12月期上期の連結業績は、売上高が前期比19.6%増の4.6億円となった。また、高収益体質となってきており、営業利益が同2.0倍の0.9億円、営業利益率は20%を超える水準となっており、今後より一層の利益創出が期待される。御手洗大祐社長は6月に大企業向けに複数の案件を獲得したことを明らかにし、「第3四半期(7-9月)以降に期待が持てる状況になってきている」と語った。
同社は、スケジュール管理や電子稟議などの業務支援ツールを提供するSaaS(ソフト・アズ・ア・サービス)サービスを主体に、DX(デジタルトランスフォーメーション)導入支援などを手掛ける。SaaSでは米グーグルとセールスフォース・ドットコム<CRM>のプラットホームで展開し、密接に連携している。
SaaSサービスは、グーグルの提供する文書やプレゼンテーション資料の作成ツール「グーグルワークスペース」の仕様変更に伴う需要を取り組んだ。6月末のクライアント数は2125社(20年12月末は2005社)に増え、一定期間内に利用したユニークユーザーの数は43.9万人(20年12月末比2.2万人増)に拡大した。
グーグルなどのサービス導入を支援するパートナーともに新規の大手顧客の開拓を進めた一方、自社ルートでも中堅顧客の掘り起こしに取り組んだ。特に6月は大・中複数の案件を獲得しており、下期以降の収益貢献が期待される。また、サービスの解約率は、上期が月次平均0.93%(前期末と同水準)と低い水準に抑えた。同社のサービスは業務の基盤を担うため、客離れしにくい傾向がある。
また、政府が学校のITインフラを整備する「GIGAスクール構想」に絡み、大学や高校でも文教版のグーグルワークスペースの採用が進んでいる。今後は文教分野へのさらなる浸透をにらみ、提案を加速する。また、銀行紹介ルートなどを通じて新規の販売代理店の開拓も強化する。21年12月期の連結業績は、売上高10.1億円(前期比23.3%増)、営業利益2.1億円(同58.1%増)を計画している。
自前のプラットホームで展開するSaaS企業は人件費や広告宣伝費が先行するケースが多い。しかし同社は、グーグルワークスペース上でサービスを提供する事業構造のため、売上増が利益に結び付きやすい。グーグルワークスペースの普及とともに、収益が大きく拡大していく方向だ。(情報提供:モーニングスター社)(イメージ写真提供:123RF)
企業向けグループサービスのrakumo<4060>は、高成長の継続が期待される。このほど発表した21年12月期上期の連結業績は、売上高が前期比19.6%増の4.6億円となった。(イメージ写真提供:123RF)
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2021-08-19 09:00