【為替本日の注目点】ユーロドル1.16台半ばへ続落

ドル円はやや値を戻したが、109円台半ばから後半で小動き。長期金利が若干上昇したことで109円87銭までドルが買われる。ユーロドルは引き続きユーロ売りが勝り、1.1664までユーロ安が進む。ユーロは対円でも一時128円を割りこむ。株式市場は3指数とも揃って上昇。ダウは4日ぶりに225ドルの上昇。債券は反落。長期金利は1.25%台へ上昇。金は小幅に反発。原油は7日続落し、62ドル台に。 ドル/円    109.66 ~ 109.87 ユーロ/ドル  1.1664 ~ 1.1705 ユーロ/円   127.96 ~ 128.52 NYダウ  +225.96  → 35,120.08ドル GOLD     +0.90 → 1,784.00ドル WTI    -1.37   → 62.32ドル 米10年国債  +0.012 → 1.255% 【本日の注目イベント】 独   独6月製造業PMI(速報値) 独   独8月サービス業PMI(速報値) 欧   ユーロ圏8月総合PMI(速報値) 欧   ユーロ圏8月製造業PMI(速報値) 欧   ユーロ圏8月サービス業PMI(速報値) 欧   ユーロ圏8月消費者信頼感指数(速報値) 英   英8月製造業PMI(速報値) 英   英8月サービス業PMI(速報値) 米   8月マークイット製造業PMI(速報値) 米   8月マークイットサービス業PMI(速報値) 米   8月マークイットコンポジットPMI(速報値) 米   7月中古住宅販売件数 ドル円は109円台半ばから後半で推移し、110円を挟むもみ合いに終始。膠着状態が続いています。一方、ユーロドルは「ドル買い・ユーロ売り」がじわじわと進み、先週末のNYでは1.1664まで売られています。米長期金利はやや上昇に転じましたが、依然として予想外の低水準に留まっています。米国でもデルタ変異株の感染拡大が続いており、特にフロリダ州などでの感染が著しく、21日には米国全体での死者数は1000人を超え、今年3月以来の高水準になっています。株式市場では、デルタ株の感染拡大が景気へも影響を与える可能性があるとの見方も出て、先週は概ね、利益確定の売りに押され下落傾向でした。もっとも、ジャクソンホールでのパウエル議長の講演を控え、利益確定の売りが出易い状況であったことも事実です。 その「ジャクソンホール会議」が新型コロナウイルスの感染が再拡大していることを理由に、オンライン方式に切り替わりました。主催するカンザスシティー連銀は20日、当初対面方式を予定していましたが、参加者の健康上のリスクが高まっているとして急遽オンライン方式に変えることを発表しました。同連銀のジョージ総裁は、「予定していたように対面で集まれないことは残念だが、出席者と地域の安全を最優先する」との声明を出しています。また当初予定されていた26-28日の日程も27日に限るとしています。パウエル議長の講演は東部時間27日午前10時(日本時間同午後11時)から行う予定です。7月のFOMC議事録では「多くの参加者が年内のテーパリング開始が適切」との議論があったことが明らかになり、パウエル議長の講演内容が極めて重要になっています。 FOMCは年内9月、11月、12月と、あと3回を残すのみです。12月については、年末ということもあり、また多くの米企業が「12月決算」ということもあるため、一般的には「政策変更は行いにくい」と言われています。そうなると、9月か11月のテーパリング開始宣言が最も可能性が高いと見られます。もちろん上述のように、足元ではデルタ株の感染が猛威を振るっており、いましばらくはその行方を見守るという選択肢もあろうかと思います。また労働市場の確実な回復を確認するには8月の雇用統計の結果だけではなく、9月分も確認したいという考えもありそうです。あと2回の雇用統計の結果を確認するという意味で、筆者は11月のFOMCでのテーパリング開始宣言を支持する次第です。この辺りの状況を、パウエル議長がどのように説明するのか、世界中が注目しています。 イエレン財務長官は、次期FRB議長にパウエル議長の再任を支持する考えをホワイトハウスのシニア・アドバイザーに伝えました。パウエル議長の任期は来年2月に迫っており、バイデン大統領は9月6日のレーバーデー前後には決定すると見られています。すでにブレイナードFRB理事の名前も候補に挙がっていますが、バイデン大統領に信任の厚いイエレン長官がパウエル議長再任に支持を表明したことは、議長人事に大きな影響を与えると見られます。パウエル議長の再任には議会の承認が必要となりますが、多くの民主党議員はパウエル氏を評価している一方、ブラウン、ウォーレン両上院議員は、金融規制を巡るパウエル氏の対応を批判しており、必ずしも民主党が一枚岩ではない状況です。 昨日の横浜市長選で、野党系の山中氏が勝利しました。菅首相のおひざ元での選挙とういうこともあり、当初から相当注目度が高い中での選挙でしたが、山中氏が他の7人の候補を破って当選しています。衆議院選挙を前にしての与党候補の敗北で、菅政権への打撃は小さくはないようです。今後、政局という新たなリスクが発生し、これが低迷している株価に追い打ちをかける可能性があります。為替への影響はほとんどないと思いますが、自民党総裁が誰になるのかという点と、その先の衆院選挙の結果次第では為替にも影響がありそうです。 本日のドル円は109円40銭~110円20銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円はやや値を戻したが、109円台半ばから後半で小動き。長期金利が若干上昇したことで109円87銭までドルが買われる。ユーロドルは引き続きユーロ売りが勝り、1.1664までユーロ安が進む。(イメージ写真提供:123RF)
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2021-08-23 10:00