【為替本日の注目点】WTI原油価格3ドルを超える反発

欧州市場から堅調に推移したドル円はNYの朝方には110円13銭まで買われたが、そこを天井にじり安に。ユーロドルは反発。8月のユーロ圏サービス業PMIが引き続き拡大していることを好感。1.17台半ばまでユーロが買われる。株式市場は3指数が揃って大幅高に。ナスダックは227ポイント上昇し、今月5日以来となる最高値更新。債券は横ばい。長期金利はほぼ変わらず1.25%台で推移。金は大幅に続伸し1800ドル台を回復。原油も8日ぶりに大きく上昇。
8月マークイット製造業PMI(速報値) → 61.2
8月マークイットサービス業PMI(速報値) → 55.2
8月マークイットコンポジットPMI(速報値) → 55.4
7月中古住宅販売件数 → 599万戸
ドル/円 109.66 ~ 110.l13
ユーロ/ドル 1.1716 ~ 1.1750
ユーロ/円 128.78 ~ 129.14
NYダウ +215.63 → 35,335.71ドル
GOLD +22.30 → 1,806.30ドル
WTI +3.50 → 65.64ドル
米10年国債 -0.003 → 1.252%
【本日の注目イベント】
独 独4-6月期GDP(改定値)
米 7月新築住宅販売件数
米 8月リッチモンド連銀製造景況業指数
米 キャシー・ホークル氏NY州知事に就任
米 G7首脳会議(オンライン)
ドル円は欧州市場からNY市場にかけて再び110円台に乗せる場面もありましたが、今回も110円台は維持できず、109円台後半に押し戻される展開でした。これまでにもこの種の動きは何回も繰り返されてきており、109円台で仕込んだものは110円台のどこかで手放すといったオペレーションが機能しているようです。今週末のジャクソンホールまではこのパターンが崩れそうもありませんが、そろそろ身構えておく必要はあるかもしれません。NY株式市場は再び強気に転じたのか、3指数が揃って上昇し、ナスダックは約20日ぶりに最高値を更新し、初の1万5000ポイントが射程圏内に入ってきました。一方債券相場の方は不気味なほど小動きで、「嵐の前の静けさ」といった状況です。
アフガニスタン情勢を巡り、イギリスのジョンソン首相はオンライン緊急会合をG7首脳に呼び掛けています。同首相はバイデン大統領に対し、アフガンからより多くの人を安全に退避させるべく米軍撤退を遅らせるよう促す意向だとブルームバーグは伝えています。これに対してタリバンは、米国が軍撤退期限の8月31日を過ぎて延長すれば、「相応の結果」を招くと警告しています。カブール国際空港には国外に脱出しようとする人が多く集まり、一部ではタリバンによる銃での死者も出ていると伝えられています。タリバンがアフガニスタンを掌握した際に発出したバイデン大統領のコメントでは批判も多く、バイデン氏もここで計画通り軍の撤退を実行するわけにもいかない状況です。またタリバンに対する武装勢力も根強く存在することから、アフガニスタンの混乱は当面続くと見られています。
米食品医薬品局(FDA)は、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナワクチンを正式に承認しました。FDAは23日付け資料で、新型コロナウイルス感染症の予防のため同ワクチンを16歳以上に投与することを承認すると発表しました。商品名は「コミナティ」となるようです。この発表を受けファイザー株は大きく上昇したようですが、同社はまた、がん免疫治療薬を手掛ける米トリリウム・セラピューティクス社を22億6000万ドル(約2480億円)で買収することを発表しています。
ペロシ下院議長は23日、下院民主党議員の会合を開き、バイデン大統領の総額4兆1000億ドル(約450兆円)に上る経済対策を、早急に議会を通過させるよう求めました。民主党内では、進歩派と穏健派が3兆5000億ドル規模の予算決議案と5500億ドル規模の超党派のインフラ包括案を巡り優先順位で、立場を異にしています。ペロシ議長は「議会で民主党が多数派を占めるという状況を無駄にしてはならない」と訴えています。(ブルームバーグ)
ドル円は日足の「120日移動平均線」が上手く機能し、これがサポートになっていますが、「先行スパン1」と「先行スパン2」で構成する「雲」が「抵抗帯」を形成していることから、まだ上昇するには日柄が必要かもしれません。110円30銭をしっかりと超えることができれば、上昇に弾みが付く可能性もあると見ていますが、上でも述べたように足元では一進一退の展開が続いています。
本日のドル円は109円40銭~110円20銭程度と見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
欧州市場から堅調に推移したドル円はNYの朝方には110円13銭まで買われたが、そこを天井にじり安に。ユーロドルは反発。8月のユーロ圏サービス業PMIが引き続き拡大していることを好感。(イメージ写真提供:123RF)
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2021-08-24 09:30