【為替本日の注目点】米経済指標悪化と株安でドル円反落、豪ドル円「調整」続く

 NY市場  ドル円は豪ドル円などクロス円の大幅下落に伴い円高ドル安が進む。102円65銭前後から上値の重い展開となり、欧州市場では102円17銭まで下落したが、そこから102円台半ばまで戻して引ける。  ユーロ圏の経済指標の好転をきっかけにユーロドルは1.3854まで買われたが、ユーロ円の売りが優勢になるのと歩調を合わせて、1.38台前半までユーロ安が進む。  株式市場は住宅市場の指標と決算発表を嫌気して下落。ダウは12ドル安、S&P500は7日振りに下落。  債券相場は新築住宅販売件数が市場予想に届かなかったことや、ウクライナ情勢が混迷を深めていることで買われた。10年債利回りは1週間振りに2.7%台を割り込む。  ドルが売られたことで金は小幅に反発。原油は続落。  3月新築住宅販売件数 → 38.4万件  ドル/円 102.22 ~ 102.55  ユーロ/ドル 1.3812 ~ 1.3846  ユーロ/円 141.18 ~ 141.71  NYダウ -12.72 → 16,501.65ドル  GOLD +3.50 → 1,284.60ドル  WTI -0.69 → 101.44ドル  米10年国債 -0.0018 → 2.693%  本日の注目イベント  中   中国 3月景気先行指数   独   独4月ifo景況感指数   欧   ドラギ・ECB総裁講演   米   3月耐久財受注   米   新規失業保険申請件数   豪ドルが大きく下落しました。昨日の日本時間10時半に発表されたオーストラリアの1-3月期消費者物価指数が、市場予想の3.2%に対して2.9%だったことで豪ドル売りが加速し、対円、対ドルでの急落につながっています。豪ドル/ドルは0.9375あたりから100ポイント以上下落し、豪ドル円は96円20銭台から94円80銭前後まで豪ドル安が進みました。  1-3月期の消費者物価指数がRBAの目標値の上限である3%を上回るとの観測から、豪ドルは前日のNY市場で大きく買われていました。金融緩和政策を引き締めに転換するのではないかとの憶測もあり、豪ドル買いが積みあがっていたものと思われます。NZが利上げに踏み切ったこともさらに上記憶測を正当化させるのに十分でした。  消費者物価指数が3%を超えていなかったことに加えて、15分後には中国の製造業PMIが発表され、こちらは市場予想と同じでしたが、「50」を下回っていたことで豪ドル売りを加速させた面もあります。豪ドルの持ち高が膨らんでいたところに上記指標発表で、ストップロスを巻き込んだ下落につながったと見れます。91円台前半から順調に上昇を続けていた豪ドル円ですが、まだ「調整」は終わっていないと考えられます。94円台前半から半ばが重要なサポートと見ていますが、今回発表の消費者物価指数は依然として高水準であることから利上げ観測は今後もくすぶり続けると予想されます。  ドル円は102円70-75銭が結局抜けずに反落しました。この欄でも103円を越えてドル高円安が進むには、米長期金利の一段の上昇が必要であると述べましたが、昨日はその長期金利が2.7%を割り込み、さらには経済指標の悪化と株安が見られたものの102円台半ばで推移しています。見方によっては102円台をかためていると言えなくもありません。  上値が重くなり、下値も底堅いドル円は今後も102円台でもみ合うことになりそうですが、明日は日本の都市部の4月消費者物価指数が発表されます。こちらも昨日のオーストラリアの同指数以上に注目度が高くなっています。日銀の追加緩和にも影響を与える今回の指標です。黒田総裁は「必要ならちゅうちょなく調整する」と何度も繰り返していますが、3%を超えるようなら「必要ない」という判断に傾き、円買いが進行する可能性が高く、2.8%を下回るようだと「必要」ということになりそうです。予想レンジは102円から102円80銭程度と見ます。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)
ドル円は豪ドル円などクロス円の大幅下落に伴い円高ドル安が進む。102円65銭前後から上値の重い展開となり、欧州市場では102円17銭まで下落したが、そこから102円台半ばまで戻して引ける。
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2014-04-24 09:30