【為替本日の注目点】日経先物3万円台に乗せる

ドル円はややリスクオンが強まり、109円93銭前後まで買われたが、NY市場が休場だったこともあり、その後小幅に反落。ユーロドルは前日より水準を下げ、1.18台での取り引きに終始。 ドル/円  109.83 ~ 109.93 ユーロ/ドル 1.1856 ~ 1.1872 ユーロ/円  130.25 ~ 130.42 NYダウ  -----  → 35,369.09ドル GOLD ----- → 1,833.70ドル WTI  ----- →  69.29ドル  米10年国債 ----- → 1.322% 【本日の注目イベント】 豪   RBA、キャッシュターゲット 日   7月景気先行指数(CI)(速報値) 中   中国 8月貿易統計 中   中国8月外貨準備高 独   独7月貿易収支 独   独7月鉱工業生産 独   独9月ZEW景気期待指数 欧   ユーロ圏-6月期GDP(確定値) 英   英8月小売売上高  NY市場が「レーバーデイ」の祝日により休場だったことで、為替市場は閑散でした。ドル円は109円台後半で推移し、ユーロドルも前日からやや水準を切り下げたものの、動意はなく値幅も限定的でした。活況だったのは東京株式市場でした。昨日も日経平均株価は朝方から大幅な上昇で始まり、終わってみれば531円高と、高値引けでした。東証株価指数トピックスに至っては、31年ぶりに最高値を更新したようです。欧米などと比べ出遅れが鮮明な日本株は、コロナ対応の稚拙さもあり、上値の重い展開が続いていましたが、9月に入り海外からも買い注文が入り出したようです。高値警戒感がくすぶるNY株式市場と異なり、出遅れた分上昇余地があるのかもしれません。  菅首相が退陣表明したとたんに大きく上昇したことは分からなくもありませんが、新しい首相の経済対策に期待が先行している印象です。昨日の夜間の大阪先物市場では日経平均は3万円の大台に乗せています。現時点では河野氏への支持が最も高いようで、石破氏も河野氏支持を表明したと伝えられています。今月末には新しい首相が決まっており、どの程度の規模と、どこに重点的に配分する経済対策が打ち出されるか注目されます。株価の上昇が続くようだと、市場はリスクオンに傾き易く、ドル円にとってはサポート材料になると見られていますが、効果のほどは限定的かと思われます。8月の雇用統計の結果が予想外の鈍化を示したことが、21日から始まるFOMCにも影響を与えるとの見方が強まってきました。ブルームバーグは、発表を受けエコノミストの間では、金融当局者はテーパリング開始前に雇用者数のさらなる増加を確認する必要があるのではとの声が出ていると報じています。FRBの元エコノミスト、ジュリア・コロナド氏は、「今回の雇用統計で、9月のFOMCでテーパリングが決定する可能性は消えた」と指摘し、その上で、「年内でのテーパリングはなお基本シナリオであり、発表の時期やテーパリングのペースを決める上では今後数カ月のデータが重要になる」と述べています。  また、FRBの楽観的な物価見通しに警鐘を鳴らしているサマーズ元財務長官は、財政・金融政策による景気刺激が「度を超す」ことへの懸念をあらためて示すとともに、8月の雇用統計の結果について、「雇用主が新規採用を望んでいないわけではなく、雇用の伸びを抑えているのは多くの場合、雇いたいと望んでいる人を見つけるのが非常に難しい点にある」と指摘し、「企業は価格上昇分を転嫁する上ではそれほど困難に直面してはいない様子だ」とも述べています。サマーズ氏は、今後も物価上昇は続き、一時的なものではないとの認識を示しています。FRBによるテーパリングの開始が先延ばしになるとの見方から世界株式市場で株価の上昇が続いていますが、9月の雇用統計が仮に大きく上振れした場合には、株価が急落する可能性もあります。いずれにしても、FRBによるテーパリングの時期は来年の春先までには実施されると見ています。 本日のドル円は109円50銭~110円30銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円はややリスクオンが強まり、109円93銭前後まで買われたが、NY市場が休場だったこともあり、その後小幅に反落。ユーロドルは前日より水準を下げ、1.18台での取り引きに終始。(イメージ写真提供:123RF)
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2021-09-07 09:30