【為替本日の注目点】米長期金利一時1.38%台へと上昇

 ドル円は朝方に110円台に乗せ、110円32銭まで上昇。米長期金利が一時1.38%台まで上昇したことを手掛かりにドル高が進む。ユーロドルも水準を切下げ反落。1.1838まで売られ、独ZEW景況感指数が軟調だったことも売り材料に。  株式市場ではダウが大きく売られ続落。一方ナスダックはアップルなど大型ハイテク株が買われ小幅ながら4日連続で最高値を更新。債券は反落。米景気がピークだとの見方が再び強まり、債券が売られた。長期金利は一時1.38%台まで上昇。ドルが買われたことで金は大きく反落。原油も売られる。 ドル/円   110.03 ~ 110.32 ユーロ/ドル 1.1838 ~ 1.1865 ユーロ/円  130.43 ~ 130.65 NYダウ  -269.09 → 35,100.00ドル GOLD   -35.20 → 1,798.50ドル WTI     -0.94 → 68.35ドル 米10年国債 +0.051 → 1.373% 【本日の注目イベント】 日   4-6月GDP(改定値) 日   7月貿易収支 日   7月国際収支 日   8月景気ウオッチャー調査 米   ベージュブック(地区連銀経済報告) 米   7月消費者信用残高 加   カナダ中銀政策金利発表 米   ウィリアムズ・NY連銀総裁講演(オンライン) 米   カプラン・ダラス連銀総裁、タウンホール会議開催(オンライン)  連休明けのNYではドル円が朝方に110円台を回復し、110円32銭までドルが買われる場面がありました。110円台に入ると、最後は結局押し戻される展開がかなり長く続いていますが、今回はドルの水準がこれまででも「高い」方です。直近では9月2日は110円09銭、8月30日は110円26銭、8月26日は110円22銭を高値に反落しており、その意味では昨日はドルの高値を若干ですが「切り上げた」ことになります。米景気のピークアウト論が再び蒸し返され、ダウは269ドル安。債券も売られ金利が上昇したことでドルが全般的に買われています。新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大が米経済再開を妨げるとの懸念が広がっており、7-9月期の見通しが既に引き下げられ、成長は鈍化傾向を見せ始めています。  ブルームバーグは、「今後数週間はかなり波乱含みの展開になるだろう。デルタ変異株を巡る懸念だけが理由ではない。財政刺激策の縮小や議会の政策、一部のセクターでの全般的な回復減速も要因だ」といった、エコノミストのコメントを引用していました。  中米エルサルバドルは7日、世界で初めて仮想通貨(ビットコイン)を法定通貨として認定しましたが、多難なスタートとなりました。  NY時間7日の取り引きでは、1時間に10%余り下落する展開となり、ビットコインの価格は4万3050ドルまで売り込まれました。エルサルバドルのブケレ大統領はこのプロジェクトに利用される公式の電子財布「CHIVO(チボ)」について、技術的問題でアクセスを一時停止したと発表したことが重荷となり大きく下落しました。  同国中銀総裁は「ビットコインはボラティリティーが高すぎる」と懸念を表明していた中での船出で、今後世界の国々の中でも同国のようにビットコインを法定通貨とする国は現れないだろうとのコメントを残しています。  ビッコインは4月21日に過去最高値である6万4869ドルを記録しましたが、その後急落し、2カ月後の6月22日には3万ドルを割り込み、2万8824ドルまで売られました。この間の下落率は55.5%と強烈です。  その後再び上昇に転じ前日には5万3000ドル近くまで反発すると、「6万ドルも視野に入って来た」とのコメントも出る状況でしたが、今回の急落に見舞われています。  なるほど、ボラティリティーが高すぎると受け止めざるを得ません。ブロックチェーンなど優れたシステムもあり、今後伸びる可能性はあると思いますが、ボラティリティーの高さを考えると投資対象には不向きかと思います。  今朝7時台のドル円は110円30銭前後で推移しています。再び109円台に押し戻されるのか注視していますが、21-22日のFOMCまでは「一進一退」の展開が続くとみています。  次期首相に誰がなるのかは為替には余り材料になりませんが、株式市場は多いに関心を持って注目しているようです。  岸田氏と河野氏の一騎討といった様相になりそうですが、「一寸先は闇」なのが政治の世界。まだまだ紆余曲折はありそうです。  日本株の急騰が多少円売りに組している部分もあり、東京時間でのドル円は底堅いと予想しています。  ということで、本日は109円90銭~110円60銭といったところでしょうか。 (執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は朝方に110円台に乗せ、110円32銭まで上昇。米長期金利が一時1.38%台まで上昇したことを手掛かりにドル高が進む。ユーロドルも水準を切下げ反落。1.1838まで売られ、独ZEW景況感指数が軟調だったことも売り材料に。
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2021-09-08 09:45