【為替本日の注目点】NYダウ6日ぶりに反発

ドル円は再び110円台に乗せ、110円10銭まで買われた。ただ勢いはなく、110円前後で取引を終える。ユーロドルは続落し、約2週間ぶりに1.18台を割りこむ。一時は1.1772まで売られ、対円でも129円台半ばまで下落。株式市場ではダウが6日ぶりに大幅反発。前日まで大きく売られていたことで、値ごろ感からの買いも入る。債券は小幅に反発。長期金利は1.32%台に低下。金は反発。原油も上昇し70ドル台に乗せる。
8月財政収支 → -170.6億ドル
ドル/円 109.90 ~ 110.10
ユーロ/ドル 1.1772 ~ 1.1817
ユーロ/円 129.58 ~ 129.94
NYダウ +261.91 → 34,869.63ドル
GOLD +2.30 → 1,794.40ドル
WTI +0.73 → 70.45ドル
米10年国債 -0.015 → 1.326%
【本日の注目イベント】
豪 豪第2四半期住宅価格指数
豪 豪8月NAB企業景況感指数
日 7月鉱工業生産
欧 国際エネルギー機関(IEA)月報
英 英8月失業率
米 8月消費者物価指数
ユーロドルが約2週間ぶりに1.17台後半まで売られドル高に振れたことで、ドル円も再び110円台に乗せ110円10銭まで上昇しました。しかし、相変わらず勢いはなくレンジ内での取引きが続いています。本日は今週の注目材料の一つである米8月消費者物価指数が発表され、結果次第では動意付く可能性もありますが、為替市場の膠着感にはやや食傷気味の参加者も多いことと思います。NY株式市場ではダウが6日ぶりに大幅な反発をみせ、一時は300ドルを超える場面もありましたが、市場全体のセンチメントを好転させるには至っていません。先週は週を通じて売りこまれていたこともあり、単なる反動との見方がコンセンサスのようです。一方乱高下の続くビットコインは再び下げが加速し、4万5000ドル台まで売られています。仮想通貨のライトコインがウォルマートとの提携で合意したとの発表文が、グローブニューズワイヤから配信され、これを受けライトコインは一時33%急騰しましたが、ウォルマート側がその後この文書は「本物ではない」として事実関係を否定しました。ライトコインは一気に上げ幅を縮小し、同様に買われていたビットコインも下げたようです。このような偽文書が出ること自体、「あやしい」と言わざるを得ません。「ハイリスク・ハイリターン」の象徴ともいえる存在です。
米下院歳入委員会の民主党メンバーは13日、一連の増税案を発表しました。今回提示された案では、法人税率が現行の21%から最高で26.5%に引き上げられ、キャピタルゲイン税の最高税率も現行の20%から25%に引き上げるものです。今回の増税案では2兆ドル(約220兆円)余りの歳入が見込めますが、バイデン大統領が目指す増税案を下回っています。バイデン氏は法人税率を28%、キャピタルゲイン税については39.6%を計画しています。今回の案は、「企業に配慮する民主党議員の支持を得るため規模の縮小が当初案より縮小された」(ブルームバーグ)とのことです。米国では新型コロナ対策への費用が重石となり、財政赤字が急拡大しています。財政の急激な悪化を避けるためにも増税は避けられないところですが、これは日本にも当てはまることで、コロナ禍がある程度収束した後には「増税」が待っています。それでも日米の場合、財政立て直しは簡単ではないと見られます。
先週本欄でも若干触れましたが、中国の不動産開発大手の「中国恒大集団」に対するリスクが顕在化してきているようです。ブルームバーグによると、同社が手掛けた住宅の購入者や個人投資家から強く抗議を受けているだけではなく、自社の従業員の反発も招いているようです。深圳にある恒大の主要オフィスには未払いとなっている資産運用商品(WMP)、いわゆる理財商品に返金を求める多くの人が詰めかけ、13日夜には警察が出動する事態になっています。12日時点での抗議者は数百人に上っていたと伝えられ、中国当局は同社の債務危機が社会不安をあおらないよう、警戒を強めているとのことです。今後恒大問題が「中国発のリスク」として拡大しなければいいと思いますが、同社はドル建ての債券も多く発行しています。
政府は昨日、新型コロナワクチンを2回接種した人の数が、全人口の5割を超えたと発表しました。1回の接種を終えた人の数も7984万人と63%に達しており、ようやく欧米に手が届くところまで接種が進んできました。現在のペースでいけば、米国の接種率を抜くのもそう遠くはないようです。若い人の接種が急速に進んだせいか、昨日の東京都の新規感染者数は611人と、劇的に減少しています。ただ、まだ安心はできません。これから冬に向い気温も低下し、コロナ感染が拡大しやすい状況になります。まずは新規感染者の数を減少させ、病床のひっ迫を解消する必要があります。引き続き感染対策を怠らないよう注意したいものです。
本日のドル円は109円70銭~110円40銭程度を予想しています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)(イメージ写真提供:123RF)
ドル円は再び110円台に乗せ、110円10銭まで買われた。ただ勢いはなく、110円前後で取引を終える。ユーロドルは続落し、約2週間ぶりに1.18台を割りこむ。(イメージ写真提供:123RF)
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2021-09-14 09:45